ヘーベルハウスで妻の両親との二世帯住宅を建て、2026年4月末から入居中のます蔵です。この記事の内容は、妻の実家を解体して建て直すあいだ、6人と犬で7か月間の仮住まい生活を送った実体験にもとづいています。
建て替えを決めたとき、家の話ばかり考えていて後回しにしていたのが仮住まいでした。建て替えの場合には、工事のあいだどこかに住まなければいけません。頭では分かっていたのに、探し始めるまで難易度をまったく想像できていなかったんです。
我が家の条件は次のとおりでした。
- 大人4人と子ども2人の合計6人
- 小型犬が1匹
- 子どもが転校せずに通える範囲
- 契約は1年未満の短期
この条件を不動産会社に伝えましたが、子どもが自分で通える範囲での該当はゼロ。妻が車で送り迎えする前提でも候補は数件程度だったんです。
他にも自分達でも調べ、良さそうだと思った物件に5〜6件問い合わせをしましたが、すべて断られています。最終的に住んだのは、築年数も広さも妥協した築40年、4DKメゾネットでした。
そしてもうひとつ、建て替えを決めるまで意識していなかったことがあります。引っ越しは2回必要です。旧宅から仮住まいへ、仮住まいから新居へ。我が家はこの2回で合計58.8万円かかりました。
この記事では、仮住まい探しで何がネックになったのか、いくらかかったのか、そして7か月住んで何がつらかったのかを正直にお伝えします。
①仮住まいは10月から4月末までの7か月間
まず期間です。我が家が仮住まいで暮らしたのは10月の頭から翌年4月末まで、ちょうど7か月でした。解体工事の前に引っ越して、新居の引き渡しに合わせて出る流れになります。
見落としがちなのが、仮住まいが必要な期間は工事期間より長いという点です。解体前に家を空にしておく必要があり、新居が完成してからも引っ越しの日程調整があります。工期そのものより前後に数週間ずつ足して考えておくと、あとで慌てずに済むはずです。
そしてこの期間の決まり方には、ひとつ大きな副作用がありました。解体の着工時期を決めた時点で、仮住まいで過ごす季節も自動的に決まってしまうということです。我が家は10月から4月という涼しい時期に当たりました。これが結果的に、あとで書く「エアコンが付けられなかった問題」から我が家を救ってくれています。
解体そのものの費用や進み方については、こちらにまとめています。
②最大の壁は短期契約|5〜6件すべて断られた
探し始めてすぐに分かったのは、我が家の4つの条件のうち、決定的に効いてくるのはひとつだけだということでした。

人数も広さも、条件を下げれば選択肢は残ります。ペットの制限も、探す会社を変えれば道はありました。子どもの通学にしても、親が送り迎えできればエリアを少し広げられます。
ところが短期契約だけは、条件を下げようがありません。今回探した一般的な賃貸物件は、2年契約を前提にしているものがほとんどだったからです。断られた理由もどこも同じでした。短期よりも長期のほうが収益性は良くなるため、貸す側からすれば当然の判断だと思います。
ちなみにペットについては、我が家の犬がほとんど吠えない小型犬だったことに助けられました。ペット可の物件でも、大きさや頭数に制限が付いているケースは珍しくありません。大型犬だったり物音によく反応する子だったりすれば、ただでさえ少ない選択肢がさらに削られていたはずです。
短期と伝えずに契約する手も考えた
正直に書くと、途中でこんなことを考えました。短期であることを伝えずに2年契約を結び、半年後に解約すればいいのではないか、と。実際に短期解約違約金の有無まで調べています。
結果的に、この手は使いませんでした。決め手になったのは倫理観というより、もっと単純な事実です。本当に住みたかった物件は、正面から短期と伝えた段階ですでに断られていました。手元に残っていたのは条件がそこまで良くない物件ばかりで、そこまでして契約するほどの魅力がなかったというのが本音です。
なお、短期での解約は契約内容によって違約金が発生する場合があります。どのような形で契約するにせよ、条件は必ず確認しておいてください。
この経験から言えるのは、期限が決まっている仮住まいならば、小細工を考える時間があるなら妥協ラインを先に決めたほうが早い、ということでした。
③探し方は2ルート|提携の不動産と地元の専門店
物件探しでは、性格の違う2つのルートを使いました。
ルート1|ハウスメーカー提携の仮住まい専門会社
ひとつ目は、ヘーベルハウスと提携している仮住まい特化の不動産会社です。建て替えの仮住まいを専門に扱っているので、短期契約であることを一から説明する必要がありません。この点はとても楽でした。
ただし提案してもらえる物件の数は限られます。短期を受け入れてくれる大家さんは、そもそも母数が少ないからです。紹介された中に「ここに住みたい」と思える家がなかなか出てきませんでした。
ルート2|地元でペットに強い不動産会社
そこで自分たちでも動くことにして、地元でペット可物件に強い不動産会社を探して依頼しました。ペットという難所を得意にしている会社なら、条件の厳しい物件も持っているのではないかと考えたわけです。
ここで前述の5〜6件に当たり、そのすべてが短期を理由に断られました。ペットの壁は越えられても、契約期間の壁は越えられなかったことになります。
結局、最初の提案に戻ってきた
最終的に契約したのは、いちばん最初にヘーベルハウス提携の会社から提案されていた物件群の中の1軒でした。古さと狭さを妥協して選んだ形になります。
遠回りしたようですが、この寄り道には意味がありました。自分で探し回った結果として「これ以上の選択肢はない」と納得できたからこそ、妥協して決断できたんだと思います。もし提携会社の提案だけを見て決めていたら、7か月のあいだずっと「もっと探せば良い家があったのでは」と思い続けていたかもしれません。
これから探す方には、順番だけ意識しておくことをおすすめします。提携ルートで相場と現実を知り、地元の不動産会社で選択肢の上限を確かめる。そのうえで妥協点を決めれば、納得感が段違いになるはずです。
④仮住まいにかかったお金|敷金礼金は家賃4か月分
家賃は各家庭の条件で大きく変わるため公開しませんが、比率で書ける部分をお伝えします。
我が家の場合、犬がいるため敷金と礼金が2か月ずつ、合計で家賃4か月分が初期費用として必要でした。我が家が比較した範囲では、ペット不可なら敷金・礼金が1か月ずつの物件も多く、今回は初期費用が重くなりました。ここに仲介手数料や火災保険料が乗ってきます。
7か月しか住まないのに、家賃4か月分を初期費用として先に払う。しかも敷金は原状回復費を差し引いて戻る性質のお金なので、全額が返ってくるとは限りません。仮住まい費用を「家賃×7か月」で計算していると、この時点で予算が崩れます。
我が家の場合は、わんこが家を汚すこともなく、敷金はかなり返ってきました。ただし返金額は退去時の状態によるため、最初から戻る前提で資金計画を立てないほうが安全です。
| 項目 | 我が家の場合 |
|---|---|
| 敷金 | 家賃2か月分(ペット可のため) |
| 礼金 | 家賃2か月分(ペット可のため) |
| 家賃 | 7か月分 |
| 引っ越し(旧宅→仮住まい) | 29万円 |
| 引っ越し(仮住まい→新居) | 29.8万円(追加の荷物保管分を含む) |
| 荷物の保管 | 4.5畳分は無料/超過分は有料 |
引っ越し代は2回分で58.8万円だった
表のとおり、建て替えでは引っ越しが2回発生します。旧宅から仮住まいへ、そして仮住まいから新居へ。我が家の場合は29万円と29.8万円で、合計58.8万円でした。
意外だったのは、2回目のほうが高かったことです。仮住まいのあいだに物を処分しているので、荷物は減っているはずでした。金額が上がった理由は、追加で借りた荷物保管の費用が2回目の請求に含まれていたからです。このあたりの事情は次の章で詳しく書きます。
建て替えの資金計画を立てるとき、引っ越し代を1回分で見積もっていると、この差額がそのまま不足になります。ざっくりで構わないので、必ず最初から2回分を予算に入れておいてください。
解体費、仮住まいの初期費用、そして2回分の引っ越し代。建て替えでは本体工事以外にもまとまった現金が動きます。我が家もこれらを住宅ローンだけで賄う前提にはせず、手元の資金として考えていました。着工前に、この部分まで含めた資金繰りを一度確認しておくと安心できます。
⑤引っ越し業者は総額で選ばなかった
引っ越し業者は、ヘーベルハウスから案内された建て替え特化の会社を含めて相見積もりを取りました。比べたのはヴォイス引越センター(ヘーベルハウス紹介)と最大手のサカイ引越センターとの2社です。
金額だけを見れば、サカイのほうが総額で約3万円安いという結果でした。普通の引っ越しならここで決まります。ところが我が家が選んだのはヴォイスのほうでした。
理由は特典です。
- 4.5畳分のコンテナが仮住まい期間中ずっと無料
- 段ボールが何枚でも無料
- 粗大ゴミの引き取りも5個まで対応
- 仮住まい先でのコンロの貸し出し
決め手になったのはコンテナでした。仮住まいは4DKで、6人分の荷物がとても入りきりません。入らないものを7か月預けられる場所が無料で確保できるかどうかは、3万円の差額とは比べものにならない価値がありました。
ちなみに家の近くのトランクルームの金額を調べたところ、屋外の4畳で月2万円でした。7ヶ月だと14万円になるため、3万円の差は簡単にひっくり返ります。
そしてこのコンテナは、もうひとつの問題も救ってくれています。実は引越し日までに不用品の処分が全ては終わらなかったんです。行き場を失った荷物をひとまずコンテナへ逃がすことができたおかげで、解体の日程を動かさずに済みました。
ただし無料の4.5畳では足りませんでした。最終的にもう1か所を有料で追加していて、これが新居への引っ越し代が高くなった正体です。6人分の荷物を7か月預けるとなると、4.5畳はあくまで最低ラインだと考えておいたほうがいいかもしれません。

ここが普通の引っ越しとの決定的な違いです。通常の引っ越しは「運ぶ料金」で比べますが、建て替えの引っ越しは「運ぶ+預ける」で比べる必要があります。見積もりの総額だけを並べると判断を誤るので、相見積もりのときは保管サービスの有無と広さ、超過した場合の料金まで必ず聞いてみてください。
引っ越し当日、私は家にいなかった
もうひとつ、書いておきたいことがあります。仮住まい先への引っ越しは平日でした。そして私は仕事の都合で、その前後に家にいられていません。
引っ越し業者の日程は土日に集中するため、平日のほうが取りやすく費用も抑えられます。ただ働いている側からすると、家族に最終の荷造りと立ち会いを任せることになります。
この前提が入ると、業者選びの意味が変わってきます。段ボールが無料で届く、預ける場所がある、粗大ゴミを引き取ってもらえる。こうしたサービスは、単に費用を浮かせるためのものではありませんでした。当日に立ち会えない人間の代わりに、家に残る家族の負担を減らす仕組みだったと思っています。3万円の差でサカイではなくヴォイスを選んだ判断は、いま振り返っても正解でした。
⑥4DKに6人で7か月|住んで分かった現実
ここからは、実際に7か月暮らしてみた話です。結論として、何とかなりました。ただ「何とかなった」の中身には、運が良かっただけの部分がかなり含まれています。
設備の落とし穴|200Vのエアコンが取り付けられない
いちばんひやりとしたのがこれです。前の家から持ってきたエアコンを仮住まいに付けようとしたところ、そのままでは設置できないことが分かりました。200V用の電源がなく、取り付けるには電気工事が必要だと言われたんです。
7か月しか住まない借り物の家に、電源工事をしてまでエアコンを付けるという判断はできませんでした。結果として、エアコンは備え付けだった1階の1台のみで過ごすことになります。
救われたのは時期です。10月から4月という涼しい季節だったので、2階はエアコンなしでもしのげました。これがもし5月から11月の仮住まいだったらと考えると、正直、耐えられなかったと思います。
仮住まいの内見では、間取りや駅からの距離に目が行きがちです。ただ実際に効いてくるのは、各部屋のエアコンの有無と、築年数が古い物件の場合には手持ちのエアコンが付けられるかどうかでした。特に夏をまたぐ計画の方は、ここを最優先で確認してください。
間取りの落とし穴|部屋数は足りたのに、集まる場所がなかった
仮住まいは4DKのメゾネットで、1階にDKと洋室、2階に洋室2つと和室という構成でした。6人で4部屋あるので、寝る場所という意味では問題なく成立しています。

問題は、家族が集まる場所が8帖のDKしかなかったことです。テーブルと椅子を置けるほどの広さはなく、座卓に座布団というスタイルになりました。さらにワンコのゲージもここに置いたため、6人が座ると通路がなくなります。誰かが立ち上がるには、隣の人がずれるしかありません。とても寛げる状態ではありませんでした。
食事が終われば、全員がそれぞれの部屋にいきます。リビングと呼べる空間がないので、6人が同じ場所でくつろぐという時間そのものが、7か月のあいだ消えていました。
ここで実感したのは、家に必要なのは部屋数そのものではないということです。集まれる場所と、離れて過ごせる場所の両方が必要です。どちらかが欠けると、家族の距離感が固定されてしまいます。仮住まいは前者が足りませんでした。
新居の間取りは仮住まいへ移る前にすでに確定していたので、この経験が設計に反映されたわけではありません。ただ、LDKにソファとは別にパーソナルチェアを置いて居場所を増やした判断が間違っていなかったことは、狭い仮住まいで過ごした7か月がはっきり教えてくれました。
新居に住み始めて、仮住まいでの生活とのギャップが一番大きかったのはリビングの居心地の良さでした。
お風呂場の湿気がすごい
築年数のある物件だったこともあり、浴室の湿気がなかなか抜けませんでした。6人が順番に入るので入浴時間も長くなり、換気が追いつかなかったんだと思います。新居では全館空調のおかげで、この悩みは完全に消えました。
⑦仮住まいで消耗しないための3つのこと
7か月を終えて、これから建て替える方に伝えたいことは3つです。
探し始めは早く、妥協は先に決める
短期契約という壁がある以上、選択肢は最初から少ないと思っておいたほうがいいです。条件を全部満たす家はまず出てきません。どこを譲るのかを先に家族で話しておくと、物件が出たときにすぐ動けます。
季節と設備をセットで確認する
解体の着工日が決まった時点で、仮住まいで過ごす季節も決まります。夏をまたぐならエアコン、冬をまたぐなら暖房。手持ちの機器が使えるかどうかまで含めて、内見のときに確認しておきましょう。
引っ越しは「預けられるか」で選ぶ
建て替えの仮住まいでは、元の家より狭い物件を選ぶケースも多いと思います。入りきらない荷物をどこに置くのかを決めないまま契約すると、部屋が段ボールで埋まります。保管サービス付きの業者を選べば、総額が多少高くても最終的に得をする可能性があります。あわせて、引っ越し代は2回分かかることも忘れないでください。我が家は合計で58.8万円でした。
7か月の仮住まいは、正直つらい時間でした。それでも振り返ると、あの狭さと湿気と寒さがあったからこそ、新居で当たり前に手に入れたものの価値が分かります。全員が同じ場所でくつろげること、風呂上がりに湿気がこもらないこと、どの部屋にも空調が効いていること。仮住まいを経験していなければ、どれも意識せずに通り過ぎていたはずです。
建て替えで親世帯と一緒に住む家を考えるなら、間取りを描く前に決めておきたいことがたくさん出てきます。実家、妻の実家、新居の3軒の二世帯住宅に住んだ経験を元に、後悔しないためのポイントをまとめました。
建て替えでは、本体価格のほかに解体費、仮住まいの初期費用、そして2回分の引っ越し代と、まとまった出費が続きます。実際に進めてみて、建物にいくら使えるのかは本体価格だけを見ていても分からないと感じました。
まだ依頼先を決める前の段階なら、複数社の間取りと概算を並べて、建物にかかる金額の幅をつかんでおくと資金計画が立てやすくなります。
次回は建て替えシリーズの最終回として、40年近く分の物をどう整理したのか、そして新居への引っ越しで何が起きたのかを書きます。
