「震度7を200回以上に相当」
「250回を超える加振実験」
ハウスメーカーの公式サイトで、こんな数字を見たことはありませんか。
並べられると、つい回数が多いほうが強いのだろうと思ってしまいますよね。
正直に書きますが、私自身このあたりはほとんどノータッチでした。契約前に構造や断熱はかなり調べたつもりでいたのに、耐震実験の数字だけは「すごいらしい」で通り過ぎていたんです。今回6社を並べてみて、読み方を知らないまま眺めていただけだったと分かりました。
前回の耐震・制震の記事で、実大実験の数字は横並びでは比べられないとお伝えしました。ただあの記事では観点を4つ挙げただけで、実際の読み方までは踏み込めていません。
そこでこの記事では、鉄骨系ハウスメーカー6社の公式サイトに書かれている実験データを、ひとつずつ翻訳していきます。
先に結論だけ言い切っておきます。
耐震実験の数字は、強さのランキングではありません。その会社が何を確かめたかの記録です。
なぜそう言えるのか。3つの壁を順番に越えながら見ていきます。
読み終わるころには、展示場で実験の説明を受けたときに、何を聞き返せばいいかが分かる状態になっているはずです。
①耐震実験とは|実大実験で何を確かめるのか
まず前提をそろえさせてください。
各社が耐震実験と呼んでいるもののうち、この記事で扱うのは実大実験です。実物大の建物を振動台に載せて、実際の地震波で揺らす試験のことですね。図面上の計算ではなく、本物の建物がどうなるかを確かめる方法になります。
加振実験、実大加振実験、実大住宅振動実験と、呼び方は各社でばらつきます。中身はいずれも実物大の建物を揺らす試験なので、同じものだと考えて差し支えありません。
ここで押さえておきたいのが、耐震等級と実大実験はまったく別の話だという点です。
- 耐震等級:制度に基づく評価。基準を満たしているかを判定する
- 実大実験:各社が任意で行う試験。基準を超えた先で何が起きるかを見る
耐震等級には共通の物差しがあります。だから「等級3」と言えば、どのメーカーでも同じ意味になるわけです。
ところが実大実験には、共通のルールが存在しません。どこで、いつ、どんな建物を、どんな波で、何回揺らすか。すべて各社が決めています。だから数字が並んでいても、そもそも同じ試験をしていないんですよね。
もうひとつ大事な前提があります。実験で揺らしたのは、あくまでその仕様で建てられた特定の1棟だという点です。あなたの家の間取りでも同じ結果になる、という意味ではありません。
②【早見表】6社の耐震実験データ一覧
まず全体像です。各社の公式サイトに書かれている内容を、そのまま並べました。
| メーカー | 実験施設 | 実施年 | 公表値 |
|---|---|---|---|
| 大和ハウス | E-ディフェンス | 2013年9月 | 175kineを4回連続 |
| セキスイハイム | 大林組技術研究所/土木研究所 | 2003年・2005年 | 250回超/2,112gal |
| パナソニックホームズ | 大林組技術研究所 | 2011年6月 | 神戸波の約4.3倍のエネルギー量 |
| トヨタホーム | 春日井事業所 | 記載なし | 計90回(震度6以上17回) |
| 積水ハウス | 記載なし | 記載なし | 245回/最大速度160カイン |
| ヘーベルハウス | E-ディフェンス | 2015年8月 | 震度7相当を23回連続 |
いかがでしょうか。数字を見るより先に、実施年が空いている会社があることに気づいていただけたと思います。
もうひとつ先にお断りしておくと、ヘーベルハウスの実験内容は戸建てのサイトでは見つかりませんでした。賃貸住宅のヘーベルメゾンのサイトに掲載されています。この話は後半でもう一度出てきます。
そして各社の数字を比べられなくしている理由は、大きく3つに分けられます。

単位の壁、回数の壁、条件の壁。この3つを、ひとつずつ越えていきましょう。
③単位の壁|galとカインは別の物差し
最初の壁は単位です。6社が使っている単位を種類ごとに整理すると、こうなります。
| 単位の種類 | 使っている会社 |
|---|---|
| 速度(kine・カイン) | 大和ハウス/積水ハウス |
| 加速度(gal) | セキスイハイム |
| エネルギー量の倍率 | パナソニックホームズ |
| 震度階級 | トヨタホーム/ヘーベルハウス |
6社なのに、物差しは4種類。これでは比較にならないのも当然ですよね。揃っているほうが例外なんです。
galとカインは、そもそも比べられない
kine(カイン)は速度、galは加速度を表します。物理の授業を思い出していただくと分かりやすいのですが、この2つはそもそも別の量です。
車でたとえるなら、速度は「時速何キロで走っているか」、加速度は「アクセルをどれだけ強く踏んだか」。どちらも車の激しさを表しますが、時速60キロと踏み込み3秒を比べても意味がないのと同じことです。
だからセキスイハイムの2,112galと大和ハウスの175kineは、並べた瞬間に比較が成立しなくなります。
2,112galはどのくらいの揺れなのか
とはいえ2,112galと言われても、大きいのか普通なのか分かりませんよね。
これがセキスイハイムの公式サイトの親切なところで、同じページに過去の大地震の観測値が載っています。
| 地震 | 瞬間的な揺れ | 観測点 |
|---|---|---|
| 阪神・淡路大震災 | 891gal | 神戸海洋気象台 |
| 東日本大震災 | 2,933gal | K-NET築館 |
| 熊本地震 | 1,580gal/1,791gal | Kik-net益城/大津町 |
これで位置関係が見えてきました。実験の2,112galは阪神・淡路の891galを大きく超え、東日本大震災の2,933galには届かない水準です。
ただし観測点の地盤も揺れの周期も違うので、この比較も厳密なものではありません。あくまで桁の感覚をつかむための目安として見てください。
大和ハウスも同じように、kineという単位の説明を公式に載せています。175kineは物体が1秒間に175cm移動する速度のこと。建築基準法における大地震の目安が50kineなので、その3.5倍にあたる。阪神・淡路大震災でJR鷹取駅が記録した169kineも超えている。ここまで書いてくれると、素人でも数字の重みが分かります。
「震度7」という単位にも幅がある
ここが今回、一番重要なポイントです。
トヨタホームは震度階級で実験を説明しています。震度7、震度6以上という書き方ですね。分かりやすい反面、実は震度7という表現には相当な幅があります。
パナソニックホームズの公式サイトに、その説明がありました。地震の揺れは計測震度という数値で測られていて、計測震度6.5以上はすべて震度7と表示されます。上限がないんです。
そして計測震度0.1の違いは、揺れのエネルギーで1.26倍もの差になると書かれています。少しややこしい話なので、1枚の図にまとめました。

では、実際の地震や実験はどのあたりに位置するのでしょうか。同じページに数値が並んでいました。
| 対象 | 計測震度 |
|---|---|
| 阪神・淡路大震災 | 6.6 |
| 東日本大震災 | 6.6 |
| 熊本地震 | 6.7 |
| パナソニックホームズの限界加振実験 | 6.8 |
過去の3つの大地震が6.6から6.7に収まっているのに対し、実験は6.8。いずれの実地震をも上回る条件で加振していることが、この数字から読み取れます。
そして何より、計測震度という数値そのものを公開している点が大きいと思うんです。読者が幅のどのあたりで実験したのかを確認できますからね。
心もとなくなるのは、数値が示されず「震度7」とだけ書かれている場合のほうです。0.1の差で約1.26倍、0.2の差で約1.6倍、0.3の差で約2倍。基準の6.5と6.8では、エネルギー量で約2倍の開きが出ます。
同じ「震度7」という表示のなかに、下限と上限で約2倍のエネルギー差が入りうるわけです。震度7で実験したと聞いたとき、それが6.5なのか6.8なのかで話がまるで変わってきます。
ただしエネルギー量が2倍だからといって、建物への影響が2倍になるという意味ではありません。揺れの周期や継続時間によって効き方は変わるので、あくまで入力側の目安として見てください。
同じ単位でも比べられないことがある
もうひとつ、面白い例を紹介させてください。
大和ハウスは「175kine」、積水ハウスは「160カイン」と書いています。表記が違うので別物に見えますが、kineとカインはまったく同じ単位です。アルファベットで書くかカタカナで書くかの違いしかありません。
ならばこの2社は比較できるのか。残念ながらできないんですよね。
大和ハウスは実験施設も実施年月も試験体も公表していますが、積水ハウスの公式サイトには回数と速度しか書かれていません。いつの実験なのか、何を揺らしたのかが分からないので、単位が揃っていても土俵が揃わないわけです。
④回数の壁|加振実験で何を何回揺らしたのか
2つ目の壁は回数です。ここは単位よりも誤解しやすいと感じました。
| メーカー | 公表 | 実際に指しているもの |
|---|---|---|
| セキスイハイム | 250回超 | 実物大の建物への加振回数 |
| 積水ハウス | 245回 | 実物大の建物への加振回数 |
| パナソニックホームズ | 震度7を200回以上に相当 | 耐力壁の試験からの換算値 |
| トヨタホーム | 計90回 | 余震想定を含む累計 |
| 大和ハウス | 4回連続 | 連続発生を想定した加振 |
| ヘーベルハウス | 12波/23回連続 | 構造ごとに数え方が異なる |
200回は、建物を200回揺らした数字ではない
パナソニックホームズの「震度7を200回以上に相当」は、6社のなかで最も大きい回数です。ただし公式サイトの注記を読むと、成り立ちがまるで違いました。
注記によると、実物大の住宅で行った震度7の加振は10回。一方、幅900mmの耐力壁を使った繰り返し変形試験で、アタックダンパーが吸収したエネルギー量は実大実験の20倍以上でした。この10回に20倍を掛けて、200回に相当するという計算です。
つまり建物を200回揺らしたわけではなく、部材の試験結果から換算した数値ということですね。
誤解しないでいただきたいのですが、これは不誠実な書き方ではありません。算出の根拠を注記ですべて公開しているので、読者が自分で検証できる状態になっています。むしろ丁寧な部類です。
ただ、注記を読まずに数字だけを見た人は、250回や245回と同じ土俵の数字だと受け取ってしまいます。ここが怖いところなんですよね。
4回が最少でも、弱いわけではない
逆側の例が大和ハウスです。公表している回数は4回連続で、6社のなかで最も少ない数字になります。
ただしこれは、東日本大震災や新潟県中越地震で震度6弱以上の揺れが数回続いたことを踏まえた設定です。1回の巨大地震に耐えるだけでなく、連続して襲ってくる状況を再現している。しかも1回あたりの入力は175kineと、基準法の目安の3.5倍にあたります。
245回と4回。数字の差は61倍ですが、確かめようとしたものが違うだけなんです。回数の多い会社は繰り返しへの耐久性を、回数の少ない会社は1発の大きさと連続性を見ている。方向が違う実験を、回数という物差しで並べても意味がないわけですね。
同じメーカー内で数え方が違うこともある
我が家が建てたヘーベルハウスは、さらにややこしい状態です。
2階建て専用の重鉄躯体では、過去の巨大地震8波と今後予想される地震4波を合わせた12波。一方、我が家の重鉄・システムラーメン構造では、震度7相当の大地震を23回連続。波で数える構造と、回数で数える構造が同居しているんですね。
「ヘーベルは12波の実験をクリアしている」と覚えてしまうと、検討している商品によっては話が噛み合わなくなります。
⑤条件の壁|いつの耐震実験で、どこまで見たのか
3つ目の壁が、いちばん見落とされている部分だと思います。
今の仕様とは違う実験が載っていることがある
セキスイハイムの250回超という数字には、詳細な注記が付いています。
- 2階建て実験:大林組技術研究所、2003年10月10日〜23日、パルフェ(タイル外壁)
- 3階建て実験:土木研究所、2005年4月9日〜5月1日、デシオ(タイル外壁)
- いずれもガイアス導入以前のため、仕様は現在と異なる部分があります
ガイアスは、前回の記事で紹介したセキスイハイムの耐震システムです。つまりこの実験は、現在の主力技術が入る前の建物で行われたものだと、会社が自分から書いているわけです。
外壁の色や庇の形状も最新仕様とは異なる、という但し書きまであります。ここまで書く必要があるのか、と思うくらい徹底していますよね。
ちなみに20年前の実験だから価値がない、という話ではありません。構造の考え方が変わっていなければ結果は生きています。大事なのは、読者がそれを判断できる情報が出ているかどうかです。
「損傷なし」がどこまでを指すのか
もうひとつが判定範囲です。同じ「損傷なし」でも、見ている場所が各社で違います。
| メーカー | 公表している判定の中身 |
|---|---|
| パナソニックホームズ | クロスの切れ・タイルのひび割れ・瓦の割れは発生。構造体の交換が必要な損傷はなし |
| トヨタホーム | 構造体の損傷なし。サッシの外れや割れ、太陽光発電、外壁タイルの剥離も個別に確認 |
| 積水ハウス | 倒壊せず、外壁の割れ・脱落もなし |
| 大和ハウス | 2階床面の変位量で測定。柱・梁の損傷なし、新築時の耐震性能を維持 |
| セキスイハイム | 実大実験の判定範囲についての記載は確認できず |
| ヘーベルハウス | 基礎を含む構造躯体をはじめ、外部・内部ともに大きな損傷なし |
注目していただきたいのがパナソニックホームズです。クロスが切れた、タイルにひびが入った、瓦が割れたと、損傷した箇所を具体的に書いています。
さらに驚いたのが基礎に関する注記でした。基礎については本実験施設では確認できないため、他の実験でクラックや割れが生じても建物が安全であることを確認している、と明記されているんです。
できなかったことを自分から書いている会社は、今回調べた6社ではここだけでした。読み手としては、むしろ信頼できる情報として受け取れます。
そして興味深いのが、ヘーベルハウスの書き方です。E-ディフェンスで行った実験について、基礎を含む構造躯体をはじめ、外部・内部ともに大きな損傷はなかったと書かれています。基礎まで判定に入っているんですね。
この2社を並べると、見えてくることがあります。同じ実大実験でも、施設によって見られる範囲が違うわけです。だから判定範囲の差は、必ずしも会社の姿勢の差ではありません。どこまで確認できたのかを書いているかどうか、そこを見るべきなんですよね。
逆に「損傷なし」とだけ書かれている場合、それが構造体だけの話なのか、内外装や基礎まで含めた判定なのかは分かりません。営業担当者に確認すべきポイントになります。
⑥比較できないからこそ開示の丁寧さを見る
3つの壁を越えたところで、6社を耐震実験の条件の開示度で並べ替えてみました。耐震性能の順位ではなく、読者が判断に使える情報がどれだけ出ているかという並びです。
| メーカー | 開示している内容 |
|---|---|
| 大和ハウス | 施設・年月・試験体に加え、単位の定義と比較対象まで説明 |
| セキスイハイム | 施設・年月日・使用商品・構造等級。現行仕様との違いも自ら注記 |
| パナソニックホームズ | 施設・年月・換算根拠。確認できなかった部位まで開示 |
| ヘーベルハウス | 施設・年月・試験体・判定範囲まで開示。ただし戸建てのサイトには記載なし |
| トヨタホーム | 施設は判明。実施年の記載なし |
| 積水ハウス | 実施年・場所・試験体の記載なし |
この表を、先ほどの回数の表と見比べてみてください。
最も丁寧に条件を開示している大和ハウスの加振回数は、6社で最少の4回です。一方、245回という大きな数字を持つ積水ハウスは、実験条件をほとんど公開していません。
数字の大きさと開示の丁寧さは、まったく比例していないわけです。
正直に書きますが、この記事を書き始めた時点では、我が家が建てたヘーベルハウスを最下位に置いていました。戸建てのサイトをいくら探しても、実験の条件が見つからなかったからです。
見つかったのは、賃貸住宅のヘーベルメゾンのサイトでした。2015年8月にE-ディフェンスで3階建て住宅の実験を実施し、基礎を含む構造躯体をはじめ外部・内部ともに大きな損傷はなかった。震度7相当23回を含むすべての大地震で揺れを減らす効果を発揮し続けた。開示の内容だけを見れば、大和ハウスに次ぐ水準です。
実はパナソニックホームズも似ています。実験の詳しい注記が載っていたのは耐震技術のページではなく、地震あんしん保証のページでした。
つまり実験の情報は、技術ページ以外の場所にあることがあるということです。戸建ての構造ページだけを見て「書いていない」と判断すると、私のように読み落とします。保証のページ、賃貸や土地活用のサイト、公式コラム。探す場所を変えると出てくることがあるんですよね。
ただ、これは裏を返せば、戸建てを検討している人が普通に辿り着ける場所には置かれていないということでもあります。表でヘーベルハウスを4番目に置いたのは、そのためです。
誤解のないように添えておくと、開示が少ない会社が弱いという話ではありません。実験をしていないわけでもない。ただ読者が自分で判断するための材料が少ないという、それだけのことです。
そして材料が足りないなら、探す場所を変えるか、聞くしかないんですよね。
⑦耐震実験の説明を受けたら聞く3つの質問
展示場で実験動画や実験結果の説明を受けたとき、この3つを聞けば十分です。
- その実験は、いつ、どの商品で行われたものですか
- 揺らしたのは建物ですか、それとも部材ですか
- 損傷なしというのは、どこまでを見た判定ですか
1番目は、今の仕様と実験時の仕様が違う可能性を確かめる質問です。セキスイハイムのように公式で注記している会社ばかりではないので、口頭で確認する価値があります。
2番目は、回数の性質を切り分ける質問になります。実物大なのか部材なのかで、同じ「200回」でも意味が変わりますからね。
3番目が、いちばん答えに差が出る質問だと思います。構造体だけを見ているのか、内外装や基礎まで確認したのか。パナソニックホームズのように公式で開示している会社を知っていると、返ってきた答えの粒度が判断できます。
前回の記事でもお伝えしましたが、同じ質問を複数社にぶつけることが何より効きます。1社の答えだけでは、それが丁寧なのか大雑把なのか判断できないですよね。答え方の差そのものが情報になってくれます。
とはいえ、実験の話まで踏み込んだ質問を各社の展示場で繰り返すのは、時間も体力もかかります。我が家も回っている途中で集中力が切れてしまいました。まずは気になるメーカーの資料をまとめて取り寄せて、同じ土俵で読み比べる状態を作る。そのうえで質問する相手を絞るほうが現実的です。
⑧まとめ|耐震実験は順位ではなく記録
6社の実験データを読み比べて分かったことを整理します。
- 単位は4種類に分かれていて、速度と加速度は別の物理量
- 「震度7」にも幅があり、計測震度6.5以上はすべて震度7になる
- 回数には実物大の加振と部材からの換算値が混ざっている
- 実験時の仕様が現在と異なる場合がある
- 「損傷なし」の判定範囲は各社で違う
ただ、全部を覚えていただく必要はありません。この記事でお伝えしたいのは一文だけです。
耐震実験の数字は、性能の順位ではなく、その会社が何を確かめたかの記録である。
前回の記事で私は、耐震等級について「言われなかったから存在しない、とは限らない」と書きました。実大実験については、その裏返しになります。書かれている数字が、比べられる数字だとは限らない。
数字が大きい会社を探すのではなく、条件を開示している会社の情報を信頼して読む。そのうえで足りない部分は営業担当者に聞く。この順番で進めれば、実験データに振り回されずに済むはずです。
数字を読むのではなく、数字を翻訳する。その向き合い方さえ身につけば、展示場で見せられる資料の景色が変わってくると思います。
耐震等級の見方や制震装置の考え方については、前回の記事で詳しく整理しています。あわせて読んでいただけると、耐震性能の全体像がつかめると思います。
