外構見積もりは単価でも比較できない|6社を分解して分かった金額の差が出る3つのポイント

外構見積もりは単価でも比較できない|6社を分解して分かった金額の差が出る3つのポイント

ヘーベルハウスで二世帯住宅を建て替え、2026年4月末から住んでいます。外構は11社に声をかけ、6社から単価入りの見積書をいただきました。本記事はその6通を1行ずつ突き合わせて書いています。もっと詳しいプロフィールを見る

前回の記事で、外構の見積もりは総額だけでは比較できないと書きました。6社の総額は税込で約1,400万円から約2,590万円まで開きましたが、最安の会社には植栽工事がまるごと入っていなかったからです。

では、一つ一つ単価を確認していけば比べられるのか。

結論から言うと、そのままでは比べられませんでした。単価という数字が、会社ごとに違うものを指しているからです。

商品代だけの単価、施工費まで含む単価、下地まで含む単価。しかも数量の拾い方まで違います。同じ行に同じ名前が書いてあっても、中身がそろっていません。

ただ、6社の見積もりを分解していくうちに、比較するために揃えるべきポイントが3つに整理できました。そしてそのうち1つは、施主が自分で計算できます。

①最初の失敗|書き方がバラバラで比較できなかった

最初に見積もりを依頼したときは、こちらから何も指定していませんでした。希望する内容を伝えて、あとはお任せです。そして届いた見積書を並べてみて、手が止まりました。

工種ごとに縦に並べる会社、敷地の場所ごとにまとめる会社、材料と施工費を分ける会社、まとめる会社。同じ工事を頼んでいるのに、書き方がバラバラすぎて全く比較できないのです。

そこで途中から、「なるべく範囲ごとに分けて見積もりを作ってください」とお願いするようにしました。駐車場まわり、門袖まわり、庭まわり、というように場所で区切ってもらうイメージです。

これは非常に効果がありました。全社が同じ形になったわけではありませんが、可能な範囲で対応してくれた会社がほとんどです。実際、契約した会社の見積書は駐車場工事・カーポート工事・門袖工事・目隠しフェンス工事…と場所ごとに分かれ、それぞれに小計が出ていました。最初からお願いしておけばよかった、というのが正直なところです。

②比較は3ステップ|工事範囲ごとの合計で差を探す

範囲ごとに分けてもらって気づいたのは、見積もりの比較には解像度が3段階あるということです。

外構見積もりを総額・工事範囲ごとの合計・単価の3ステップで比べる流れ

いちばん効くのが真ん中の工事範囲ごとの合計です。「駐車場まわりで各社いくらか」なら、項目の切り方が違っても比べられます。

ここで差が大きい範囲を見つけて、その範囲だけ単価まで確認する。全項目を見ようとせず、当たりをつけてから深掘りするというのが、実際にやってみて一番現実的でした。

では、単価を確認して比較するときに、どこに着目して何を揃えればいいのか。ここからが本題です。

③商品代は比較しやすい|同じ型番で定価の50%と90%

外構の単価は、多くの項目が商品そのものの代金と、それを施工する費用でできています。

このうち、商品代にはメーカー定価という共通のものさしがあります。同じ型番・同じ仕様まで揃えれば、6社の見積もりのなかでも比較しやすい部分でした。

一方、施工費には定価がありません。会社ごとに項目の切り方も違います。そこでまずは商品代と施工費を分けて見ることにしました。

同じ型番・仕様を揃えられれば、商品代は数字だけで比較できます。実際の見積もりで見てみます。

カーポートは同じ仕様でも提示価格が違った

三協アルミ カーポートFⅡ 60-50型 ロング柱H25 梁延長
我が家が採用した実際の三協アルミのカーポートFⅡ

いちばん分かりやすかったのがカーポートです。

途中から、こちらで型番を指定して見積もりを作ってもらうようにしました。三協アルミのエフツー、2台用・60-50型・ロング柱H25・梁延長という組み合わせです。同じ仕様で出してもらえば、商品代をそのまま横に並べられます。

会社本体価格定価に対して
C社約174万円60%
D社約188万円65%

メーカー定価は約290万円。同じ型番なのに、提示された商品価格に約14万円の差がありました。

ここで言う掛け率は、メーカー定価に対して、施主にいくらで提示されたかの割合です。見積書から読み取れるのはこちらだけです。

実は当初、カーポートはLIXILのSCで検討していました。こちらも2社が同じ仕様で見積もりを出しています。定価は約165万円です。

会社本体価格定価に対して
B社約83万円50%
A社(ハウスメーカー)約150万円90.6%

同じ型番・同じ仕様で、約1.8倍です。カーポートは金額が大きいので、この差はそのまま総額に効きます。

もう1社、サイズ違いのSCを提案してきた会社があり、そちらは76%でした。同じシリーズでも会社によって50%から90%まで開きます。

カーポートをどのように選んだのかは、別記事でまとめる予定です。

フェンスでも商品代の割合が違った

LIXILのアルミ製フェンスでも、同じ型番が2社から出てきました。

品目B社D社
フェンスAB YS3型 T10 本体12,500円16,250円
同 柱4,550円5,915円
フェンスAB YL3型 T8 本体13,850円18,005円
プログコートF1型 T20 本体46,250円60,125円

確認できた4品目すべてで、B社は定価の50%、D社は65%でした。カーポートSCでもB社は50%で、「アルミ商材につきましては定価の50%オフでご提供できます」という説明でした。

一方、取り付け費を見ると、B社は1スパン4,000〜4,500円、D社は4,200円でした。商品代は1.3倍違うのに、取付費はほぼ同水準です。

つまりこの2社では、大きく動いていたのは施工費ではなく商品代のほうでした。だからメーカー品は、商品代と施工費を分けて見る必要があります。

6社ぶんの掛け率を一覧にすると、こうなりました。

見積もり6社の商品ごとの掛率一覧表
同じ商品でも、会社によって定価の50%から103%まで開いた

全社に共通する商品は1つもありませんでした。6社が別々の商品を提案してくるので、比較できる型番を見つけること自体が簡単ではありません。だからこそ、こちらから型番を指定する意味があります

一覧にすると、同じ会社でも商品カテゴリによって割合が違うことも分かりました。契約したC社では、アルミ建材が60%、照明が70%、ブロック・平板が85%。半年前にもらった見積もりでも、アルミ建材17品目はすべて60%でした。時期が変わっても動いていません

6社を比較すると、同じアルミ建材でも会社によって提示割合にはかなり幅がありました。我が家はフェンスとカーポートの金額が大きかったので、この差は無視できませんでした。

ハウスメーカーは定価を上回る品目もあった

表で気づかれたかもしれませんが、A社だけ数字の並びが違います。実はA社はハウスメーカーの外構部門です。

ユニソンの埋込ポスト「コラーナ15」は、定価36,800円。外構専門店2社はいずれも27,600円(75%)でしたが、ハウスメーカーは43,000円でした。定価を上回っています。LIXILのローポールライトも同じ構図で、定価38,000円に対して専門店が24,050円と26,600円、ハウスメーカーが42,000円です。

少なくとも今回の見積もりでは、ハウスメーカーの商品価格は外構専門店より高く設定されていました。

ハウスメーカーに外構を頼むと割高になってしまうという話は聞いていましたが、外構をハウスメーカーに任せる場合、施工費や管理費だけでなく、商品の単価も上記のようになっていたことは知っておいて損はありません。

もちろん割高であってもハウスメーカーに頼むメリットも存在するので、この辺りも実体験を元に後日別記事でまとめたいと思います。

商品代が安い会社=工事が安い会社ではない

商品の掛け率は見積もり金額に大きく影響します。しかし、掛け率が低くメーカー品を安く出す会社が、工事全体でも安いとは限りませんでした

B社は、カーポートやフェンスといったメーカー品を定価の50%で出していて、アルミ商材は6社でいちばん安い会社です。ところが防草シートを敷く工事は1平方メートルあたり1,800円でした。同じ工事を1,000円で出している会社があるので、1.8倍です。

防草シートの敷設にはメーカー定価がないので、割合というものさしが使えません。カタログ品を安く出せる会社と、工事を安くできる会社は別ということです。

商品代にはメーカー定価があるので、条件を揃えれば比較できます。では、定価という共通のものさしがない施工費はどう比べればいいのでしょうか。

メーカーの既製品を使わない、コンクリートの施工を例に挙げて考えてみます。

④下地まで含むか確認する|土間コンは4通りの意味

2つめは、商品ではなく工事そのものの話です。

6社すべてに「土間コンクリート」という行がありました。駐車場の土間です。単価を並べると、1平方メートルあたり8,000円から17,600円まで、2.2倍の開きがあります。

ところが明細を読むと、6社の「土間コンクリート」は同じものを指していませんでした

書き方その行に含まれるもの
打設だけコンクリートを打つ手間のみ。掘削・砕石・メッシュ・型枠・目地はすべて別行
メッシュ込みワイヤーメッシュまで含む。仕上げは別行
厚み明記「D100」「t=100」と厚みを書き、仕上げまで含む
下地込み一体車庫用の土間下地と刷毛引き仕上げまで1行にまとめる

行の単価だけを横に並べると、打設だけの会社が圧倒的に安く見えます。でもその会社は掘削も砕石もメッシュも別の行に書いているので、費用を合算すれば当然金額は高くなります。

そこで、各社の土間まわりの行を全部拾って足し直し、面積で割ってみました。それでも最安と最高で約1.9倍の差が残ります。ただこの倍率そのものより、同じ名称が4通りの意味で使われていたという事実のほうが重要だと思っています。倍率は見積もりを取った会社次第で変わりますが、書き方が揃っていないことは変わらないからです。

6社の「土間コンクリート」の単価に含まれる工事範囲の違い

実のところ、この6社の土間コンクリートの費用を改めて調べても、単価の意味を最後まで確定できませんでした。ある会社は砕石の行が見積書のどこにもなく、単価に含まれていると推定するしかなかったからです。

タイルは「1行」が一番やっかい

床タイルでも同じことが起きていました。リビエラのジェルストーンという同じ製品を、3社が提案しています。

  • 下地コンクリートまで含めて1平方メートルあたり40,000円で出す会社
  • 材料・貼り手間・下地・メッシュを4行に分け、合計すると約29,800円になる会社
  • 材工込みで19,500円と1行で出す会社

4行に分けている会社は、足し算は面倒でも中身が全部見えます。厄介なのは3番目で、1行で出されると下地が入っているのかどうかが読み取れません。単価としては一番安く見えますが、下地が別なら別行を探す必要があります。

ご自身の見積書でタイルの単価を見つけたら、「これは下地を含みますか」と必ず聞いてください。タイルを貼る時には、必ず下地としてコンクリートで舗装するからです。

この一言で、比較の土台がそろいます。

⑤数量が書かれているか確認する|残土は2.8倍違った

施工範囲は、聞けば何が含まれているか確認できます。ところが項目の中には数量を聞いても妥当性を判断しにくいものがあります。

残土処分の単価は、6社で1立方メートルあたり11,000円から15,000円。1.36倍しか違いません。ところが各社が想定した残土の量は約2.8倍違いました。同じ敷地、同じ図面を渡しているのにです。

残土処分費用の扱いが会社によって大きく異なり、残土量が最大2.8倍の開きがあった。
単価11,000〜15,000円/㎥=1.36倍/想定数量=約2.8倍 → 差がついたのは単価ではなく数量

仮に単価差と数量差が同じ方向に重なれば、計算上は4倍近い差になり得ます。今回の6社で大きかったのは、単価差よりも数量差のほうでした。

しかも6社の書き方はこう分かれています。

  • 立方メートル単位で数量を出した会社:4社
  • 「一式」で金額だけ出した会社:1社(数量が分からない)
  • 残土の行そのものがない会社:1社(植栽の客土の行に「すき取り+残土処理費含む」と内包)

植栽も同じでした。1本ずつ樹種と樹高を拾う会社、樹種リストで出す会社、高木2本だけの会社、こちらが伝えた予算感をそのまま一式で計上する会社、そして計上しない会社。拾い方そのものが違うので、金額を比べても意味がありません。

正直に書くと、この数量の妥当性を施主が判定するのは無理です。どこまで鋤き取るべきかも、木を何本入れるべきかも、こちらには判断材料がありません。

できるのは、数量が書かれているかどうかを確認することだけです。書かれていれば他社と比べて質問できます。「一式」で数量がない行は、その時点では比較の対象になりません。

⑥6社比較して分かった|見積書で確認したい3項目

商品代には定価というものさしがある。施工範囲は聞けば確認できる。数量は他社と比べて初めて違いに気づける。

そう整理すると、施主にできることは3つに絞られます。どれも専門知識は要りません。

  • 工事範囲ごとに分けて見積もりを作ってもらう。頼めば対応してくれる会社が多い。範囲ごとの合計なら施主でも比較できる
  • メーカー品は商品名と型番を明記してもらう。定価まで書いてもらえればベスト。型番さえ分かれば公式カタログで定価を調べて、提示価格が定価の何%かを自分で計算できる
  • 数量が書かれているかを確認する。とくに残土・植栽・下地は差が出やすい。「一式」の行は数量を聞く

ちなみに6社のうち2社は、見積書に定価まで書いてくれていました。1社は定価欄が付いた様式、もう1社は備考欄に「定価◯◯円 50%off」と全品目に記載する形です。頼めば出してくれる会社は実在します。

この3つは、どれも見積書を受け取った日にできます。

⑦補足|外構の諸経費は5%から10%だった

前回書ききれなかった諸経費の実数も出しておきます。工事費に対する比率に換算するとこうなりました。

会社比率見積書での呼び名
E社5.0%諸経費(5%と明記)
B社7.0%遣り方+現場養生+諸経費・現場管理費
A社7.1%仮設・準備費(諸経費の行がない)
C社8.0%諸経費
D社8.0%諸経費
F社10.0%諸経費(現場管理費・法定福利費・交通費等)

5%から10%まで、ちょうど2倍の幅です。工事費が1,500万円なら、比率が5%違うだけで75万円動きます。

注目したいのは呼び名のほうです。諸経費という行が存在しない会社が1社ありました。諸経費以外の名前で、現場管理や仮設の費用が計上されていることもあるということです。名前で探しても見つからないので、工事そのものではない費用が総額にどれだけ乗っているかで見てください。

⑧まとめ|単価も、そのままでは比べられない

  • 総額ではなく「工事範囲ごとの合計」で差が大きい場所を探し、そこだけ単価まで確認する
  • メーカー品は、同じ型番・仕様なら商品代を比較しやすい。定価に対する提示割合は施主でも確認できる
  • 同じ「土間コンクリート」でも、下地やメッシュなど含まれる工事が違う
  • 残土は単価差1.36倍に対して想定数量が約2.8倍。単価だけでなく数量を見る
  • 「一式」の行と諸経費は、中身と数量を確認する

ここまで分解しておいて言うのもなんですが、我が家も全項目を突き合わせたわけではありません。金額の大きい項目から順に確認して、あとは提案内容と担当者の説明で決めました。完璧に比較しようとすると終わらないので、どこかで線を引く必要があります。

正直、ちょっと後悔していることがあります

ここまで分解したのは、実は契約したあとです。6社の見積書を表計算に落として1行ずつ突き合わせたのは、この記事を書くためでした。

そうして初めて、B社のアルミ建材が定価の50%というのが他社と比べてもかなり安かったことが分かりました。カーポートとフェンスは金額が大きいので、この差はそのまま総額に効きます。商品代は、単価のなかでも比較しやすい部分だったのに、当時はそこを見ていませんでした。

実はB社は植栽が自社施工ではなかったため、早い段階で候補から外していました。ただ後から調べると提携先の紹介はしてもらえる仕組みで、しかも実際に契約した会社も植栽は外部に委託しています。打ち合わせの手間は、そこまで変わらなかったかもしれません。

かなり比較したつもりでいました。それでも、掛け率と工事範囲ごとの合計をきちんと見比べられていたら、結論が変わっていた可能性はあります

比較が足りなかったのではなく、比較の仕方を知らなかった。これがこの記事を書いた理由です。

ただ、比べる相手がいなければ、商品代の割合も施工範囲も数量も分かりません。1社だけでは、その単価が何を含んでいるのかすら気づけないからです。我が家も6社そろえてはじめて、同じ商品が会社によって違う値段で並んでいることに気づきました。

近隣の業者を自分で探すほか、一括見積もりサービスを使うと候補を効率よく増やせます。我が家はリショップナビとタウンライフの両方を使い、それぞれ3社ずつ紹介してもらいました。最終的に契約したのはリショップナビ経由の1社ですが、アルミ商材の掛け率が安かったB社はタウンライフ経由です。両方を使ったことで候補が広がったのは間違いありません。

我が家はここで紹介された会社と契約

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次回からは、商品ごとの個別記事に入ります。カーポート、駐車場の土間コンクリート、目隠しフェンス。それぞれ何を基準に選び、どれを採用し、各社でいくら違ったのかを、商品名まで出して書く予定です。

※本記事の金額は2025年から2026年にかけて我が家が取得した見積もりに基づくもので、地域・敷地条件・時期によって大きく変動します。定価に対する割合は取引条件によって変わるため、同じ会社でも常に同じとは限りません。掲載内容は執筆時点の情報であり、法令や制度の適用は個別の判断が必要です。誤りがありましたらお問い合わせフォームよりご連絡ください。