鉄骨ハウスメーカー6社の断熱・気密性能を比較|断熱等級・UA値・C値の読み方

鉄骨ハウスメーカー6社の断熱・気密性能を比較|断熱等級・UA値・C値の読み方

「断熱等級6が標準です」

こう説明されたら、自分の家も等級6になると思いますよね。私もそう受け取っていました。

ところが我が家は、ヘーベルハウスが戸建全商品で断熱等級6を標準化した後に契約したにもかかわらず、評価は等級5でした。UA値は0.50です。

不具合があったわけでも、ダウングレードされたわけでもありません。窓を多く取った間取りを選んだ結果です。

この記事では、鉄骨系ハウスメーカー6社が断熱・気密性能をどう公表しているかを、公式サイトの記載から検証します。

とくに気密の指標であるC値は、今回確認した6社の公式ページでは標準値も目標値も確認できませんでした。なぜ公表されていないのか、木造との違いも含めて考えます。

あわせて、断熱等級5になった我が家の真夏の実測データと、第三者機関による気密測定の結果から、公式情報だけでは分からない実際の住み心地もお伝えします。

先に結論を書いておきます。

断熱等級6が標準でも、あなたの家が等級6になるとは限りません。等級は間取りで動きます。

①断熱・気密の数字は3種類ある|等級・UA値・C値

まず言葉の整理からいきます。住宅の断熱・気密性能を調べると、主に3つの数字が出てきます。

  • 断熱等級:制度に基づく評価。1から7まであり、数字が大きいほど高性能
  • UA値:外皮平均熱貫流率。家全体からどれだけ熱が逃げるかの計算値で、小さいほど高性能
  • C値:相当隙間面積。家にどれだけ隙間があるかの実測値で、小さいほど高気密

ここで押さえておきたいのが、3つの性質がまったく違うという点です。

断熱等級とUA値は密接に関係しています。地域ごとに定められたUA値などの外皮性能基準を満たすと、対応する等級が付く仕組みですね。我が家のある地域区分6でいえば、UA値の基準は等級5が0.60以下、等級6が0.46以下です。

なお正式な評価では、UA値だけでなく冷房期の日射熱取得率を示すηAC値なども確認されます。等級はUA値ひとつで決まるわけではない、という点は頭の隅に置いておいてください。

一方でC値だけは、性質が大きく異なります。UA値のように図面から計算できる数値ではなく、現場で気密測定を行って確認する実測値だからです。断熱・気密の施工が終わった段階で測る中間測定と、完成後に測る測定があり、いずれにしても設計段階では確定しません。

この違いが、後半で効いてきます。

②【早見表】6社の断熱・気密性能の公表状況

各社の公式サイトに書かれている内容を、項目ごとに並べました。

メーカー断熱等級UA値C値断熱材の厚み
ヘーベルハウス戸建全商品で等級6標準記載なし記載なし60mm/70mm
大和ハウス対象商品で等級6標準記載なし記載なし壁内4層184mm
パナソニックホームズ全戸建注文住宅商品で等級6対応を共通仕様化記載なし記載なし記載なし
セキスイハイム等級7に対応可能(エルビア)0.28(モデルプラン)記載なし記載なし
トヨタホーム等級6以上を訴求0.60(2015年時点)記載なし壁厚234.5mm(LS)
積水ハウス等級5標準/等級6は対応記載なし記載なし記載なし
今回確認した各社の戸建住宅の公式商品ページ・技術ページ・プレスリリースの記載をもとに作成(2026年8月時点)

まず目に入るのが、C値の列が全部「記載なし」だという点だと思います。今回確認した公式ページでは、6社とも標準C値や目標値を確認できませんでした。

そして断熱等級の書き方も、社によって強さがまるで違います。「全商品で標準」「対象商品で標準」「対応可能」。同じ等級6の話をしていても、意味する範囲が別物なんですよね。

順番に見ていきましょう。

③断熱等級6の「標準」は保証値ではない

各社が等級についてどう書いているかを、注記まで含めて並べてみます。

なお、ここでいう「保証値ではない」とは、標準仕様が虚偽という意味ではありません。その仕様を採用しても、個別プランの計算結果まで一律に等級6になるとは限らない、という意味で使用しています。

メーカー公式の書き方付いている条件
ヘーベルハウス戸建全商品で断熱等級6を標準化(2025年1月)省エネ地域区分5〜7が対象。個別プラン・建築地の条件確認が必要
大和ハウス平屋・2階建ての注文住宅で等級6を標準化(2025年7月)間取り・仕様等により対応できない場合がある。地域区分1〜4と寒冷地・沖縄県等を除く
パナソニックホームズ全戸建注文住宅商品で断熱等級6への対応を共通仕様化プランやエリアによっては適合しない場合がある
トヨタホーム断熱等級6以上の性能を案内商品・地域別
セキスイハイムエルビアで等級7にも対応可能建築地・プラン・採用メニューにより適合しない場合がある
積水ハウス断熱等級5を標準化(2022年)。等級6はFamily Suiteで対応等級6は対応であり全棟標準ではない
今回確認した各社の公式ページ・プレスリリースの記載をもとに作成(2026年8月時点)

お気づきでしょうか。6社とも、すべての住宅が無条件に等級6以上になるとは書いていません。標準としている場合も、対応可能としている場合も、商品・地域・プランなどの条件が付いています。

特に注意したいのが大和ハウスです。公式ZEHページには等級6標準の対象商品が列挙されていますが、その一覧に含まれていない商品があります。鉄骨系ではxevoΣ PREMIUM、xevoΣ、skye、skye3が対象で、xevoM3とLifegenicは入っていません。「大和ハウスは全商品が等級6標準」と覚えると、検討している商品によっては話が合わなくなります。

逆に丁寧だと感じたのがパナソニックホームズです。NEWカサートのプレスリリースの注記に、断熱性能等級6への対応は全戸建注文住宅商品に共通する仕様であることと、プランやエリアによっては適合しない場合があることが両方書かれています。適用範囲と例外が1つの注記に収まっているんですよね。

積水ハウスは少し立ち位置が違います。2022年に標準化したのは等級5で、当時の最上位でした。その後に等級6・7が追加されたので、現在の位置づけは変わっています。等級6はFamily Suiteでの対応という書き方で、全棟標準とは書かれていません。

誤解のないように添えておくと、これは各社が不親切なのではありません。断熱等級は間取りと建築地で一邸ごとに決まるものだからです。注文住宅は一邸ごとにすべて間取りが異なる以上、条件付きの書き方になるのは当然とも言えます。

具体例として我が家の事例をお話しします。

④等級6標準化の後に契約して、評価は等級5だった

ヘーベルハウスが戸建全商品で断熱等級6を標準化したのは、2025年1月14日のプレスリリースです。3・4階建ての外壁内側のネオマフォームを70mmへ増厚し、引き違い系サッシを新開発の複合サッシへ変更したことで、重鉄の3・4階建てでも等級6を実現したと発表されました。

我が家が契約したのは、この発表より後です。

それでも設計が固まった段階で出てきたUA値は0.50。地域区分6の等級6は0.46以下なので、届きませんでした。等級5です。

理由ははっきりしています。窓を多く取ったからです。

UA値は家全体から逃げる熱の平均値なので、壁より熱を通しやすい窓が増えれば当然上がります。明るいリビングにしたい、この方角に窓が欲しい。そうやって選んだ結果が0.50でした。

仕様が古かったわけではありません。標準仕様のまま、個別プランで計算した結果が等級5だったということです。

大事なのは、これが失敗ではないという点です。断熱等級を優先するなら窓を減らせばよかった。でも我が家は明るさを取りました。等級はその選択の結果として動いた数字にすぎません。

ただ、契約前の私はここを分かっていませんでした。標準と言われれば、そのまま自分の家の性能になると思っていたんですよね。実際には標準仕様は出発点であって、到達点ではないわけです。

もし断熱等級6を確実に取りたいなら、間取りの検討段階で「この間取りだと等級はいくつになりますか」と聞く必要があります。標準ですと言われて安心してしまうと、我が家のようになります。

⑤UA値は公表されていても比較できない

次にUA値です。6社のうち、公式サイトで具体的な数値を出しているのは2社でした。

  • セキスイハイム:エルビアのモデルプランで0.28
  • トヨタホーム:2015年の断熱仕様更新で0.70から0.60へ改善

数字だけ見ると0.28が圧倒的です。ただ、この2つは並べられません。

セキスイハイムの0.28はフラッグシップ商品の特定モデルプランの値で、公式にも全棟値ではない旨の注記があります。トヨタホームの0.60は2015年当時のモデルプランの値で、現行の全商品値ではありません。

そもそもUA値は、間取りが変われば動く数字です。我が家が0.50になったのと同じ理屈ですね。モデルプランのUA値は、そのモデルプランを建てたときの値でしかありません。

ですから、公表していない4社が劣っていると判断することはできません。ただし読者の側から見れば、公式情報だけでは商品間の差を検証できないというのも事実です。地域区分別の目安や、標準的なモデルでの数値を示すことは技術的には可能ですから、出していないこと自体は判断材料の不足として受け止めておくべきかと思います。

UA値で比較したいなら、各社に自分の間取りで計算してもらうしかありません。

⑥C値を公表しないのはなぜか|木造との違い

ここが今回、いちばんお伝えしたい部分です。

C値は気密性能を表す数値で、最近では住宅性能を語るうえで欠かせない指標になっています。ところが今回確認した6社の公式ページでは、1社も標準C値や目標値を確認できませんでした。

気密についての説明そのものは、各社ともあります。

  • 大和ハウス:配管貫通部や柱周りに気密テープ、外壁と天井の取り合い部に防湿・気密シートを採用
  • セキスイハイム:2×6壁パネルを工場でユニット化し、高精度な気密・断熱施工を訴求
  • 積水ハウス:断熱・換気・空気環境を詳しく説明する一方、C値は主要指標として前面化していない

つまり「どうやって気密を確保するか」は語られているのに、「結果としてどれだけ気密なのか」は出てこないという状態です。

高気密木造と鉄骨では、性能の再現しやすさが違う

①でお伝えしたとおり、C値は現場で測って初めて分かる実測値です。そして気密を左右するのは、床・壁・天井を通して気密層をどれだけ連続させられるか。柱と梁の取り合い、外壁パネルの継ぎ目、配管や配線が壁を貫通する部分。この一つひとつを塞いでいった結果がC値になります。

ここで木造との違いが出てきます。

木造で高気密を掲げるメーカーや工務店は、面材と防湿気密シートで家全体を一枚の膜のように包む考え方を取りやすい構造をしています。こうした構法上の特徴に、施工手順や測定・補修の仕組みを組み合わせることで、一定の数値を掲げやすくなるわけです。実際、C値の平均値や目標値を公表しているのは木造中心のメーカーに偏っています。

鉄骨はそう単純にいきません。柱や梁の接合部、外壁パネルの目地、鉄骨まわりの納まり。気密処理が必要な取り合いが複雑になりやすく、面構造の木造住宅と比べると、一定の数値を安定して再現する難易度は高くなりやすいと考えられます。

各社がC値を公表しない理由を、公式に説明しているわけではありません。ただ6社そろって標準値や目標値を示していない背景には、こうした構法上の難しさや、現場ごとのばらつきを無視できない事情もあるのではないかと考えています。

正直に書くと、契約前に話を聞いた鉄骨メーカーへ気密性について質問した際、耐震や外壁の説明とは少し反応が違いました。気密対策には取り組んでいるものの、数値にはあまり自信がなさそうだった、というのが私の率直な印象です。

ただし、鉄骨だから隙間が多いと決めつける話でもありません。C値は最終的に施工で決まるので、構造の種類だけで数値が決まるわけではないんです。

だから我が家は気密測定を行いました

公開情報から言えることは、ここまでです。非公表だから低気密とは言えない。一方で、公開情報だけでは高気密であるとも確認できない。

だから我が家は、契約の段階で気密測定を行うことを条件として伝えました。実際に測定できたのは、断熱工事が終わって壁を塞ぐ前の中間のタイミングです。ヘーベルハウスの立会のもと、第三者検査機関のJIOに依頼しました。費用は15万円でした。

結果については、具体的な数値の公表を控えています。ヘーベルハウス側から、C値は構造プランや施工によって変わりやすいので数字の公表は控えてほしいという説明があったためです。

そのうえでお伝えできる範囲で言えば、一般に高気密と呼べる水準には入っていました。ただしC値0.5以下を売りにする超高気密メーカーと同等の水準ではありません。ここは正直なところです。

大事なのは、これがヘーベルハウス全体の代表値ではないという点です。我が家一棟の測定結果でしかありません。だからこそ、メーカー名だけで判断せずに自分の家を測る意味があると考えています。

測定に至るまでの経緯や当日の流れは、別記事にまとめています。鉄骨系で気密測定を検討している方は、頼み方の部分が参考になるはずです。

⑦断熱材とサッシ|公式で分かるのはどこまでか

断熱性能を左右するのは、断熱材と窓です。この2つについて公式で何が分かるかを見ていきます。

断熱材の厚みは、測っている場所が違う

厚みの数値を出しているのは3社でした。

メーカー公表値何の厚みか
ヘーベルハウス60mm/70mm外壁内側のネオマフォーム単体
大和ハウス184mm壁内4層の合計(エクストラV仕様)
トヨタホーム234.5mm壁厚全体(ALC100mm+断熱、ESPACiO LS)
今回確認した各社の公式ページの記載をもとに作成(2026年8月時点)

数字だけ並べると3倍以上の開きがありますが、測っている場所がまったく違います。ヘーベルは断熱材そのものの厚み、大和は壁の中の層の合計、トヨタは外壁材まで含めた壁の厚さです。

ヘーベル公式にも、壁の層構成全体で性能を確保するため断熱材の厚みだけで他社と比較しないよう注記があります。大和の184mmも特定仕様の値で、全商品一律ではありません。

残る3社は厚みの記載がなく、断熱の考え方の説明にとどまります。積水ハウスの「ぐるりん断熱」、パナソニックホームズの「家まるごと断熱」、セキスイハイムの2×6パネル。いずれも家全体を連続して包む思想ですが、数値での裏取りはできません。

サッシは公式では製品名が分からない

窓サッシは断熱性への影響が大きいため、こちらについても調べました。結果を先に書くと、今回確認した範囲では、6社ともサッシメーカー名や製品名が出てきません。

メーカー公式の記載
ヘーベルハウスロングライフ次世代複合サッシ(3・4階建ての等級6標準化に寄与)
積水ハウスSAJサッシ(超高断熱アルミ樹脂複合サッシ)
大和ハウス一般地域は高性能断熱複合サッシ、寒冷地は樹脂サッシを推奨。Low-E複層ガラス標準
パナソニックホームズLow-E複層ガラス等を採用
トヨタホーム高断熱ペアガラスを採用(2015年の仕様更新時)
セキスイハイムSPS GRでサッシを強化(2017年)
今回確認した各社の公式ページの記載をもとに作成(2026年8月時点)

各社とも自社での呼称を使っていて、どのサッシメーカーのどの製品かは書かれていません。

我が家に入っているサッシの製品名も、営業担当者に確認して初めて分かりました。公式サイトを探しても出てこない情報です。

ここで見るべきは、製品名よりもアルミ樹脂複合なのか樹脂なのかという素材の区分だと思います。大和ハウスが一般地域と寒冷地で使い分けていると明記しているのは、この区分が性能に直結するからですね。

アルミ樹脂複合サッシの断熱性と結露については、我が家で使われているリクシル製アルミ樹脂複合サッシTWの記事があります。あわせて読んでいただけると、素材の違いが何をもたらすかが具体的に分かるはずです。

⑧UA値0.50の我が家|全館空調運転時の真夏の室内環境

ここまで公式情報の話が続いたので、最後は我が家の実測です。

先に前提をお伝えしておきます。これは断熱性能だけを切り分けた実験ではありません。我が家はUA値0.50で、全館空調を24時間運転しています。以下の結果は、断熱に加えて気密、日射条件、空調の能力、運転方法まで含めた住宅全体の結果です。

そのうえで、2026年7月11日から18日までの7日間、室内の温湿度を15分間隔で記録しました。同じ期間の外気は気象庁のデータです。

7/11〜18の室内と外気の温度の推移
外気が33.5度まで上がった日も、室温は28度を超えていない

数値にまとめると、こうなります。

項目室内外気
平均気温25.9度28.1度
最高/最低28.0度/23.7度33.5度/24.5度
温度の変動幅4.3度9.0度
平均湿度56.5パーセント80.5パーセント
湿度の範囲50〜64パーセント52〜98パーセント
室内は温湿度計の実測値(15分間隔を1時間平均に集計)、外気は気象庁のデータ

外の温度が9.0度動いた期間に、室内は4.3度しか動いていません。

ただし24時間空調を運転している以上、この差を断熱性能だけの効果とみなすことはできません。そのうえで言えるのは、窓を多く取ったUA値0.50の家でも、空調と組み合わせれば外気の変動に対して室内を安定させられているということです。

湿度も見ておきます。

7/11〜18の室内と外気の湿度の推移
外気が98パーセントまで上がっても、室内は50から64パーセントの帯に収まっている

外気が98パーセントに達した時間帯でも、室内は60パーセント前後。かといって乾燥しすぎることもなく、50から64パーセントの範囲に収まり続けています。

ただし湿度は、温度以上に空調の除湿能力や換気量、生活のなかで出る水蒸気の量に左右されます。この安定を断熱性能の成果として読むのは正確ではありません。気密や空調を含めた結果として見てください。

もうひとつ補足すると、相対湿度は温度によって変わる数値です。外気98パーセントと室内60パーセントを、そのまま水蒸気量の差として比較することはできません。

ここでお伝えしたいのは、等級5でも十分だという話ではありません。同じ間取りと開口条件を保ったまま断熱性能を高められれば、空調の負荷をさらに抑えられた可能性はあります。

そのうえで言いたいのは、等級という1つの数字だけでは、実際の住み心地は決まらないということです。気密、空調の運転方法、日射の入り方、生活スタイル。等級の外側にある要素が結果を左右します。

この状態を24時間維持した電気代については、太陽光発電の実績とあわせて別記事にまとめています。断熱等級と光熱費の関係が気になる方は、そちらもご覧ください。

⑨営業担当者に聞きたい4つの質問

ここまでを踏まえて、断熱・気密について聞くべき質問を4つにまとめました。

  1. この間取りだと、断熱等級はいくつになりますか
  2. UA値はいくつですか。計算書は見せてもらえますか
  3. 気密測定はできますか。測定時期・測定者・費用・目標値・補修基準はどうなっていますか
  4. 標準のサッシは、アルミ樹脂複合ですか樹脂ですか

1番目が最重要です。「等級6が標準です」と言われたら、そこで止めずに自分の間取りでの数字を聞いてください。我が家の経験から言えば、ここを確認しないまま進むと契約後に知ることになります。

2番目で計算書まで求める理由は、UA値が間取りごとに出る数値だからです。カタログの値ではなく、自分の家の値を確認する質問になります。

3番目は「できますか」だけで終わらせないのがコツです。自社が測るのか第三者機関が測るのか、中間なのか完成後なのか、そして数値が悪かったときに補修して測り直す仕組みがあるのか。ここまで聞いて初めて意味を持ちます。測るだけで直す基準がなければ、品質管理としては弱いですからね。

そして4番目。まずは素材の区分で聞くのが確実です。ただしアルミ樹脂複合サッシの中でも製品によって性能が異なるため、可能であれば製品名まで特定したいところです。

前回までの記事でもお伝えしましたが、この4つを複数社にぶつけると、答え方の差そのものが判断材料になります。とはいえ各社の展示場を回るのは時間も体力も要りますから、まずは候補を絞り、同じ質問を各社に投げる準備をするところから始めるのが現実的だと思います。

⑩まとめ|標準仕様は出発点であって到達点ではない

6社の公式情報を読み比べて分かったことを整理します。

  • 6社とも、すべての住宅が無条件に等級6以上になるとは書いていない
  • UA値を公表している2社の数値も、特定モデルプランの値で比較できない
  • C値は6社とも今回確認した公式ページでは確認できず、鉄骨では気密性能の再現性が課題になりやすい
  • 断熱材の厚みは、測っている場所が各社で違う
  • サッシは素材区分までは分かっても、メーカー名や製品型番を確認できない場合が多い

ただ、全部を覚えていただく必要はありません。この記事でお伝えしたいのは一文だけです。

標準仕様は出発点であって、到達点ではない。

我が家は等級6が標準化された後に契約して、評価は等級5になりました。窓を選んだ結果です。後悔はしていませんが、知らないまま結果を受け取ったことだけは、もう少しどうにかできたと思っています。

間取りを決める段階で等級の話ができていれば、窓と断熱のどちらを取るかを自分で選べました。選んだうえで0.50なら、まったく同じ結果でも納得感が違います。

気密も同じです。公式に数値がないなら、自分の家で測定できないかを契約前から確認する。我が家では工程や業者の調整が必要でしたが、第三者機関による中間測定を実施して「一般的に高気密と言える水準だった」ということが確認できました。

だからこそ、標準という言葉で止まらずに一歩踏み込んでほしいと思います。
この間取りだとUA値や断熱等級はいくつになりますか?
C値の目標値や測定実績はありますか?気密測定はできますか?
とぜひ直接聞いてみてください。

耐震性能についても同じ構造の話を書いています。等級には条件が付いていて、書類を見るまで分からないことがある。あわせて読んでいただけると、性能の見方が一段はっきりするはずです。

※本記事は各社の公式サイト・プレスリリースの記載(2026年8月時点)をもとに作成しています。仕様や表記は変更される場合がありますので、最新の内容は各社の公式情報をご確認ください。記載内容に誤りがありましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけると幸いです。