ヘーベルハウスで気密測定はできない?施主が第三者機関で実測

ヘーベルハウスで気密測定はできない?施主が第三者機関で実測

「ヘーベルハウスは気密測定をしていない」
「外部の業者は入れられないから、気密測定はできない」

家づくりを調べていると、そんな情報に行き当たった方も多いんじゃないでしょうか。

結論から言うと、我が家はヘーベルハウスの立会のもとで気密測定を実施できました。第三者検査機関のJIOに依頼し、断熱工事後の躯体で実測しています。

この記事では「できないと言われる理由」と「では、どうすれば頼めるのか」を、実際に測定した施主の一次情報としてお伝えします。

気密測定は本当にできないのか

まず、なぜ「できない」と言われるのか。ここを整理しないと話が噛み合いません。ネット上でよく見かける主張は、だいたい次の3つに集約されます。

  • ヘーベルハウスはC値を公表しておらず、全棟での気密測定もしていない
  • 外部業者を建築現場に入れることに慎重で、施主が勝手に手配するのは難しい
  • 鉄骨造は木造より気密を確保しづらく、そもそも数値を出したがらない

この3つ、実は的外れではありません。ヘーベルハウスが全棟で気密測定を標準にしていないのは事実ですし、鉄骨造が木造より気密で不利なのも物理的にその通りです。だからこそ「できない」という情報が広まっているわけですね。

ただ、ここには大事な抜けがあります。「標準ではやらない」ことと「頼んでもできない」ことは、まったく別の話なんです。我が家は後者ではありませんでした。

我が家が気密測定を実現した経緯

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい情報です。時系列で追っていきます。

契約の条件として測定を伝えていた

我が家はそもそも契約の段階で、「気密測定を行う」ことを条件として伝えていました。きっかけは、担当者に率直にぶつけた質問です。

「快適な家にしたいので、断熱・気密は最低ラインをクリアしたいです。ヘーベルハウスは実際どうなんでしょうか?」

この問いへの答えが、こうでした。

担当者
担当者

「最近は工法も見直していて、気密性を高める対策を進めています!」

「言葉だけでなく、実際の性能を数値で確認したい。」そう考え、気密測定を契約条件にしました。

私の場合には「本社承認を取りました」と営業担当者から言われていたので、あとから「やっぱり測りたい」と言い出しても気密測定は難しいかもしれません。ヘーベルハウスで測定を望むなら契約前に意思表示することを強くお勧めします。

当初は自分で業者を探す話だった

とはいえ最初は、測定業者は施主側で手配する流れになっていました。いわゆる「外部業者は自分で探してください」というパターンですね。

そのため自分で気密測定が可能な業者を探し、見積もりを取るなど準備を進めていきました。

ヘーベル側から業者を紹介してもらえた

ところが打ち合わせを進め、具体的に気密測定の日程の調整に入る段階になると、ヘーベルハウス側から「ヘーベルハウスの気密測定で実績のある業者にやらせてほしい。漏気があった場合の対処も経験がある。工期が遅れないよう、いつ測定するかもきちんと調整したい」と提案がありました。

そうして紹介されたのが、住宅の第三者検査機関であるJIO(日本住宅保証検査機構)でした。見知らぬ外部業者を施主が飛び込みで手配するのではなく、メーカーが実績を把握した検査機関に、工期まで調整したうえで入ってもらう。この形なら現場も安心ですし、測定の信頼性も担保されます。

つまり「できない」の正体は、こういうことだと思います。

施主が後から勝手に外部業者を連れてくるのはハードルが高い。でも、契約時に測定を条件として伝え、メーカー経由で段取りを組めば実現できる。同じ「気密測定」でも、頼み方でまったく結果が変わるのだと思います。

気密測定の当日|JIO立会の実際

測定は断熱工事が終わったタイミングで行われました。壁を仕上げで塞ぐ前の段階です。この時期に測るのには理由があります。もし隙間が見つかっても、気密テープなどでその場で手直しできるからです。仕上げてからでは対処が難しくなるので、修正の効くこのタイミングで測定を行うことが多いと思います。

断熱工事後にJIOによる気密測定を実施(人物部分はプライバシー保護のため加工しています)

当日は、仕事で行けない私の代わりに妻が立ち会いました。そこにヘーベルハウスの担当者と、JIOの測定士が加わる形です。写真の白い円筒が送風機で、これで室内の空気を外に出して減圧し、どれくらい隙間から空気が入ってくるかを測ります。この隙間の量を数値化したものが、いわゆるC値です。

ここで強調しておきたいのは、ヘーベルハウスの紹介とはいえ第三者の検査機関が測定を行ったという点です。自己申告の数字ではなく検査機関が測った結果。この信頼性は、あとから振り返っても大きな安心材料でした。

中間測定と完成後測定|我が家が1回だけの理由

気密測定には、大きく2つのタイミングがあります。断熱・気密工事が終わって内壁で塞ぐ前に測る「中間測定」と、すべての工事が終わってから測る「完成後測定」です。理想は両方やる2回測定、とよく言われます。

この2つは役割が少し違います。中間測定は、隙間が見つかればその場で気密テープなどで手直しできる「直せる測定」。完成後測定は、その後の工事で数値が悪化していないかを確かめる「確認の測定」という位置づけになります。

気密測定を行う二回のタイミング

私も当初は2回測定を望んでいました。ところが実際には、中間測定の1回だけになっています。それはヘーベルハウスの担当者からの「壁紙を貼るなどの内装工事によって気密性はさらに上がるので、当社では中間の一回のみにしています」という説明があったからです。

ここは正直に書いておきますが、この説明が本当かどうか、我が家は完成後の測定をしていないので確かめられていません。内装の石膏ボードや壁紙が一枚加わることで気密が上がる方向に働くのは確かにあり得ます。一方で、一般的にはむしろ逆の見方もあります。

気密測定の世界では、完成後測定は「中間から数値が悪化していないかを確認する測定」と位置づけられることが多いんです。内装が進むとコンセントや設備の取り付けで新たな隙間が生まれたり、換気口の目張りがしにくくなったりして、完成後のほうが数値が悪くなる傾向がある、とも言われます。だから「上がる」と言い切るのは、本来は慎重であるべきところです。

そのうえで我が家は、いちばん手直しの効く中間のタイミングでしっかり測って処置できたことに納得し、1回で区切りをつけました。「完成後も測って最終的な数値を残しておきたい」という考え方も十分にありだと思います。

ここは各家庭の判断が分かれるところですね。

気密測定の費用|15万円だった話

気になる費用ですが、我が家のケースでは15万円でした。決して安くはない金額です。標準仕様に含まれるものではなく、あくまで追加で発生した費用になります。

この15万円をどう捉えるか。私は「快適な家づくりのための投資」と考えました。

数十年住む家の性能を、体感や営業トークではなく数値で確かめられる。しかも隙間が見つかればその場で直せる。そう考えると、家全体の金額に対しては十分に払う価値のある投資だと判断しました。

ちなみに、気密測定業者に頼む場合の相場は2回測定で10万円~15万ほどと言われており、私が自分で探した業者の見積もりは床面積に応じた割増込みで中間+完成時の2回測定で13万円でした。

ヘーベルハウス経由での金額が15万円だったのは、メーカー紹介の第三者検査機関に、立会や修正工事、工期調整まで含めて入ってもらったケースだからだと理解しています。段取りを任せられる安心料が乗っている、という感覚ですね。

相場よりも割高なのは確かですが、気密測定を頼んだからといって気密施工そのものに追加費用がかかったわけではないため、通常以上に気を遣って施工してもらうための費用、と割り切ることにしました。

いずれにせよ、この金額は業者・地域・時期・依頼のしかたによって変わります。あくまで我が家の一例として受け取ってください。正確な費用は、担当者に見積もりを取って確認するのが確実です。

気密測定を頼むときの3つのポイント

これから同じように測定を検討する方に向けて、我が家の経験から言えることを3つにまとめます。

  • 契約前に伝える
    後出しではなく、契約前に相談する。
  • メーカー経由で相談する
    業者紹介と工期調整をお願いする。
  • 中間測定を優先する
    「測る」より「直せる」が大切。

逆に言えば、この3つを外すと「できない」に近づきます。対応は支店や担当者によって差がある可能性もあるので、まずは相談してみるのが第一歩です。

C値の結果はどうだったか

結論だけ先にお伝えすると、我が家の実測値は一般に「高気密」と呼べる水準にはしっかり入っていました。鉄骨造は木造より気密を確保しにくいと言われる中では、健闘した数字だと感じています。

ただし、C値0.5以下を売りにする超高気密メーカーと張り合える数字ではありません。ここは正直なところです。

実際のC値測定画面(数値はぼかしてます)
実際のC値測定画面(数値はぼかしてます)

そのうえで、具体的なC値そのものはあえて伏せています。理由は2つあります。ひとつは、ヘーベルハウス側から「C値は構造プランや施工によって変わりやすいので、数字の公表は控えてほしい」という説明があったこと。もうひとつは、C値という数値の性格です。

設計図の段階で計算できるUA値と違い、C値は実際に施工してみないと分かりません。同じ図面でも、現場の施工精度や隙間処理の丁寧さで数字が動くからです。つまりC値は「設計では約束できず、現場で初めて確定する数値」なんですね。だから安易に一人歩きさせないでほしい、という考え方には納得しました。この線引きははっきりお伝えしておきます。

数値の受け止め方や、断熱(UA値0.50・等級5)との合わせ技での快適性については、断熱・気密をまとめた別記事で詳しく書いています。「結局、高気密ラインのどのあたりだったのか」まで掘り下げているので、数値が気になる方はそちらをどうぞ。

まとめ|気密測定は”頼み方”次第

「ヘーベルハウスで気密測定はできない」という情報は、半分正しくて半分は誤解だと感じています。標準ではやらない。施主が勝手に業者を入れるのも難しい。ここは事実です。

でも、契約時に測定を条件として伝え、メーカー経由で実績ある第三者機関に入ってもらう。この段取りを踏めば、立会のもとで実測できました。数十年住む家の性能を、数値で確かめておく。それは快適な暮らしのための、納得できる投資だったと思っています。

測定当日の様子や、打ち合わせのリアルな裏側はアメブロでも公開しています。あわせてどうぞ。

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