ヘーベルハウスの解体費用は560万円|4社見積もりで最大240万円の差が出た理由

ヘーベルハウスの解体費用は560万円|4社見積もりで最大240万円の差が出た理由

ヘーベルハウスで妻の両親との二世帯住宅を建て、2026年4月末から入居中のます蔵です。この記事の内容は、妻の実家(ヘーベルハウス)を4社の相見積もりを取って解体し、更地から建て直した実体験にもとづいています。

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建て替えを考え始めて、最初につまずいたのがヘーベルハウスの解体費用でした。

本体価格や外構なら、各社の見積もりを並べれば高いか安いかの見当がつきます。ところが解体は勝手が違いました。壊すだけの工事なのに相場がつかめず、そもそも何にいくらかかっているのかが分かりません。しかも我が家が壊すのは、鉄骨とヘーベル板でできた、頑丈さが売りのヘーベルハウスです。

結論を先に書くと、4社から見積もりを取って最も安かったのが560万円最も高い会社との差は約240万円ありました。同じ家を壊すだけで、です。

この記事では、実際の見積書2枚を公開しながら次の3点をお伝えします。

  • ヘーベルハウスの解体費用はいくらだったのか、なぜ高くなるのか
  • 実際の見積書で182.5万円の差はどこから生まれたのか
  • 解体費用は住宅ローンに組み込めるのか、いつ現金が必要になるのか

①ヘーベルハウスの解体費用は560万円だった

まずは実際の金額です。一括見積もりサイトから紹介してもらった3社と、ヘーベルハウス本体を合わせた4社に、現地を見てもらったうえで見積もりを出してもらいました。

見積もり先金額(税込)備考
ヘーベルハウス約800万円解体範囲が変わる前の概算
A社742.5万円見積書を後述
B社683万円
C社560万円実際に依頼した会社

最安のC社と最高額との差は240万円。書面が手元に残っているA社とC社だけで比べても、182.5万円の開きがあります。

なおヘーベルハウスの金額に「約」を付けているのは、見積もりを受け取ったあとにこちら側の事情で解体範囲が変わり、最終的な見積もりをもらっていないからです。ここは参考値として見てください。

560万円に含まれている工事の範囲

金額を見るときにいちばん大事なのが、工事の範囲です。我が家の560万円には、建物以外の工事もかなり含まれています。

  • 家本体の解体(鉄骨造・ヘーベル板)
  • 塀の解体(外構をやり直すため)
  • 井戸の埋め戻し
  • 植栽の伐採と整地

建物だけを壊した金額ではないので、この560万円を延床面積で割り戻しても意味のある数字にはなりません。逆に言えば、他の家の解体費用と自分の家を比べるときは、まず「どこまでが含まれた金額なのか」を揃えないと比較が成り立ちません。ここは相見積もりでいちばん神経を使ったところでした。

②解体費用の相場|ヘーベルが高い理由

自分の見積もりが高いのか安いのかを判断するために、まず一般的な相場を調べました。解体費用は建物の構造によって大きく変わります。

構造坪単価の目安延床30坪の場合
木造3〜5万円約120〜180万円
鉄骨造4〜7万円約150〜240万円
RC造(鉄筋コンクリート)6〜10万円約210〜300万円

解体業者各社が公開している相場情報をもとにした2026年8月時点の目安です。地域の処分単価、前面道路の広さ、残置物の量などによって3割以上動くことがあります。また、この金額は建物本体の解体分であり、塀・樹木・地中の埋設物などは別途かかります。

この表と並べると、我が家の560万円はかなり高く見えると思います。ただし、この表は建物本体だけの目安です。我が家の金額には塀の解体、井戸の埋め戻し、植栽の伐採が積み上がっているうえ、二世帯6人で住む家の建て替えなので、平均的な四人家族の住まいより規模も大きくなります。坪単価で割り戻して比べられる数字ではありません。

そのうえで、鉄骨造が木造より解体費用が高くなりやすいのには理由があります。我が家のような鉄骨+ALCの住宅では、切断や分別、重量物の運搬・処分など、木造とは異なる工程が増えます。

内装を撤去して鉄骨の柱と梁が露出したヘーベルハウスの解体途中
内装を撤去した状態。柱と梁を1本ずつ解体していきます

大きく分けると、次の3つです

切断と分別に手間がかかる

木造なら重機で崩していける部分も、鉄骨は1本ずつ切断していく必要があります。火花が出るため養生も厳重になり、その分だけ人手と日数がかかります。外壁のヘーベル板(ALCコンクリート)も、鉄骨や内装材と分けて処理しなければなりません。

重量があるため大型の重機が必要

頑丈さと重さは表裏一体です。丈夫な家ほど、壊すのにも大きな機械と広い作業スペースを要します。敷地の条件によっては、ここで金額が跳ね上がることもあるようです。

鉄とコンクリートの処分費が高い

解体費用の内訳で見落としがちなのが、運搬と処分の費用です。鉄やコンクリートは重量があるうえに、処分単価そのものも上がってきています。壊す手間より、出たものを運んで捨てる費用のほうが効いてくる場面もありました。

頑丈な家を建てるということは、いつか壊すときの費用も込みで選んでいることになります。ヘーベルハウスの外壁(ALC)がどういう素材なのかは、鉄骨メーカー6社を比べた外壁の比較記事で詳しくまとめています。

③解体費用の内訳を比較|同じ工事で182.5万円差

4社の見積もりでは最大240万円の差がありました。ただし最高額だったヘーベルハウスの約800万円は、そのあとに解体範囲が変わったため参考値です。

そこでここからは、明細まで突き合わせられるA社の742.5万円と、実際に依頼したC社の560万円を比べます。同じ家を同じ範囲で見積もってもらって、それでも差額は182.5万円ありました。左がC社、右がA社の見積書です。

実際に届いた解体費用の見積もり。2社の見積もり金額は182.5万円の差がある。
左がC社の560万円、右がA社の742.5万円。社名と住所は伏せています

明細を突き合わせて、差が大きかった項目を並べたのが次の表です。

項目A社とC社の差
家本体の解体140万円
足場・養生8.5万円
井戸の埋め戻し7万円

差のほとんどが、家本体の解体費です。つまり工事範囲や仕様の違いではなく、同じ作業に対する単価そのものが違うということになります。

解体業者は、自社で重機を持っているか、処分場までの距離が近いか、鉄骨の解体に慣れているかによって原価が変わります。口コミを見る限りどちらの会社も評判は良く、安いほうが手抜きという単純な話でもありませんでした。家本体や外構と違って中身の仕様に差が出ない工事だからこそ、複数社に当たった効果がそのまま金額に表れた形です。

見積書に含まれていない費用がある

ここが解体の見積もりでいちばんの落とし穴でした。見積書は総額だけでなく、欄外まで確認してください。右側のA社の見積書には、下部に「上記見積り代金に含まれていない項目」という欄があり、こう書かれています。

  • 吹付アスベストおよび外壁アスベストの撤去代金(該当した場合は別途見積もり)
  • 地中埋設物の処分代金(目安として3トントラック1台で6万円程度)

どちらも、実際に壊してみないと分からない費用です。特に地中埋設物は、以前の建物の基礎やコンクリート殻、瓦礫などが土の中から出てくるもので、量によっては数十万円単位で膨らみます。総額が安く見える見積書でも、この但し書きの条件が各社で違えば比較になりません。

我が家の結果を書いておくと、アスベストも地中埋設物も出ず、追加費用ゼロで見積もり通りの560万円で完了しました。これは運が良かった側だと思います。だからこそ、追加が出る前提で数十万円の余力は見ておいたほうが安心できます。

④解体費用は住宅ローンに組み込めるのか

金額以上に悩んだのが、この560万円をどう用意するかでした。

結論から書くと、解体費を住宅ローンに含められるかどうかは、解体の依頼先と金融機関によって変わります。我が家の場合、ヘーベルハウスに解体まで任せれば住宅ローンに含められましたが、別の解体業者へ直接依頼すると対象外になりました。

ヘーベルハウスに確認したときの回答は、こうでした。

  • 解体もヘーベルハウスにまとめて任せる場合は、住宅ローンに組み込める
  • 別の解体業者に頼む場合は、組み込めない

理由は、ヘーベルハウスの請負工事が「更地になった状態から」始まるためです。自分で手配した解体は請負工事の外側にあるので、住宅ローンの対象に入れられません。整理すると、こういう構図になります。

比較項目ハウスメーカーに任せる別の業者に頼む
金額高くなりやすい相見積もりで下げられる
住宅ローン組み込める組み込めない
支払い時期ローンの実行に合わせられる着工前に現金で用意
手間おまかせできる業者選定と立ち会いが必要

我が家は240万円の差を取りに行き、別の業者へ依頼しました。その代わり、560万円を建築が始まる前に現金で用意する必要が生まれます。住宅ローンとは別のローンを組む選択肢もありましたが、金利を払ってまで借りる場面ではないと判断し、自己資金で賄いました。

判断の分かれ目は、シンプルに手元資金で払い切れるかどうかです。払えるなら差額はそのまま浮きます。払うと貯蓄が底をつくのであれば、多少高くてもローンに乗せられるほうが資金計画は安定するはずです。借りた場合の金利負担と差額を並べて、どちらが得かを電卓で叩いてみてください。

なお、解体費用を住宅ローンやつなぎ融資に含められる金融機関もあり、残債と新しい家の借入をまとめる建て替えローンでは解体工事費も対象になると案内されています。ハウスメーカー側の条件と金融機関側の条件は別の話なので、両方に早めに確認しておくと選択肢が広がります。

【住宅ローンいくらまで組む?】上限値を知るにはライフプラン表が必須!

⑤解体前の準備|処分できないものがある

業者が決まったら、次は家の中を空にする作業です。ここも想像以上に重い工程でした。

解体業者が建物と一緒に処理してくれるものと、自分で処分しなければならないものが分かれます。我が家のケースはこうでした。

区分該当したもの具体例
業者が処分できた木材・鉄材・陶器木の家具、金属の棚、食器類
自分で処分が必要樹脂製品・布製品プラスチック収納、衣類、寝具、カーテン

言われてみれば当然の線引きなのですが、家の中を見渡すと該当するものが山ほどありました。ここは会社によって引き取れる範囲が違う可能性もあるので、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。

そして我が家は、この片付けが解体日までに終わりませんでした。祖父母の代から続いてきた家で、40年近く分の物があります。結局、処分しきれなかったものは引っ越し業者のコンテナに一時保管してもらい、新居へ移る段階で改めて向き合うことになりました。この一時保管が使えたのは、仮住まいへの引っ越し業者を選ぶときに特典まで含めて比べた結果です。

解体は日程を動かせない工事です。物の整理だけは、後ろから逆算して早く始めるほど楽になります。

⑥解体は10日で完了|壁に書いたありがとう

実際の工事は、約10日で終わりました。

約10日で更地に。40年近く家族が暮らした場所が、こうなりました
解体後の前の家。わずか10日でこうなりました。

取り壊しの数日前、家族で家中の壁に落書きをしてきました。各自が思い思いの言葉を書いていきましたが、並んだ言葉のほとんどは「ありがとう」でした。

解体の数日前、家族で壁に書いたメッセージ(一部を加工しています)

この家は39年間、祖父母の代から4世代にわたって家族の中心であり続けた場所でした。私は途中から加わった立場ですが、この家を建てた義父と義母、物心ついたときからここで過ごした妻には、私の何倍も思い入れがあったはずです。

建て替えは、更地から始まる新築とは少し違います。ここまで数字の話をしてきましたが、実際にはこういう時間も含めての工事でした。姿を変えた新しい家が、また家族の思い出の中心になってくれたらと思っています。

⑦解体で損をしないための3つのこと

解体をひと通り終えて、これから建て替える方に伝えたいことは3つに絞られます。あわせて、実際に使ったサービスも紹介します。

解体こそ相見積もりを取る

仕様の差が出ない工事だからこそ、業者の差がそのまま金額に出ます。我が家は4社を比較し、見積もりには最大240万円の差がありました。解体費を抑えられれば、その分を予算が足りなくなりがちな外構などに回せます。

現金が必要になる時期を先に確認する

ハウスメーカー以外に解体を頼むなら、着工前にまとまった現金が要ります。総額が予算内に収まっていても、支払いの順番で詰まることがあるので、契約前の段階でいつ・いくら必要になるかを押さえておいてください。

物の整理は解体日から逆算する

業者が引き取れないものは、想定より多めに見積もっておくくらいでちょうどいいと思います。解体には人手や重機が必要なため、直前では日程調整ができません。

解体業者はどうやって探したか

我が家が使ったのは「解体無料見積ガイド」という一括見積もりサイトです。条件を伝えると対応できる会社を紹介してくれるので、地元の業者をゼロから探して1社ずつ連絡する手間が省けました。現地確認と見積もりはそれぞれの会社が個別に行い、そこから比べる流れになります。

結果として240万円の差が見えたわけですから、使ってみる価値はありました。

建て替えの本番は、そのあとの家づくり

解体費が別枠で必要になるということは、その分だけ本体の予算を締めておく必要があるということでもあります。しかも建て替え、それも親世帯と一緒に住む家となると、間取りを描く前に決めなければならないことが山ほど出てきます。

二世帯住宅 同居型と完全分離の費用差は827万円|見積書で内訳試算

二世帯住宅を建てる前に確認しておきたいことは、3軒の二世帯に住んだ経験からまとめた10のポイントにも書いています。

そして本体工事こそ、解体以上に会社によって金額も中身も変わります。建て替えでも複数社から間取りと概算を取り寄せられるので、比較の入口として使ってみてください。

建て替えでも間取り提案はもらえます

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次回は、解体と同時進行だった仮住まい探しと引っ越しについて書きます。6人とわんこ、しかも1年未満の短期契約という条件で住む場所を見つけるまでの記録です。