家を建て替える場合って、何からすればいいのか分からないですよね。
・結局どれくらいの期間がかかるのか。
・何から手をつければいいのか。
・仮住まいはいつ決めればいいのか。
私も建て替えを決めたとき、まずこの3つが分かりませんでした。調べても出てくるのは「解体に1〜2か月、着工から完成まで半年程度」といった一般的な流ればかりで、実際にいつ頃からなにをすべきかまでは分からなかったんですよね。
先に結論|我が家の建て替え15か月
- 全体:仮契約の2025年3月から、入居後の片付けが終わる2026年5月まで、暦の上で15か月。外構工事はこのあとも続いています
- 注文住宅との差:解体一式・引越し1回分・不用品処分1回分の3つが増える
- 仮住まい:7か月。2回の引越しがこの期間を挟む形になります
- 山場:仮住まいへの引越し前。引越しまでの5週間は毎週3つの作業が並行し、空き週はありませんでした
- 一番大きな失敗:不用品処分。量を見誤って入居後まで持ち越し、コンテナを追加で借りる結果になりました
この記事で扱うのは時間の話だけです。
妻の実家を建て替えて二世帯住宅を建てた際の実際のスケジュールをまとめ、ガントチャートを2枚使って説明します。工程ごとにいくらかかったのかは別の記事にまとめてあるので、お金の話はそちらをご覧ください。
読み終えるころには、自分の入居希望日から逆算して「今月なにを始めるべきか」が見えているはずです。
ヘーベルハウスで二世帯住宅を建てて2026年4月末から入居中。妻の実家を建て替えたため、解体・仮住まい・2回の引越しをすべて経験しました。この記事のガントチャートは、当時の記録から起こした実際の日程です。
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①建て替え15か月の全体像|やるべきことが3つ増える
まず最初に、注文住宅と建て替えの違いを整理します。
建て替えは家づくりそのものよりも、追加で発生する工程を理解しておくことが大切です。

建て替えで追加になるのは、解体一式・引越し1回分・不用品処分1回分の3つです。
では、それが実際にいつ発生したのかを全体の工程表で見ていきます。横軸は月、縦に工程を並べています。

青が注文住宅なら誰でも通る工程、緑が建て替えだから増えた工程です。
引越しも不用品処分も、家を建てる人なら誰でも一度は通ります。この図で緑にしてあるのは、建て替えだから「もう一回」必要になった分です。
逆に言えば、この3つさえ押さえておけば、あとは普通の注文住宅と同じ段取りで進みます。
②建て替えの日程は連鎖する|入居日が決まると全部決まる

建て替えに伴う各工程の日程は、自分で自由に調整できる部分があまりありません。ほとんどが有無を言わさず決まっていきました。
なぜこうなるのか。日程が、入居日から後ろ向きに決まっていくからです。
- まず、入居したい時期を決める
- その入居日から逆算して、着工日が決まる
- その着工日に間に合うように、解体日が決まる
- その解体日までに家を空けるため、引越し日が決まる
- その引越し日に間に合うよう、不用品処分の期限が決まる
ドミノが後ろから倒れてくる感覚でした。ひとつの日程が決まった時点で、その前に終わらせるべき作業の期限も、ほぼ自動的に決まってしまいます。
もちろん、各工程に多少の幅はありました。ただ、施主が自分で決めたと言えるのは一番最初の起点くらいで、あとは業者の都合と前後関係の中で収まるところに収まる、というのが実感です。
「余裕を持って」だけでは足りない理由
「余裕を持ったスケジュールを組みましょう」というアドバイスをよく見かけます。間違ってはいないのですが、これだけでは足りません。
たとえば仮住まいを2週間早く契約したとします。では、その2週間で片付けが進んだでしょうか。我が家の場合はおそらく進みませんでした。
引越し日が近づくまで、本気で片付けを始められなかったからです。
しかも仮住まいは借りている間ずっと家賃が発生するので、早く借りた分はそのまま負担増になります。日程に余裕を取るほど、使われない期間にお金を払うことになるわけですね。
では、建て替えで前倒しできるものは何もないのでしょうか。そんなことはありません。その答えは④に書きました。
③一番きつかった6週間|毎週3つが並行した
15か月のうち、もっとも忙しかったのが仮住まいへ引越す直前の6週間です。この期間だけを週単位で切り出したのが、次の図になります。

引越しまでの5週間は、毎週かならず3つの作業が同時に動いていました。山場がひとつあるのではなく、空いている週がひとつもない状態が続きます。
特にしんどかったのが、やることが6種類重なったことでした。
- ハウスメーカーとの打ち合わせ(本契約に向けた仕様の詰め)
- 解体工事の打ち合わせ(業者は7月に決めていましたが、HMや外構業者との連携が必要)
- 外構業者との打ち合わせ(屋外の水栓や電気の配置、解体との兼ね合いを調整)
- 引越し業者の相見積もり
- 不用品回収業者の相見積もり
- 仮住まいの物件探し
相見積もりを取るものは、複数社に声をかけて、日程を調整して、訪問を受けて、条件を比べます。打ち合わせのほうも、こちらの予定を空けて相手に来てもらう点は変わりません。それが6種類、同じ時期に重なりました。平日は仕事があるので、実質的には週末だけで回していたことになります。
極めつけは、粗大ごみの手続きを引越しと同じ週にやっていたことです。自治体の回収は申込みから収集日まで日数がかかるため、本来はもっと早く手をつけるべきでした。
解体が終わってから、本契約を結んだ
この6週間を抜けて仮住まいへの引越しが終わったあとも、もう一山ありました。

予定では、最終確認と本契約を済ませてから解体するはずでした。ところが確認したい項目が次から次へと出てきて、最終確認そのものが後ろへずれてしまったんですよね。我が家は特注仕様が40以上あり、細かいところまで詰めたがる施主だったので、そのぶん時間がかかりました。
▶契約の種類とキャンセル時の負担の違い
ここで誤解がないよう、契約の段階を整理しておきます。
3月に結んだのは仮契約です。この段階ならキャンセルしても打ち合わせの実費負担で済み、損失は最大でも最初に支払った200万円ほど。一方、本契約後は工事全体を発注するため、キャンセル時の負担も大きくなると考えていました。
▶解体日は簡単にはずらせなかった
では、解体を2週間ほどずらせばよかったのかというと、その後の建築工事のスケジュールもすでに決まっていたため、簡単には変更できませんでした。
- 入居日が決まっている
- だから工事のスケジュールも決まっている
- そのスケジュール前提で、工事業者の手配がすでに済んでいる
- 契約や解体が大きく遅れると、業者を押さえ直すところからやり直しになる
- 結果、工事全体が数か月単位で後ろにずれる
②で書いたドミノが、ここでも効いていました。解体を遅らせるという選択肢が、そもそも手元になかったわけです。
納得したい施主と、工期を守りたいメーカー
ここからは、当時の正直な気持ちを書きます。
一生に一度になるであろう家づくりで、最後の契約だけは、期限に追われて焦りながら済ませたくありませんでした。
一方で、期限に意味があることも理解はできます。期限までにサインすれば予定どおり進み、サインしなければ数か月遅れる。説明としては、たしかにそのとおりです。
それでも当時の私には、「期限までに納得できなかったほうが悪い」と言われているように聞こえてしまいました。
念のため書いておくと、ハウスメーカーがそう言ったわけではありません。工期という動かせない事情を説明されただけです。ただ、納得したい気持ちと期限のあいだで挟まれている側からは、どうしてもそう受け取れてしまう。このすれ違いこそが、建て替えで一番ピリピリした場面でした。
結局、前の家が解体されて更地になってから契約書にサインすることになりました。万が一そこで話が流れていたら、帰る家のないままハウスメーカー探しをやり直すことになります。仮契約を結んでいたとはいえ、気持ちのいい状態ではありません。
本来は、契約を済ませてから壊すほうが安心です。そのうえで、施主にできることはひとつだけでした。
▶確認作業を前倒しで進めるべきだった
ハウスメーカーとの確認作業を、できるだけ前倒して早い段階から進めておくこと。確認したいことは、打ち合わせが進むほど増えていきます。「最後にまとめて詰めよう」と構えていると、我が家と同じ順番になりかねません。
④で書く不用品処分の失敗と、教訓は同じでした。日程は動かせない。動かせるのは、準備を始める時期だけです。
このように、引越しから解体までの時期はとにかくバタバタします。これから建て替える方には、この中で解体費用だけは先に見積もりを取っておくことを強くおすすめしたいです。
解体業者は現地を見ないと見積もりが出せないうえ、アスベスト調査もあるため時間がかかり、金額の幅が非常に大きい工程です。我が家は4社に依頼して最大240万円の差が出ました。ここを後回しにすると、比較する時間がなくなって言い値で決めることになりかねません。
4社に依頼したときの見積書と、なぜそこまで差がついたのかは、こちらに詳しく書いています。
④間に合わなかった不用品処分|コンテナを追加した

ここが、我が家の建て替えで一番大きく響いた失敗です。
結論から書くと、不用品処分が引越しまでに終わりませんでした。入居後まで作業が続き、途中でコンテナを追加して借りることになっています。全体のガントチャートで赤く囲ってある部分が、その持ち越し分です。
原因は日程ではなく、量の把握の遅れだった
最初は「日程が足りなかった」と思っていました。実際、不用品処分と荷造りに充てられたのは引越し前の2週間だけです。
でも、よく考えると違いました。②で書いたとおり日程は連鎖で決まるので、ここを大きく動かす余地はそもそもなかったのです。
本当の原因は、どれだけの量があるのかを把握するのが遅れたことでした。長く住んだ家には、自分が思っているより遥かに多くのものが入っています。押入れの奥も、物置も、庭先も。それを「まあ何とかなるだろう」で済ませたまま、期限の2週間前を迎えてしまいました。
量が分かっていなかったので、どこまでを業者に任せるかも決めきれません。結果として処分しきれないものが残り、コンテナという追加コストが発生しました。
動かせるのは日程ではなく、準備を始める時期
②で引っ張った答えがこれです。
入居日も着工日も解体日も、施主の都合では大きく動きません。動かせるのは、その日までに終わらせる準備を、いつ始めるかです。
家の中にどれだけのものがあるかを知る作業は、半年前でも1年前でも、費用をかけずに取りかかれます。不用品の仕分けも、買取に出せるものの下調べも、粗大ごみの収集日の確認も同じでしょう。引越し日が決まる前からできることは、実はいくつもあります。
我が家の失敗は、膨大な量の荷物の把握が遅れて、荷物整理の段取りをきちんとできなかったことでした。
押入れ、物置、タンスの中といった範囲ごとに荷物の量をざっくりとでも把握して、「いつまでにこの範囲を捨てる・売る・残すに分類する」と決めておければ、片付けのやる気も起きたはずです。
時間に追われて慌てていると、値段がつくものまで処分費を払って捨てることになりかねません。
なお不用品回収業者の見積もりは会社によって差が大きく、5社に依頼したときは16万円から40万円まで開きました。
⑤逆算してみる|いつ何を始めるべきか
ここまでの話を、そのまま使える形にまとめます。工程によって基準になる日が違うので、起点も一緒に並べました。
| やること | 起点 | 我が家の実績 | おすすめ |
|---|---|---|---|
| 家の中の量を把握する | いつでも | やっていない | できるだけ早く (遅くとも引越しの2か月前) |
| 解体業者を選ぶ | 解体予定日から | 約3か月前 | 解体の3〜4か月前 (仮契約が済んだらすぐ) |
| ハウスメーカーとの最終確認 | 解体予定日から | 解体の3日後(間に合わず) | 解体の2週間前 |
| 仮住まいを探す | 引越し日から | 約5週前 | 引越し2か月前 |
| 引越し業者の相見積もり | 引越し日から | 約4週前 | 引越し4週前(変更なし) |
| 不用品回収の相見積もり | 引越し日から | 約4週前 | 引越し4週前(変更なし) |
| 不用品処分と荷造り | 引越し日から | 約2週前(間に合わず) | 引越し4週前 |
| 粗大ごみの申込み | 収集希望日から | 引越しと同じ週 | 引越し2週前 |
この表の一番上だけ、他とは性質が違います。残りはすべて相手の都合に左右されますが、量の把握には起点がありません。今日からでも始められます。
建て替えを考え始めた段階で、押入れと物置を一度開けてみてください。それだけで、このあとのスケジュールの難易度がかなり変わります。
そして、表の中で我が家が特に早く動いてよかったのが、解体業者の選定です。現地を見てもらわないと見積もりが出ないうえ、アスベストの調査も必要になるためどうしても時間がかかります。
各社の金額差も大きい工程でした。ここだけは、ほかの準備より先に進めておく価値があります。
⑥建て替えでかかるお金|工程ごとの実額は別記事に
この記事では時間の話に絞りました。実際にいくらかかったのかは、工程ごとに記事を分けてあります。知りたい部分から読んでみてください。
家の値段以外に、建て替えだといくら余計にかかるのか
解体費用は何で決まるのか。同じ家で4社の見積もりを比べた結果
引越しが2回になると何が起きるのか。仮住まい探しで一番苦労した条件
不用品処分が2回ある理由と、5社の見積もりの中身
まとめ|動かせるのは、準備を始める時期
最後に要点を整理します。
- 日程は入居日から後ろ向きに連鎖する
- 打ち合わせが押せば、解体が契約より先になる
- 納得したい気持ちと、工期の期限は衝突する
- 解体の見積もりだけは、先に取っておきたい
- 動かせるのは、準備を始める時期だけ
建て替えは、注文住宅を建てながら、同時に旧居を畳む作業です。この2つが同じ時期に重なることだけ知っておけば、直前で慌てる場面はかなり減らせるでしょう。
もし我が家がもう一度建て替えるとしたら、最初にやるのは間取りの相談でも業者探しでもなく、家の中にどれだけ物があるかを数えることだと思います。
