『家を建てよう!』
そう思っても、まず何から始めればいいのか分からない人が多いのではないでしょうか。
何を隠そう私がそうでした。
大抵の人にとっては家づくりは人生で初めての経験。何をすればよいのか分かっている人なんて、ほとんどいないと思います。
そこで今回は『注文住宅を建てようと思うけど何からすればいいんだろう…』という私と同じ人に向けて、家づくりの流れや注意点を、実体験を元に徹底解説したいと思います。
最初にやるべきは『予算決め』
家を建てようと思った時、まずは思う浮かぶのは住宅展示場という人が多いと思います。
色んなハウスメーカーの家が一度に見れるので非常に参考になりそうですよね。
でも待ってください!
その前に絶対にやっておいて欲しい事があるんです。
それが『予算決め』です。
予算決めが大事な理由
予算決めが大事な理由を一言で言うと、『最初に決めておかないと無理な住宅ローンを組んでしまう可能性が高いから』です。
住宅展示場に行くと広々したリビングに開放的なアイラインドキッチンなど、凄く魅力的な家が多くあります。
そしてそれらの展示場の家をイメージしたまま打ち合わせを進めて見積もりを取ると、大抵の場合はビックリする金額になっていると思います。

最近は特に住宅価格が上がっているので、本当にすごい金額が出てきます…
そして予算を決めておかないと、無理をしてでも素敵な家が欲しくなってしまうんですよね。これがいわゆる”マイホームハイ”というやつですね。
30年~40年という長期間の住宅ローンを組むので、50万のオプションでもひと月当たりにすると2000円程度になってしまうので、ついつい「そのくらいなら…」と金額が膨らみがちです。
また逆に本当は予算の範囲内だったのに、予算が分からなかったばかりにどうしても欲しかった設備を”高いから”という理由で諦めてしまう可能性もあります。

適切な金額にするために、予算決めは凄く大切なんだね!
住宅ローンの目安
住宅ローンの目安は一般的には、額面収入の3割以内、または手取り収入の25%以内と言われています。
しかしこれはあくまで目安であって、生活費によって大きく異なってきます。生活費が高めの人であれば、手取りの20%以内に収めないと将来的に破綻する可能性だって出てきてしまいます。
具体的な予算の決め方は?
①収入と生活費の見通しを立てる
もし生活費が分からない場合には一か月でもいいので家計簿をつけてみましょう!
おススメは家計簿アプリでカードや銀行を連携してしまい、自動で家計簿を作ってしまう事です。

色々なアプリがありますが、私はマネーフォワードを使用しています。
共働きの方の場合は育休中に収入が減る事もしっかりと考慮し、理想的には1馬力になった場合の収入を想定する方が良いです。(ペアローンで後悔した話は調べると色々出てきます…)
②教育費を見積もる
日本政策金融公庫に教育費のシミュレーションが載っていましたので、代表的な3パターンを調べてみました。
進学パターン | 教育費合計 |
大学まで全て公立 | 731.7万 |
大学は私立理系 | 1040.4万 |
高校から私立→私立大学理系 | 1201.7万 |
もちろん大学は奨学金という手段もありますが、大学まで費用を出すつもりであれば一人当たり1000万程度は見ておく必要があります。
③退職時までに貯めるべき金額を考える
退職後の老後資金は正直かなり不確定要素が大きいです。
- 何歳まで働けるのか
- 何歳まで健康でいられるのか
- 何歳まで生きられるのか
これは誰にも分からないんですよね。
なので、ここではよく言われている2000万を一つの目安として考えておきましょう。
もちろん老後も余裕のある生活を送りたい場合や、インフレを想定した場合にはそれより多いに越したことはありません。
④シミュレーションしてみる
ローン完済までの合計収入
⇒将来の収入予想の合計値
ローン完済までの合計支出
⇒住宅ローン+生活費+教育費+特別費(車や家の修繕費など)
合計収入-合計支出が2000万以下になった場合には住宅ローン破綻の可能性があるため見直しが必要です!

元々の生活費を抑えていれば、その分を住宅ローンに回せるわけだね
より詳細なシミュレーションを行う場合には自分でライフプラン表を作るか、FPに相談してみましょう。ただし無料のFPに相談する場合には不要な保険を勧められないよう十分にご注意ください。
- 掛け捨ての収入保障保険
- 火災保険
- 自動車保険(運転する場合)
保険はこの3つだけで基本的にはOKです。
日本は国民健康保険が非常に手厚いため、医療保険や貯蓄型保険、過度な生命保険はほとんどの人にとっては不要です。
家づくりのロードマップ
予算が決まったらいよいよ家づくりのスタートです!
①情報を集める
住宅展示場に行くのはまだもうちょっとだけお待ちください。
その前にまずは情報を集めて、状況を客観的に理解しておきましょう!
私の場合は具体的には
- 各ハウスメーカーの大体の相場金額
- ハウスメーカー以外の選択肢(工務店、設計事務所)
- 営業ガチャについて
などを確認してきました。
”営業ガチャ”については簡単に言うと、「住宅展示場に行くとその場にいる営業が自分の担当になってしまい、一度担当が付くと変えられない」という問題。
ただし、これについては私自身担当を変更したこともありましたし、絶対に担当が変えられないという訳でもないので全て鵜呑みにしない方が良いかと思います。
- YouTuberがやっている紹介サイト
- 一括見積サイトからの紹介
- 展示場で偶然出会った
私の場合はこの3パターンで営業さんと出会いましたが、最終的に契約したへーベルハウスの担当者は展示場で偶然出会った営業さんでした。
この営業さんを気に入ってへーベルハウスに決めたと言っても過言ではないため、何が正解かはホントに分からないものです…。

どんな営業が合うかは結局は相性次第。是非直接自分の目で見極めてください。
②住宅展示場に行ってみる
この時点で自分の払える予算と各ハウスメーカーの費用がある程度分かっているので、見るべきハウスメーカーはある程度絞れているはずです。
展示場を見る際に是非注意して欲しい点が3つあります。
- 広く見せるために収納が少ない
- 特注仕様の設備がよくある
- 家具はグレードの高いものが多い
要するに”現実的な家よりも相当良く見える”という事です。特に特注仕様については注意が必要なので、気になった設備や内装は「これって標準ですか?」と是非聞いてみてください。
素敵な洗面やキレイな収納は特注であることが多いです(泣)

ほとんどが特注仕様っていう展示場も結構あるんだよね…
ただ、気になるメーカーがあればもし予算的に厳しくても是非一度は行ってみてください。
雰囲気は真似できるものがあるかもしれませんし、最近は各メーカーが予算を抑えた規格住宅にも力を入れているため、間取りの自由度は無くてもいいけどこのメーカーで建てたい!という事なら見る価値はあります!
ちなみにアンケートに個人情報を書くと担当が付いてしまう可能性があるため、その担当が微妙であれば「知人に担当を紹介してもらう予定なんです」と言って断ってしまいましょう。
③相見積もりを取る
もしこの時点で仮に本命が決まっていたとしても、絶対に複数のメーカーから相見積もりを取りましょう!
数千万円の買い物になるため、相見積もりを取ることで後から「他のメーカーの方が良かったんじゃないか…」と後悔する可能性を減らしてくれます。
また相見積もりをする過程で、必ず間取り提案をもらうことができます。
間取りはこの後120%悩むポイントになるため、複数の間取り提案を受けておくことを強くお勧めします。

我が家も間取りは悩みに悩んで5社から間取り提案を貰い、更に本命だったヘーベルハウスからも3回出し直してもらってやっと納得したものになりました。
間取り提案は一括見積もりサイトが便利でオススメです。
ハウスメーカーと展示場で打ち合わせをするとなると移動も含めると半日かかりですが、一括サイトなら要望を詳しく書いておけば面談なしで提案がもらえる事があります。面談する場合もオンラインで一時間程度で済んだため非常に効率よく提案を受けられました。
一括見積サイト(タウンライフ家づくり)の実体験レビューはコチラ
④契約するメーカーを決める
契約したいと思えるメーカーが決まったら工事請負契約、いわゆる仮契約を結びます。
ヘーベルハウスの場合はこの時点で手付金を払い、設計士を交えて本格的な設計に入ります。
メーカーによる違いはあると思いますが、この際にある程度まとまった現金が必要になると思いますので用意するようにしましょう。

建築までにかかる諸費用(各種の建築申請、設計費用など)という名目のようです
なおヘーベルハウスの場合はこの時点でキャンセルをすると実費以外は返金されるとのことでしたが、メーカーによってキャンセル時のルールが異なると思いますので確認した方が良いですね。
⑤住宅ローンの仮審査を通す
メーカーを選定すると同時に住宅ローンの仮審査を申し込む事になります。ハウスメーカーが提携している金融機関に審査を出してくれますが、あまり条件が良いところが無ければ自分で探すことも可能です。

私はここでも相見積もりを取るために、モゲチェックを利用して自分でも探していました。
住宅ローンは
- 何年のローンにするのか
- 頭金をどうするか
- 固定金利か変動金利か
など今後の生活に直結する選択肢が出てくるためしっかりと吟味しましょう!
⑥具体的な打ち合わせスタート
ここから家にまつわる全てを決めていきます!
間取り、床、壁紙、扉、設備、照明、家具、家電、コンセント位置などなど…
ローコストメーカーだと2〜3ヶ月でパパッと決めて行く事が多く、ハイコストメーカーだと半年以上かけてじっくり決めて行く事が多いようです。
私は仮契約から間取り決定までに約2ヶ月、そこから内装の決定に約半年かかりました。

打ち合わせの進め方もメーカーによって変わるんだね
間取りが決定した頃に建築確認申請を行います。
これは、役所に”こういう家を建てます”という届けを出すもので、この申請をすると床面積や窓のサイズなどの変更は基本的には出来なくなるため、しっかりを吟味してから建築確認申請に進みましょう。
⑦着工
いよいよ工事がスタートします。ここまでくるとキャンセルは不可。あとはもう建つのを待つのみです。
しかし細かい内装や外構はまだ修正可能なので、家具や家電は建築が始まってから検討する場合もあるかと思います。
工期は家のサイズによって変わりますが、大体4~6カ月程度です。

着々と家が出来ていく様子を見るのが楽しみ!
⑧引渡し
検討開始から早くて一年、長いと二年以上かけてついに家の完成です!

念願のマイホーム完成おめでとうございます!!
ちなみに家の外の工事を「外構」と呼びますが、外構をハウスメーカー以外の外部業者に依頼する場合には、引渡しの後に外構工事が始まります。
ここでは説明を省きましたが、外構の費用は思っている以上にかかることが多いため、駐車場+門周りをある程度見栄え良くするためには数百万は覚悟しておいた方が良いです。

予算決めは外構費用も含めて考えておきましょう!
まとめ:予算を決めて悔いのない計画をたてましょう
実際にマイホームを建てて感じたのは、打ち合わせを進めるごとに夢や理想がどんどん大きくなり、それに伴って費用もどんどん増えてくるという事。
最初にしっかりと予算を考え、常に現実を見ながら検討を進める事が大切です。
それでもここで言いたいのは
家づくりの打ち合わせは楽しいし、マイホームはやっぱりイイ!
という事です。
住宅ローンを組んで家を買うという事は、見方を変えればまぎれもない不動産投資です。
お金の事だけを考えれば一軒家を持つことが正解とは言えないかもしれません。
しかしマイホームを作る事は、人生を豊かにするお金の使い方だと私は思います。
是非人生を豊かにするマイホームづくりの参考にしてください。