全館空調のメリット・デメリットを梅雨の実測データで検証|ヘーベルハウス

全館空調のメリット・デメリットを梅雨の実測データで検証|ヘーベルハウス

全館空調って家中どこでも快適って聞くけれど、本当のところどうなのか気になりませんか?

電気代はどうなのか、温度や湿度は安定するのか、住んでみてどう感じるのか。検討中だと、こういう「住んでからのリアル」がいちばん知りたいところだと思います。

我が家はヘーベルハウスで二世帯住宅を建て、2026年春から全館空調のある暮らしを始めました。この記事では、住んで実感したメリットとデメリットを、LDKで記録した温度・湿度の実測データと一緒に、できるだけ正直にまとめていきます。

今回のデータは、ちょうど梅雨の時期のもの。

外がジメジメしている時こそ全館空調の実力が分かりやすいので、その点も詳しく見ていきます。

梅雨時期の全館空調 実測まとめ

  • 外気湿度は90〜99%まで上昇
  • 室内湿度はおおむね60%台で安定
  • 室温は概ね25±1℃の範囲に収まった
  • 家中の温度差が少なく、廊下や洗面所も快適
  • 一方で除湿運転中は少し肌寒く感じる場面もあった

①全館空調とは|我が家のダイキン製ビルトイン

全館空調とは
一台(または数台)の空調機で家全体の冷暖房と換気をまかなう仕組みのこと。各部屋にエアコンを置く「個別空調」と違い、廊下や洗面所、トイレといった冷暖房を置きにくい場所まで、家中の温度差が小さくなるのが最大の特徴です。
ヘーベルハウスの全館空調は専用の全館空調設備ではなく一般的なビルトインエアコンを使っているため、「機械室」が不要になるのも特徴です。

我が家が建てた2025年にヘーベルハウスが全館空調で使用しているエアコンは、ダイキンの「アメニティビルトイン形(S503ALV)」。天井に埋め込むタイプで、室内機が見えないのでインテリアを邪魔しません。

実はこの型番、ネットを探してもほとんど情報が出てこず、ヘーベルハウスの担当者に確認して判明しました。住宅設備ルートの機種なので、一般のカタログには載りにくいようです。エアコンの存在を感じさせないこのすっきり感は、ホテルライクな空間を目指した我が家にとって、後から効いてくる満足ポイントでした。

出典 旭化成ホームズ ロングライフ全館空調 動画より

②全館空調を梅雨の実測データで検証

ここが今回いちばん伝えたいところです。

LDKに置いた温湿度計で、6月22日から26日までの室内環境を15分間隔で記録しました。同じ期間の外気(実況天気の3時間値を15分間隔へ補間)と並べたのが、次の2枚のグラフです。

外気が90%を超えても室内は60%台

まず湿度から見てみます。期間中の外気は平均84.7%、雨の日には95〜99%まで上がりました。一方で室内は平均57.8%、変動の幅は51〜67%。外がいちばんジメジメしていた6月25〜26日でも、室内は60%台前半で踏みとどまっていました。

外が99%でも室内は67%が天井

これが我が家での梅雨の全館空調のリアルな数字です。

温度も同じ傾向でした。外気が19.5〜27.4℃と大きく動いたのに対し、室内は23.5〜26.9℃(平均25.1℃)と、わずか3.4℃の幅に収まっています。涼しいというより「外がどれだけ荒れても室内が動じない」。この安定感こそが全館空調の本質だと、データを見て改めて感じました。

冷房と除湿で湿度はどう変わる

湿度が高い日に試したのですが、冷房だと室内湿度は65%前後でした。これを除湿運転に切り替えると、60%前後まで下がります。たった5%の差ですが、体感はけっこう違って、60%のほうがタイル床のべたつきが無くなりがサラッと感じました。

この数字のからくりも面白いところです。室温25℃のとき、相対湿度65%と60%を空気中の水分量(絶対湿度)に直すと、約15.0g/m³と13.8g/m³。つまり除湿運転は、空気1m³あたり1g以上の水分を実際に抜いている計算になります。

サラッとした体感は気のせいではなく、運転モードで除去した水分量の差だったわけです。

さらら除湿は再熱除湿とは別物

除湿で運転していると、正直少し肌寒く感じる時もありました。

ここは検討中の方にぜひ知っておいてほしいポイントです。我が家の機種には「さらら除湿(ハイブリット方式)」が付いています。ただ、これは厳密には「再熱除湿」とは別物なんです。

これは冷やして除湿するモードと、温め直すモードなどを状況に応じて自動で切り替えるハイブリッド方式で、「再熱に近い動き」はするものの「必ず室温を保つ」わけではない、という位置づけ。

だから梅雨に除湿をすると、少し肌寒く感じることがあります。「さらら除湿=寒くならない再熱除湿」と思い込んで導入すると、ここで戸惑うかもしれません。この違いは後ほど対処法とあわせて解説します。

③全館空調のメリットを正直に

住んでみて、いちばんありがたいのは家中どこでも快適なことです。

前の家(個別エアコン)では、真夏になると廊下やトイレ、洗面所、ランドリールームがどうしても蒸し暑く、お風呂上がりに髪を乾かしている間に汗ばむこともありました。今は浴室を出た瞬間に涼しくて、この差は思った以上に大きく感じます。

  • 家中の温度差が小さい:冷房のない納戸やランドリールームまで快適
  • 風を感じない:基本は微弱〜弱運転なので、冷房の風が苦手な人にも合う
  • エアコンが見えない:天井に納まるので、すっきりした空間の邪魔をしない

特に最後の「見えない」は、オシャレと暮らしやすさを両立したい我が家にとって、地味ながら効いているメリットでした。壁にエアコンがあるかないかで部屋の見え方はずいぶん変わってきます。

④全館空調のデメリットと対処法

良いことばかりではないので、気になった点も正直に書きます。

温度調整に時間差がある

全館空調は温度の変化がゆるやかなぶん、「暑い」と感じてから設定を下げても、体感が追いつくまで少し時間がかかります。我が家は東側に大きな窓があり、朝日が入ると室温が上がりやすいのですが、その立ち上がりに調整が間に合わないことがありました。

対処としては以下のような事が挙げられます

  • 暑くなる前に早めに設定を変える
  • 朝はサーキュレーターを併用する
  • 東面のシャッターを全開にしない

「26℃にしたら家中ずっと26℃」とはいかず、日射や料理の熱の影響は受けるので、少しコツが要る設備だと思っておくと安心です。

実際に冒頭で紹介した温度データを見ても、24℃~26℃の間で推移していました。

部屋ごとの細かい調整は苦手

部屋ごとの温度を細かく変えるのは、風量だけではやはり難しいです。しかも我が家は結露対策のため、風量を「中」や「強」にしないよう言われているので、少し暑いくらいでは風量も上げにくい。

暑がりの家族の部屋には、扇風機を足すことも検討しています。

除湿で肌寒い時の使いこなし

②で触れたとおり、除湿にすると少し肌寒く感じることがあります。これはさらら除湿が温度も少し下げてしまう事も影響していますが、そもそも人は同じ温度でも湿度が下がると涼しく感じます

そのため肌寒く感じたら一旦冷房にして設定を24→26℃に上げ、室温が上がってて蒸し暑さを感じたら再度除湿に切り替える、という方法を取っています。

除湿の仕様は機種によって違うので、検討時にリモコンでどこまで調整できるかは見ておくとよいと思います。

⑤全館空調の費用と電気代の目安

全館空調は安い設備ではないので、費用感も正直にお伝えします。一般的な相場は、初期費用が100〜300万円程度。電気代は月8,000〜15,000円程度、メンテナンス費は年1〜3万円程度が目安とされています(※金額はハウスメーカーや仕様、住宅の規模により大きく異なります)。

二階建て二世帯住宅の我が家では131.7万でした。

個別エアコンなら機種や畳数にもよりますが1台で10〜30万円ほどなので、初期費用だけを見れば全館空調は割高です。それでも我が家が選んだのは、家中の快適さと、エアコンが見えないすっきりした空間を、暮らしの満足度として優先したから。ここは完全に価値観次第なので、「本当に全部の部屋を空調する必要があるか」を一度考えてみると、判断しやすくなります。

⑥全館空調が向いている家・向かない家

判断の目安を整理しました。

向いている家

  • 家中の温度差をなくしたい(ヒートショックが心配な家族がいる)
  • エアコンを見せたくない、ホテルのようなすっきりした空間にしたい
  • 高気密・高断熱の家を建てる(全館空調の効果は住宅性能ありき)

向かないかもしれない家

  • 部屋ごとに温度の好みが大きく分かれる
  • 在宅が一部屋に偏っていて、使う部屋だけ冷やしたい
  • 初期費用をできるだけ抑えたい

全館空調は、高気密・高断熱とセットではじめて効く設備です。我が家の断熱・気密の数値については別の記事でまとめているので、あわせて読んでみてください。

⑦全館空調で後悔しないチェックポイント

  • 除湿の方式と、リモコンでどこまで温度・湿度を調整できるか
  • 結露対策で風量制限などの運用ルールがないか
  • メンテナンスの頻度・費用・保証範囲
  • 故障した時に家全体が止まるリスクと、その備え
  • 何より、住宅の断熱・気密性能が全館空調に見合っているか

特に除湿まわりは、カタログの「さらら除湿」という言葉だけを見て「再熱除湿だから寒くならない」と思い込まないことが大切です。実際の挙動は機種ごとに違うので、必ず確認しておきましょう。

まとめ|全館空調で暮らしはどう変わったか

全館空調は、温度調整に少しコツが要ったり、除湿で肌寒くなったりと、確かにクセはあります。それでも、梅雨に外が99%まで湿っても室内は60%台、家中どこでも同じ温度。この安定した心地よさは、住んでみるともう戻れないと感じる快適さでした。実測データでも、その快適さがしっかり数字に表れています。

今回は梅雨のデータでしたが、真夏や真冬のデータも同じように記録し、季節ごとの違いを追記していく予定です。

5月の電気代についてはこちらの記事でまとめています

私が全館空調について調べていく中で一番魅力を感じたのが、”機械室無し+ネオマフォームによるダクトレスでの全館空調”でした。

全館空調はメーカーによって出来る/出来ない、出来たとしても機械室のあるなし、床下エアコンなど色々な方式があります。私自身全館空調を扱っている複数のメーカーから話を聞いて、全館空調と一言で言っても色々な方式があることを知りました。
それぞれに特徴があるため、全館空調を考えている人は後悔しないためにも、ぜひ複数社を比較してみてください。

打ち合わせや入居後の暮らしの様子は、アメブロでも公開しています。

https://ameblo.jp/masuzo-haus/