はじめに|入居1ヶ月で見えた太陽光の実力
太陽光発電って、載せる前は「本当に元が取れるの?」と気になりますよね。シミュレーションの数字は見せてもらえても、住み始めてからの実際の発電量や収支まではなかなか分かりません。
我が家はヘーベルハウスで二世帯住宅を建て、2026年4月に入居しました。屋根にはサンテックの太陽光パネル、室内にはオムロンの蓄電池を設置しています。
入居から1ヶ月が経って、ようやく5月まるまる1ヶ月分のデータが取れたので、リアルな実績をそのまま公開します。
発電量、売電、買電、そして気になる収支まで、我が家の数字を包み隠さずまとめました。これから太陽光を載せるか迷っている方の判断材料になればうれしいです。
5月の太陽光発電実績まとめ
- 発電量:1,014kWh
- 売電量:948kWh
- 買電量:188kWh
- 仮収支:+8,588円
- 太陽光は約10年で回収見込み
- 蓄電池は費用対効果だけなら約30年だが、災害備えとしての価値あり
太陽光・蓄電池の構成(我が家のスペック)
まず前提として、発電システムの構成と我が家の特性を載せておきます。同じ条件でないと、数字を比べるときに話がかみ合いませんからね。
- 太陽光パネル:サンテック 9.27kW
- 蓄電池:オムロン KP-BU65B-S(容量6.5kWh)
- パワーコンディショナ:オムロン KPBP-A-2(5.9kW)
- 過積載率:約159%
- 給湯・コンロ・床暖房:ガス
- 二世帯6人+ワンコ
- 全館空調
注目してほしいのは、過積載率が約159%とやや高めなこと。
パワコンの容量(5.9kW)に対して、パネルを多め(9.27kW)に載せている状態です。この設計が今回の結果にじわっと効いてくるので、頭の片隅に置いておいてください。
5月の発電量と電力収支データ

さっそく5月の実績です。
| 項目 | 電力量(kWh) |
|---|---|
| 発電電力量 | 1,014 |
| 消費電力量 | 239 |
| 売電電力量 | 948 |
| 買電電力量 | 188 |
| 充電電力量 | 144 |
| 放電電力量 | 124 |
発電電力量1,014kWhに対して家全体の消費電力量は239kWh。そのうち太陽光でまかなった分と夜間の買電を組み合わせて生活し、残りの948kWhを売電に回している計算です。
自宅で使う割合が少ないのは、給湯やコンロをガスにしているうえ、5月は冷暖房をほとんど動かさなかったからですね。
ちなみに5月前後は年間でも発電量が多くなりやすい季節。気温が高すぎるとパネルの発電効率はむしろ落ちるので、真夏の8月より春のほうがよく発電するそうです。そのため今回の数字は「年間で最も条件が良い時期の結果」として見てもらうのが正確だと思います。
5月の電気代収支は「仮」で+8,588円
続いて、いちばん気になるお金の話です。仮の単価で計算した5月の収支がこちらになります。
| 項目 | 電力量 | 仮単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売電 | 948kWh | 16円 | 15,168円 |
| 買電 | 188kWh | 35円 | 6,580円 |
| 収支(仮) | — | — | +8,588円 |
売電分が15,168円、買電分が6,580円。差し引きで+8,588円のプラスでした。光熱費がプラスになるというのは、感覚的にはなかなか不思議なものですよね。
ただ、ここで「仮」と書いているのには理由があります。じつは5月の時点では、まだ売電契約が成立していませんでした。電力会社との売電契約は、申し込みから成立まで2ヶ月ほどかかることがあるそうです。その間に余った電気は、買い取ってもらえないまま流れていくだけ。つまりこの15,168円は、まだ1円も入っていない「あくまでも計算上の金額」なんですね。
これから太陽光を載せる方は、稼働直後の数ヶ月は売電収入が入らない前提でお金の計画を立てておくと安心です。意外と見落としがちなので、ぜひ覚えておいてください。
※売電・買電の単価は契約プランやFIT制度によって異なります。上記は我が家の仮単価での試算です。
1日の電気の流れ|昼は自給、夜は蓄電池

データを追うと、我が家の電気の使い方が一日できれいな波を描いているのが分かります。晴れた日のおおまかな流れがこちら。
- 朝6時ごろ:発電スタート。蓄電池への充電も始まる
- 昼10〜14時:発電ピーク。家の電気は太陽光だけで自給し、余りを売電。蓄電池は昼前に満タン(残量95%前後)
- 夕方〜夜:発電が止まり、蓄電池の放電で家をまかなう
- 22〜23時ごろ:蓄電池の残量が底(20%台)まで低下
- 深夜〜早朝5時:足りない分を買電でカバー
売電が多いのは昼間、買電が多いのは深夜から早朝という、はっきりした山と谷ができています。晴れていれば日中は電力会社の電気をほぼ使わずに過ごせている、ということですね。
数字以上に実感したのは、晴れた日の日中には電気を買っていない安心感です。電気代を気にして家電を使う感覚が少し薄れたのは、住んでみて初めて分かったメリットでした。
おもしろいのは、蓄電池が夜中に空っぽにならず20%台で下げ止まること。常に少し残量を確保する設定になっているので、もし停電が起きても、日没後になるべく節電を心がければ、電気がまったく使えなくなる時間はほとんど無さそうです。災害時の安心感という意味では、これは地味に大きいと感じています。
ちなみに、当たり前ですが雨の日はほとんど発電できません。
参考までに一日中雨だった日のグラフも載せておきます。発電もゼロではありませんが、一日を通して「消費電力量>発電電力量」となり、肌寒くて暖房をつけた早朝に最も消費が増えているのが分かります。

太陽光・蓄電池の費用対効果(回収年数)
5月の実績をもとに、太陽光と蓄電池それぞれの年間メリットをざっくり試算してみました。
- 太陽光パネル:年間 約17万円のメリット
- 蓄電池:年間 約4.5万円のメリット
これを設置費用で割って回収年数を出すと、太陽光は約10年、蓄電池は約30年という結果になりました。
太陽光は文句なしに優秀です。途中でパワコンの載せ替え費用(15〜20年で20万円前後が目安)を見込んでも、十分に元が取れる水準でした。一方の蓄電池は、正直なところ費用対効果「だけ」を見ると割に合いません。
とはいえ、蓄電池の役割は売電で稼ぐことではなく、夜間の電気をまかなって買電を減らすこと。昼の余剰で利益を生む太陽光とは、そもそも土俵が違うんですね。我が家が蓄電池に求めているのは、おもに次の3つです。
- 災害・停電時の備え
- 今後の電気代値上がりに対するリスクヘッジ
- 家族が安心して暮らせるという精神的な余裕
どれも数字には表れにくい価値なので、「費用対効果が悪い=失敗」とは考えていません。家族の安心料として割り切れば、決して安くはありませんが納得感のある投資だと捉えています。

もし「建築コストは抑えたいけれど災害には備えたい」という場合は、ポータブル蓄電池という選択肢もあります。今は10万円前後で、電子レンジも動かせる1kWh級の製品が出ています。
ただし我が家のように全館空調を入れていると、消費電力が大きすぎてポータブルでは動かせず、据え置き型の家庭用蓄電池が必要になります。このあたりは住まいの設備に合わせて見極めたいところですね。
※費用や回収年数は、ハウスメーカー・パネルやパワコンの仕様・地域・屋根条件・電気の使い方によって大きく変わります。あくまで我が家の5月実績をもとにした一例としてご覧ください。
過積載159%でもピークカットはほぼ起きなかった
過積載率が高いと、よく晴れた日の昼に「ピークカット」、つまりパワコンの上限を超えた発電が捨てられてしまうことがあります。
5月のデータでは、159%という高めの過積載にもかかわらず、ピークカットはほとんど発生しませんでした。なぜこのような結果になったのかは、ヘーベルハウス特有の屋根形状や設置角度も含めて、別の記事で詳しく考察する予定です。
太陽光発電で後悔しないためのポイント
我が家の1ヶ月の実績をふまえて、これから検討する方に伝えたいポイントをまとめます。
- 売電収入は稼働から数ヶ月遅れて入る。最初は入らない前提でお金の計画を立てる
- 今は売電単価が下がっているので、「売って稼ぐ」より「使って減らす・蓄える」設計が合理的
- 過積載率・パワコン容量・屋根の形状や向きで、発電量も回収年数も大きく変わる
- 蓄電池は費用対効果より、災害備え・安心の保険として価値を見極める
特に3つ目は大事で、同じ「9kW載せます」でも、屋根の条件や設計しだいで結果はまるで変わってきます。だからこそ1社の提案だけで決めず、複数社のシミュレーションを比べるのが失敗しないコツです。
まとめ|我が家が太陽光を載せてよかった点
入居1ヶ月、5月の実績を振り返っての結論はこうです。
- 太陽光パネルは載せて正解。約10年で回収できる見込みで、費用対効果は文句なし
- 蓄電池は数字だけなら割に合わないが、災害備え・電気代リスクヘッジ・安心感を考えれば納得
- 5月の収支は(仮で)+8,588円。ただし売電契約のタイムラグには要注意
今後も月ごとの発電実績を記録していきます。梅雨時期、真夏、冬場で発電量や収支がどう変わるのか、実際の数字で追っていく予定です。
もっとも、これはあくまで我が家の一例です。発電量も収支も回収年数も、地域・屋根・使用量・過積載の設計しだいで大きく変わります。自分の家だとどうなるのかは、実際にシミュレーションしてみないと分かりません。
太陽光パネルの搭載量や標準仕様、断熱・気密性能は、ハウスメーカーによって大きく異なります。同じ9kW前後の太陽光でも、設計次第で発電量や光熱費は変わるため、気になる方は複数社のシミュレーションを比較してみることをおすすめします。
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