ヘーベルハウスで妻の両親との二世帯住宅を建て、2026年4月末から入居中のます蔵です。この記事の内容は、40年近く家族が暮らした妻の実家を解体し、家と庭の倉庫にあった物を実際に処分した体験にもとづいています。
建て替えの費用を計算するとき、いちばん抜け落ちやすいのが不用品の処分費だと思います。
解体工事も引っ越しも、依頼すれば見積書という形で金額が出てきます。ところが不用品の処分だけは、自分から動かないと最後まで金額が見えません。しかも我が家の場合、これが1回では終わりませんでした。
結論を先に書くと、不用品回収業者5社に現地を見てもらって出てきた金額は、実際に依頼した会社が16万円、いちばん高い会社が40万円。まったく同じ荷物に対して、2.5倍の開きがありました。
この記事では、次の3点をお伝えします。
- 建て替えの不用品処分が、解体前と入居後の2回に分かれる理由
- 不用品回収業者5社の実額と、金額がここまで動く仕組み
- 入居後に出た不用品を、段ボール100箱超の出張買取に出した結果
①建て替えの不用品処分は2回発生する
まず全体像からお伝えします。建て替えで物と向き合うタイミングは、2回あります。
| 時期 | 向き合うもの | 我が家の方法 |
|---|---|---|
| 1回目:解体前 | 解体業者が引き取れないもの、奥に眠っていた大物 | 不用品回収業者(5社で相見積もり)+自治体のゴミ |
| 2回目:入居後 | 新居に運び入れてから居場所がないと分かったもの | 出張買取+自治体のゴミ |
1回目は締め切りがはっきりしています。解体日までに家を空にしなければ工事が始まりません。この段階で「捨てるか残すか」を全部決められれば理想的です。
ただ、現実にはそうなりませんでした。判断がつかないものは「とりあえず残す」に流れます。そして仮住まいを経由して新居に運び込んだとき、置き場所を決める段になって、ようやく要る・要らないがはっきりします。新居に入れてみて初めて不用品になる物がある、というのが2回目が発生する理由です。
ここを知らずに1回で終わるつもりでいると、入居直後の忙しい時期に片付けが降ってきます。逆に、あらかじめ2回あると分かっていれば、1回目で無理に決めきろうとして疲弊せずに済みます。

②解体前|解体業者が引き取れないもの
1回目の処分で最初に確認したいのが、家の中に残したままにできる物の範囲です。解体工事では建物と一緒に処理してもらえるものと、施主が自分で処分しなければならないものが分かれます。
| 区分 | 該当したもの | 具体例 |
|---|---|---|
| 解体業者が処分できた | 鉄・木・ガラス・陶器 | 金属の棚、木の家具、食器類 |
| 自分で処分が必要 | 樹脂・布・紙・食品・ 家電リサイクル対象の家電 | プラスチックの収納ケース、衣類、寝具、カーテン、 書籍、食品、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン |
言われてみれば納得の線引きですが、家の中を見渡すと該当する物が山ほどありました。家具や棚は業者に任せられるという安心感があったぶん、残った物の量に後から驚かされます。
回収してくれる範囲は解体業者によって違う可能性があります。契約前に何を残したままにできるのかを必ず確認しておいてください。ここを勘違いしたまま解体日を迎えると、数日で自力処分する羽目になります。
半世紀近く眠っていた倉庫も同時に空にした
我が家にはもうひとつ、家より手ごわい相手がありました。庭にある倉庫です。
妻の祖父の時代からある倉庫で、前の家が建った当初の物までそのまま残っていました。私も結婚後に何度か入っていますが、中に何があるのか把握できていません。義父ですら半分も分からないという、まさに開かずの箱でした。
それでも建て替えを機に全部出すと決めたのは、3つの理由からです。
- 仮住まいの間、荷物の置き場所として使いたかった
- 将来この場所をアウトドアリビングに変えたかった
- 今やらなければ開かずの倉庫のまま、子どもたちに押し付けることになる
箱を一つずつ開けていくと、大半は食器類でした。冠婚葬祭の引き出物と思われる皿や鍋が、包まれたまま無数に出てきます。包み紙の新聞を見たら昭和50年でしたので半世紀そのままだった計算になります。
使えそうなガラスの器や、木箱に入った花瓶も出てきましたが、一部を残してほぼ全て処分となりました。運び出すだけで2日かかっています。倉庫や物置がある家は、家本体とは別に日程を確保してください。ここを甘く見ると解体日に間に合いません。
③不用品回収業者5社の見積もりは16万円と40万円
自治体のゴミ処理センターへ自分で持ち込めば、費用はかなり安く抑えられます。ただ我が家の量では何往復するのか見当もつかず、早々に諦めて業者に依頼することにしました。
ネットで探して5社に依頼し、いずれも現地に来てもらって実際の量を見たうえで見積もりを出してもらっています。その結果がこちらです。
| 見積もり先 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| A社 | 40万円 | 5社の中で最も高かった会社 |
| B社 | 25万円 | – |
| C社 | 16万円 | 実際に依頼した会社 |
5社に見てもらったうち、金額を把握できている3社を掲載しています。残る2社も、この16万円から40万円の間に収まっていました。
同じ荷物を見て、24万円の差です。外構でも引っ越しでも相見積もりは取りましたが、振れ幅の大きさでは不用品回収が群を抜いていました。
料金を見る目安はトラックの台数
なぜここまで差が出るのかを考えるうえで、料金の決まり方は知っておいて損がありません。不用品回収の費用は、品目ごとの積み上げではなくトラック何台分かで計算されるのが一般的だとされています。我が家の見積もりでも、何台必要と見たかが金額を左右していました。
当日来たのは2トントラック3台。つまり不用品はトラック3台分の荷物でした。木材、金属、陶器と重い物ばかりだったので、満載になった車はタイヤがたわんでいます。長い物は折り、テーブルやベンチは工具で解体しながら、隙間なく積み込んでくれました。

16万円をトラック1台あたりに直すと、約5.3万円です。私が調べた範囲での相場では、軽トラック1台で2万〜5万円程度、4トントラック1台で6万〜13万円程度とされています。車格が違うので単純には比べられませんが、依頼した会社の金額が極端に安かったわけではないことは読み取れます。
その一方で、同じ荷物を見て40万円という提示もありました。処分先や人件費まで分からない以上、その金額が不当だったと決めつけることはできません。ただ、実際には16万円で終わった作業です。少なくとも我が家にとっては、かなり高い提示でした。
相場の目安は、不用品回収・解体業者各社が公開している情報をもとにした2026年8月時点のものです。地域の処分単価や搬出のしやすさによって変動します。
ここから言えるのは、相場を調べて自分の金額が高いか安いかを判断するのは難しい、ということです。地域の処分単価も、家からの運び出しやすさも、条件は一軒ごとに違います。相場表とにらめっこするより、同じ荷物を何社かに見せたほうが早く答えが出ます。
そのうえで、見積書を受け取るときは総額だけでなくトラック何台を想定した金額なのかを聞いてみてください。台数が分かれば、他社と比べるときの物差しがそろいます。
その場で契約を迫る会社があった
金額以上に驚いたのが、見積もりの取り方そのものでした。5社のなかには、こんな流れの会社もあります。
- 出張見積もりに来て、荷物の量を査定する
- 他社よりもかなり高い金額を提示してくる
- 他社の金額を伝えると、その場で半額以下に下げてくる
- この場で予約のサインをしてほしいと迫ってくる
その場で半額になるということは、最初の提示額をどう算出したのか、私には分からなくなりました。値引きしてもらったように見えて、実際には言い値からスタートしているように見えます。
目の前で数字が動くと、判断力は確実に鈍ります。得をしたような気持ちにさせられたまま、その場でサインを求められる。この流れを理解しておくだけでも、身構え方が変わると思います。
④不用品回収で損をしないための3つのこと
実際に5社と向き合ってみて、これだけは押さえておきたいと思ったことが3つあります。
時間に余裕を持って動く
我が家は片付けをした当日に業者を決められませんでした。すぐ持っていってもらえるだろうと高をくくっていたので、見積もりを比べる時間を計算に入れていなかったのです。
結果として引き取りは1週間後になり、その間、倉庫から出した大量の荷物を庭に置きっぱなしにするしかありませんでした。天気も気になりますし、庭が荷物で埋まった状態が続くのは落ち着かないものです。見積もり自体は2〜3日で揃うので、片付けの日程は引き取りより1週間ほど前に置いておくと安心できます。
面倒でも必ず複数社に見てもらう
金額の振れ幅がここまで大きい以上、1社だけで決めるのはかなり分の悪い賭けになります。我が家は5社に依頼して24万円の差が見えました。見積もり自体は無料ですし、量が多い家ほど差額は大きくなります。
解体工事でも4社の相見積もりで最大240万円の差が出ました。建て替えは、金額の根拠が見えにくい工事ほど比較の効果が大きいという構図がはっきり出ます。
その場では決めない
査定に来た方を目の前にすると、断りにくい空気ができます。ましてや値引きを提示されると、今決めたほうが得なのではという気持ちになります。
ここは事務的に「他社の見積もりが出揃ってから連絡します」と伝えるだけで済む話です。その場で決めなかったせいで損をした場面は、我が家では一度もありませんでした。
⑤自治体のゴミで出せる分は自分で出す
業者に渡す量を減らして必要なトラックの台数が減らせれば、その分だけ費用を抑えられます。そこで、普通のゴミとして出せるものは自分で処理することにしました。
自治体の分別ルールを見ながら、45リットルの袋に入るものはひたすら詰めていきます。これがまた、袋だけで相当な量になりました。一度の収集で出せる量ではなかったので、2週間ほどかけて少しずつ収集所に出しています。
ここでも効いてくるのが日程です。ゴミの収集は週に何度もあるわけではないので、直前に始めても出し切れません。解体日から逆算して、少なくとも2〜3週間前には分別を始めておくと、業者に回す量をかなり減らせます。
ちなみに当日、業者の方から「ゴミ袋も一緒に持っていきますよ」と声をかけてもらいました。ただ、倉庫の荷物だけでトラックが満載になってしまい、結局積めていません。あてにせず自分で出しておいて正解でした。
⑥入居後|新居に運んでから不用品になる
ここからが2回目です。
解体前にあれだけ処分したのに、新居に荷物を入れ始めると、また不用品が出てきます。理由はシンプルに、仮住まいへの引っ越しの際に本当に要るものと不要なものとを選別しきれていなかったからです。
7か月の仮住まいでの暮らしで、一度も開けなかった箱がいくつも存在します。この「開けなかった箱=なくても困らなかったもの」ということになるわけです。さらに我が家では判断保留の箱は全てコンテナに預けていたので、新居に荷物が届いてから再度判断することになりました。
そして新居で箱を開け、収納に納めようとする段階で答えが出ます。置き場所を決められない物は、要らない物です。前の家では何となく置けていた物が、新しい間取りでは行き場を失う。この選別は、実際に住む家に入れてみないとできませんでした。
この選別には、片付け以上の意味がありました。我が家が目指したのはホテルライクな家です。そして生活感のない空間を保てるかどうかは、収納の量ではなく、そこに納める物の量で決まります。入居直後のこの作業は、暮らし始める前に持ち物を家の容量に合わせる、最初で最後のタイミングでもありました。
物を減らして生活感を消すという考え方は、キッチンでも同じことを考えています。
特に親世帯の荷物は歩んだ人生の分だけ量が多く、ここが大仕事になりました。二世帯の建て替えを考えている方は、2回目の処分がそれなりの規模になることを見込んでおいてください。
⑦出張買取に100箱超を出した結果
2回目の処分で使ったのが、リサイクルショップの出張買取です。我が家は普段から利用しているブックオフに来てもらいました。
やり方は単純で、引っ越しで使った段ボールをそのまま再利用し、売れそうな物を詰めておいて取りに来てもらうだけです。衣類や書籍、食器を中心に、売れそうな物をとにかく詰めていきます。後から数えたら100箱を超えていました。
ゴールデンウィークをまるごと使い、さらに1週間ほどかけて、ようやく出し終えた形です。入居直後の休みが、そのまま片付けで埋まりました。

気になる買取金額は、合計でおよそ10万円でした。100箱を超えていたので、単純に割れば1箱あたり1000円ほどになります。実際には15箱から20箱ぶんたまるたびに来てもらっていたので、正確な合計ではなくおおよその金額です。
値段が付かない物も相当ありました。1箱1000円という水準は、売ったというより引き取ってもらったという表現のほうが近いと思います。査定額が妥当だったのかどうかも、比較していないので判断できません。
そしてこの金額は、あくまで我が家の一例です。買取額は箱の中身しだいで大きく変わります。状態のよい衣類が多い家と、使い込んだ日用品ばかりの家とでは結果がまるで違うはずなので、10万円という数字を目安として持ち帰らないでください。
それでも、この選択をして良かったと思っています。理由の中心は金額ではなく、100箱分の荷物を、費用をかけずに家から出せたことにあります。不用品として処分すれば、当然こちらがお金を払う側です。買取なら支払いは発生せず、玄関まで取りに来てもらえて、そのうえで10万円が戻ってきました。差し引きで考えれば十分な結果だったと思います。
もちろん、自分でフリマアプリに出品すれば、もっと高く売れた物もあったはずです。それでも我が家は出品しませんでした。片付けの真っ最中に、写真を撮って値付けをして梱包して発送する余力がなかったからです。
ここは高く売ることより、早く売ることを優先したという判断でした。入居直後にどれだけ手を動かせるかを考えると、1点ずつ売る方法は現実的ではありません。手元に残す物を決めることにこそ時間を使うべきだと思います。
買取を「お金に換える手段」だと考えると、査定額を見てがっかりします。費用をかけずに引き取ってもらう手段だと考えれば、これほど都合のいい方法はありません。この期待値の置き方だけ間違えなければ、入居後の片付けでは真っ先に検討していい選択肢だと思います。
使い分けの目安は、こう整理できます。
| 方法 | 向いているもの | 費用 |
|---|---|---|
| 不用品回収業者 | 家具、木材、金属など重量物や大物 | トラック台数で数万〜数十万円 |
| 出張買取 | 衣類、書籍、食器、小型家電など箱に詰められるもの | 無料(中身しだいで多少の入金あり) |
| 自治体のゴミ | 袋に入る一般ゴミ、分別できるもの | ほぼ無料だが手間と日数が必要 |
⑧まとめ|費用より先に時間を確保する
建て替えの不用品処分について、我が家の実額と学んだことをまとめます。
- 処分は解体前と入居後の2回発生する。1回で終わらせようとしない
- 解体業者が引き取れるのは鉄・木・ガラス・陶器
- プラ・布・紙・食品・家電リサイクル対象の家電は自分で処分する
- 不用品回収業者5社の見積もりは16万円から40万円と、24万円の差が出た
- 金額の目安はトラックの台数。総額だけでなく何台想定かを確認する
- その場でサインを迫られても決めない。見積もりは2〜3日で揃う
- 袋に入るものは自分で出す。量によっては一度で出せないため余裕を持つ
- 入居後の片付けは出張買取が便利。金額ではなく引き取り手段として使う
振り返って思うのは、物は買うときだけでなく、捨てるときにもお金がかかるということです。40年分、倉庫にいたっては半世紀分の物を前にして、これを一度に処理する費用と手間の重さを実感しました。
建て替えを控えている方は、解体日と入居日という動かせない2つの締め切りから逆算して、物の整理だけは早めに手をつけてください。金額を抑える方法はいくつもありますが、そのどれもが一定の時間を必要とします。
建て替えの場合には解体費用、引っ越し費用など、ただでさえ出費が増えるため、抑えられるところはしっかりと抑えておきたいですね。
次回は、建て替えで本体工事以外にかかったお金を一本にまとめます。解体・仮住まい・引っ越し・処分を全部足すといくらになるのか、そしてよく言われる「本体価格の1.2倍」がなぜ当てにならないのか。資金計画の全体像はそちらでどうぞ。
