我が家の建て替え特有の費用は744万円|相場では分からなかった3つのこと

我が家の建て替え特有の費用は744万円|相場では分からなかった3つのこと

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ヘーベルハウスで二世帯住宅を建て替え、2026年4月末から3世代6人と犬で暮らしています。

FP資格を持ち、家づくりの資金計画は自分で組み立ててきました。この記事の金額はすべて我が家が実際に支払った実額です。

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建て替えだから土地代がかからない

妻の実家を二世帯住宅に建て替えを決めた当初、私は費用についてかなり楽観的でした。土地はもう持っているのだから、土地から買うより安く済むはずだと。この見立て自体は間違っていなくて、実際に土地から買う場合と比べれば総額は確かに抑えられます

ところが調べていくうちに、そう単純でもないと分かってきました。建て替えには、新築を建てるだけなら発生しない費用がついてきます。今ある家を壊す解体費、工事のあいだ住む仮住まいの家賃、そこへ移って戻ってくる2回分の引っ越し代。土地代が浮いたぶんが、そのまま手元に残るわけではないんですよね。実際には、新しい家がまだ何も建っていない段階で、想像以上の現金が出ていくことになりました。

ではその費用がいくらなのか。住宅情報サイトを見ると、解体費は構造別の坪単価、仮住まいは家賃×半年、引っ越しは2回分で数十万円と、ひととおりの目安が並んでいます。

実際に建て替えを終えて、支払いを1件ずつ拾い直しました。本体工事以外に出ていったお金は743万6,500円。そして意外だったのは、この総額が相場の目安から大きくは外れていなかったことです。

ただし、相場表を眺めているだけでは分からないことが3つありました。この記事では実額と支払い時期を全部公開したうえで、その3つを書いていきます。

  • 実額と時系列:解体・引っ越し2回・仮住まい・不用品処分で743万6,500円
  • 分からないこと1:相見積もりで264万円変わった
  • 分からないこと2:相場表に項目自体がない隠れ費用がある
  • 分からないこと3:住宅ローンに組み込めない費用の8割強が、着工前に必要になる

①建て替え特有の費用は実額744万円だった

まず全体像から。2025年9月の準備から2026年6月の最後の支払いまで、本体工事以外に出ていったお金を1枚にまとめました。

建て替え特有の費用の支払い時系列。新居の着工前に621.6万円、仮住まい期間中に家賃70万円、新居完成後に52.05万円で合計約744万円

合計743万6,500円。家具やカーテンのように、建て替えでなくても発生する費用はここに含めていません。まずは図だけでは伝わらない部分を補足しておきます。

解体費用は2回に分けて支払った

契約時の見積もりは560万円で、最終的な金額は563.3万円。残土処理など細かい部分で差分が出ました。差は3.3万円なので大きくは外れていませんが、解体は掘ってみないと分からない要素があるため、見積もり額ちょうどで資金を組むのは避けたほうが無難でしょう。

なお、我が家では解体が2回に分かれています。外構工事との兼ね合いで、家が完成して外構工事が始まるタイミングに解体業者へ再度入ってもらい、庭周りの残りを解体しました。支払いは2026年6月。入居して1か月以上経ってから、最後の44万円が出ていきました。

我が家のように色々な都合で着工前に全部解体出来ないこともあります。その場合は重機を二回に分けて手配するため、一度に壊すよりも割高になることもあるのでご注意ください。

マイナス表記の10万円は買取の入金

処分ではなく買取に回したぶんです。衣類や売れそうな物を出張買取に出したところ、段ボール100箱超で合計10万円ほどの入金になりました。1箱あたり1,000円程度なので、金額そのものは大きくありません。ただ処分費をかけずに引き取ってもらえて、しかも多少の現金になった。整理のスピードも上がったので、使ってよかったと感じています。

②相場と照らすと総額は外れていなかった

ここが今回いちばん意外だった部分です。実額を出したあとで住宅情報サイトの目安と突き合わせてみたところ、我が家の金額は相場の範囲にきれいに収まっていました

たとえばSUUMOの記事では、解体費の相場を構造別に木造で約6万〜6.5万円/坪鉄骨造で約7万〜8万円/坪鉄筋コンクリート造で約10万円/坪としています。我が家が壊したのは軽量鉄骨。井戸の埋め戻しや塀、植栽の伐採を除いて建物だけの解体費を坪単価に直すと、この鉄骨造の相場のちょうど下限にあたる水準でした。

仮住まいも同じです。SUUMOは「家賃×半年」を見積もっておくよう案内していますが、我が家は7か月で家賃70万円。期間の差だけで説明がつきます。引っ越しは目安より高めに出たものの、6人ぶんの家財に加えて2回目には追加のコンテナ代も乗っているので、家族4人を前提にした金額と比べれば納得のいく範囲でしょう。

つまり相場情報は、けっこう正確です。「相場は当てにならない」と書いてある記事もありますが、少なくとも我が家に関してはそうではありませんでした。構造・工期・家族の人数という前提を自分の条件に置き換えれば、総額はそれなりの精度で出せます

それでも実際に建て替えを終えて振り返ると、相場表だけでは見えなかったものが3つありました。ここからが本題です。

③相見積もりで264万円が動いた

1つめは、同じ工事でも依頼先によって金額がまるで違うことです。

項目比較の内容動いた額
解体工事4社で相見積もり(最高約800万円/依頼先の見積もり560万円)最大240万円
不用品回収5社で相見積もり(最高40万円/依頼先16万円)24万円
トランクルーム引っ越し業者の特典でコンテナ無料(4畳・月2万円×7か月相当)14万円分

解体だけで最大240万円、不用品回収で24万円。合計264万円が業者選びで動きました。トランクルームの14万円は引っ越し業者の特典で浮いたぶんなので、実際には支払っていません。744万円にも計上していないぶんです。

ここで②の話とつながります。建物だけの解体費が相場の下限にあたる水準だったのは、たまたま安い会社を引いたからではありません。4社を相見積もりして比べたから下限に着地できたわけです。逆に最高値の約800万円で契約していたら、坪単価は相場の上限を大きく超えていました。

相場表は「いくらぐらいかかるか」を教えてくれますが、「その範囲のどこに着地できるか」までは教えてくれません。そして範囲の幅は、我が家の場合240万円ぶんありました。

特に解体は、金額が大きいわりに比較する人が少ない費目だと思います。ハウスメーカーから出された見積もりを見て「解体ってこれくらいなのか」と受け入れてしまうと、そこで240万円の判断機会を失うことになります。

  • 解体業者:一括見積もりサイトを使えば数社まとめて現地調査してもらえます
  • 不用品回収:5社とも実際に現地を見てから見積もりを出しました。その場で契約を迫る会社もあったので、即答は避けたほうが無難です
  • 引っ越し業者:総額だけでなく特典まで含めて比べると順位が入れ替わることがあります

④相場表に出てこない費目がある

2つめは、そもそも項目として載っていない費用があることです。総額の目安が合っていても、内訳の置き場所がなければ資金計画からは抜け落ちます。

仮住まいの契約時に17.3万円かかった

仮住まいの契約時に払ったのは57.3万円。内訳は礼金20万円、敷金20万円、そして仲介手数料・保証委託料・火災保険料などで17.3万円です。この17.3万円、集計するまで自分でも意識していませんでした。

住宅情報サイトの仮住まい費は「家賃×半年」という書き方が多く、敷金・礼金まで触れているものはあっても、保証委託料や火災保険料まで挙げているケースは多くありません。

我が家ではペットがいた関係で敷金・礼金が高くなったこともあり、家賃10万円×7か月=70万円に対して契約時費用が57.3万円。退去時に敷金が11.75万円戻ってきたので、仮住まい関連の総額は115.6万円になりました。家賃だけで見積もると、実際にかかった仮住まい関連費の約6割しか見込めていなかった計算です。

仮住まいの費用は家賃だけではなく、敷金・礼金、さらに仲介手数料や火災保険料などの費用がかかる。

不用品処分は相場表に項目がない

建て替えの費用を扱った記事をいくつも読みましたが、不用品処分費が項目として立っているものは見つかりませんでした。我が家では倉庫の整理をしたこともあり、16万円かかっています。しかも5社の相見積もりで、最高値は40万円でした。

この費用が発生するのは、仮住まいへ移る前です。建て替えでは家財を一度そっくり運び出すので、否応なく持ち物の総点検になります。我が家の庭の倉庫には、祖父の代から半世紀近く前の物が眠っていました。

ここで手を抜くと、いらない物を仮住まいまで運び、7か月保管して、新居にもう一度運ぶことになります。運ぶ量が減れば引っ越し代も下がるので、断捨離は費用面でも効きます

それぞれの見積もりの中身や、業者選びで実際にやったことは各記事に詳しく書いています。

⑤現金が必要な波は着工前に集中する

3つめが、この記事でいちばん伝えたい部分です。金額よりも、いつ現金が要るかのほうが実際にはこたえました。

建て替え特有の費用は新居の着工前に集中した。その額は621.6万円。

建て替え特有の費用が、どの時点で必要になったかを局面ごとにまとめました。新居の着工前に621.6万円、仮住まいの家賃が70万円、新居の完成後に52.05万円。744万円のうち8割強が、新しい家が全く建っていない段階で出ていっています

建て替えは「壊す・移る・待つ・戻る」の順に進みます。一番金がかかるのは前半の壊すときと移るときで、一方で我が家の住宅ローンが実行されたのは引き渡しの後でした。

つまり、住宅ローンが実行されるより前に、まとまった現金が必要になる構造です。

冒頭に書いた「土地があるから安く済む」という感覚が危ういのも、金額ではなくこのタイミングのほうです。総額としては確かに抑えられます。ただし土地代が要らないぶん手元に余裕があるかというと、そうではありません。土地を買う人が土地代を払うのと同じくらい早い段階で、解体費と仮住まいの費用が現金で出ていきます。

私が調べた範囲では、この「いつ、いくら現金が必要になるか」まで具体的に示した記事はあまり見つかりませんでした。

建て替えの流れと支払いタイミングを表にまとめているサイトはあるものの、契約金や着工金といった建築工事費の話が中心で、解体工事の費用や支払いタイミングに触れてなかったり、仮住まいの家賃も「新居完成まで」とあるだけ。金額の目安はあっても、現金の波は空白のままなんですよね。

解体費は住宅ローンに組み込めなかった

我が家の場合、この構造がそのまま効きました。ヘーベルハウスにまとめて任せる場合は解体費をローンに含められるものの、最安値の業者との価格差が大きかったため、我が家は別の解体業者に依頼しています。この場合、ヘーベルハウスの請負工事はあくまで更地の状態からスタートするため、外部業者に頼んだ解体費は住宅ローンの対象外。解体費563.3万円は全額が自己資金です。しかも2回に分けたうちの519.3万円は、着工前に支払っています。

③の相見積もりの話と、この現金の話はセットです。240万円安い会社を見つけられても、手元の現金が足りなければその選択肢には乗れません。実行できる資金を先に用意しておく資金計画も非常に重要になります。

支払月と工事の時期はずれる

もう一つ、前払いと後払いの違いも見落としがちでした。仮住まいの敷金・礼金と最初の1か月分の家賃は前払い、解体工事は後払い。契約の順番と請求が来る順番は一致しないので、業者ごとに支払い時期を確認しておくと安心です。

加えて、工事期間中は家賃10万円が毎月出ていきます。工期が1か月延びれば、そのまま10万円の追加。仮住まい期間を短く見積もるのは危険だと実感しました。

⑥まとめ|相場で分かること、分からないこと

建て替えで本体工事以外にかかった費用は743万6,500円。土地があるぶん安く済むという当初の見立ては間違っていませんでしたが、それとは別枠でこれだけの金額が必要になりました。

そして相場の目安と照らすと、総額は大きく外れていません。だからこの記事の結論は「相場を疑え」ではありません。相場は総額の当たりを付けるのに十分使えます。そのうえで、見えにくい隠れ費用の3つを自分で押さえる、という順番です。

  • 相場で分かること:構造・工期・人数を自分の条件に置き換えれば、総額の当たりは付く
  • 分からないこと1:範囲のどこに着地できるか。我が家は相見積もりで264万円動いた
  • 分からないこと2:仮住まいの契約時費用17.3万円や不用品処分16万円など、項目自体が載っていない費用がある
  • 分からないこと3:8割強が着工前。しかも解体費はローンに組み込めない場合がある

私がもう一度やるなら、この順番で積み上げます。

  1. 解体費を相見積もりで確定させる:構造と規模に加えて、塀・井戸・樹木など敷地内の付属物も洗い出す。外構工事との兼ね合いで2回に分かれる可能性も確認しておく
  2. 工期から仮住まい期間を出す:家賃×か月数に敷金・礼金だけでなく、仲介手数料・保証委託料・火災保険料まで足す
  3. 引っ越しを2回分と処分費を見込む:仮住まいへ移る前の断捨離が、処分費と引っ越し代の両方に効きます
  4. 支払い月をカレンダーに置く:金額だけでなく、いつ請求が来るかを業者ごとに確認する
  5. 新居側の費用を別枠にする:家具やカーテンは建て替えでなくても発生するので、特有の費用と混ぜないほうが管理しやすくなります

そして最後に、これは今回の経験でいちばん腹に落ちたことです。解体業者を4社比べて240万円下げられたのなら、金額がもっと大きい新居本体はなおさら比べる価値があります

建て替え特有の費用は、この記事の5ステップで自分の条件から積み上げる。一方で新居本体の予算は、複数社の見積もりを並べないと高いか安いか判断できません。この2つは別々に進めるのが正解だと思っています。

同じ要望を伝えても、出てくる間取りや仕様は会社によって驚くほど違います。我が家も比較したことで、何にお金をかけるべきかの基準がはっきりしました。

複数社の間取り・見積もりをまとめて無料で取り寄せられるサービスがあるので、新居側の予算を固める第一歩として活用してみてください。

記事内の金額は、我が家が2025年9月から2026年6月にかけて実際に支払った額です。解体費・仮住まい費・引っ越し費・処分費は建物の構造や規模、地域の相場、家族の人数によって大きく変わります。相場の目安として紹介した金額はSUUMOおよび住宅情報サイトの公開記事の記載(2026年8月時点)によるもので、内容に誤りがあればお問い合わせフォームからご連絡ください。