生活感のないおしゃれなキッチンにしたい
でも、生活感を隠したせいで毎日が不便になったら本末転倒なので、実際どのようにすればいいのか迷いますよね。
我が家は冷蔵庫をリビングやダイニングから見えない場所に配置して、カップボードもスクリーンで丸ごと隠せるようにしました。決めたのは間取りの検討段階。当時はまだ図面の上の話で、正直なところ「2歩遠くなるだけ」と自分に言い聞かせていた部分もあります。
あれから入居して4か月。実際に6人で毎日使ってみた結論を、隠しきれなかったものも含めて書いていきます。
①生活感のないキッチンは、住むと破綻するのか
SNSで見かける生活感ゼロのキッチン。あれを見て「素敵だな」と思う一方で、「でも実際に住んだらすぐ元通りになるでしょ」と冷めた気持ちも湧いてきませんか。
私も同じことを考えていました。写真は一瞬を切り取ったもので、毎日その状態を保つのは無理だろう、と。実際、我が家のキッチンも常にモデルルームのようになっているわけではありません。
おしゃれなキッチンを作る方法としては、あえてオープンラックにして見せる収納という選択肢もあります。
しかし、物が多く、汚れもたまりやすいキッチンで見せる収納にする自信は全く無かったため、我が家では隠す収納を基本としました。
そして住んで4ヶ月が経った今、「隠す設計にしてよかった」とはっきり言えます。理由は見た目そのものではなく、別のところにありました。順番に説明していきます。
②我が家が隠したのは3つ|冷蔵庫・カップボード・ゴミ箱
ひとくちに「隠す」と言っても、我が家では対象ごとに方法が違います。
- 冷蔵庫:間取りで消す。アイランドキッチンの奥、通路を挟んだ先の壁のくぼみに納めた
- カップボードと家電:建具で消す。ブラックフレームのスクリーンで面ごと覆えるようにした
- ゴミ箱:余白で消す。これは狙って作ったものではなく、住んでから見つかった

冷蔵庫をどこに置くかで悩んだ経緯と、検討した配置パターンの比較は、間取りを決めた当時の記事に詳しく書いています。
③冷蔵庫を隠すと使いにくい?4か月の結論
4か月使って、私自身は冷蔵庫が遠いと感じたことはありません。家族からも、今のところ配置について不満が出たことはありません。
ただ、この結果を「隠しても大丈夫」と一般化するのは違うと思っています。効いていたのは距離ではなく、置いた場所の性格でした。
前の家では、冷蔵庫の前で渋滞が起きていた
比較対象として、建て替える前の家の話を書いておきます。
前の家は壁付けのキッチンで、冷蔵庫はキッチンの入り口に置いていました。距離だけを見れば理想的です。シンクからもダイニングからも近く、何歩も歩く必要はありません。
ところが実際は、冷蔵庫の前に人がいるとキッチンの中に入れないという場面が何度もありました。入り口と冷蔵庫の前が同じ場所なので当然なんですよね。特に困ったのが買い物から帰ったとき。冷蔵庫の前にしばらく居座って中身を詰めることになるので、その間はキッチンが完全に塞がっていました。
今の家は、冷蔵庫の前に人が立っても動線が止まらない
今の冷蔵庫は、キッチンの一番奥まった位置にあります。前に立って扉を開けたときに干渉するのは、その先にあるパントリーの入口だけ。つまり、誰かが冷蔵庫の前でずっと物を探していても、調理している人の動きを一切止めません。
住んでみて気づいたのは、冷蔵庫までの距離より「人が立ち止まる場所と通り道が重なるか」のほうが重要だということでした。前の家では冷蔵庫への距離が近い代わりに、そこが唯一の入り口でもありました。今の家では逆に、少し歩く代わりに立ち止まっても誰の邪魔にもならない場所になっています。
間取りの検討中に気にしていたのは「冷蔵庫がキッチンから2歩遠くなること」でしたが、住んでみて大きかったのはこちらの効果でした。

扉で隠していないから、開け閉めの手間がない
冷蔵庫を隠す方法として、パントリーの中に置くというやり方もあります。ただ、扉やロールスクリーンで仕切れば、冷蔵庫を使うたびに開ける動作がひとつ増えます。
毎日何回も使う冷蔵庫に行くために、毎回扉を開けなければならない、というのは、面倒くさがりな我が家では絶対に邪魔に感じる未来が容易に想像できました。
結果から言うと、我が家は冷蔵庫を扉で仕切っていません。キッチンに立てば冷蔵庫は丸見えです。それでもリビング・ダイニングからは一切見えない。壁の奥という位置関係だけで隠しているので、隠すために増えた動作はゼロです。

隠したのに使い勝手が落ちなかった一番の理由は、ここかもしれません。同じ「隠す」でも、毎日の動作が増える隠し方と、増えない隠し方があります。
遠くなった分は、アイランドの回遊性が埋めてくれた
公平に書いておくと、冷蔵庫を奥に置けば当然ダイニングからは遠くなります。動線の長さだけで比べるなら、入り口に置くほうが有利な面もあるはずです。
それを埋めてくれたのが、キッチンをアイランドにしたことでした。左右どちらの通路からも冷蔵庫へ行けるので、ダイニングにいる家族が飲み物を取りに行くときも、料理をしている人の背中を通る必要がありません。回遊できるかどうかで、遠さの感じ方はかなり変わります。
買い物から帰ってきたときも、玄関から冷蔵庫までの距離は確かに伸びました。それでも通路が広いので袋が壁や家具に当たることはなく、不便だと感じた場面は今のところありません。通路幅は家ごとの条件で変わりますが、二人がすれ違っても手が止まらない幅があるかどうかは、図面の段階で見ておく価値があります。
ちなみに料理好きの義母に新居で一番気に入っている場所を聞くと、広くて使いやすいキッチンだと言っています。毎日いちばん長く立っている人がそう言うなら、少なくとも我が家にはこの配置が合っていたのだと思います。
④スクリーンは普段閉めていない|来客時だけで足りた
カップボードを覆うスクリーン。決して安い買い物ではなかったので、採用する前は「本当に活用することはあるのだろうか」という不安がありました。
結果からいうと、普段は開けっ放しです。閉めるのは来客があるときだけ。
これを聞くと「じゃあ意味がなかったのでは」と思われるかもしれません。でも実際は逆で、来客時だけで十分に成立したというのが正確なところです。毎日閉める運用を前提にしていたら、たぶん1ヶ月もせずに面倒になっていました。家族しかいない時間まで気を張る必要はないんですよね。
使用頻度だけで見れば、確かに高い設備です。それでも来客前にカップボードの上を全部片付けなくても、閉めるだけで見えなくなる。ホテルライクになるだけでなく、「片付けが楽になる=妻のストレスが減らせる」というために採用したと考えれば、今のところ後悔はありません。

金額はオプション費用についてまとめた別の記事に書いています。
想定外だった使い道|寄せたスクリーンの裏がゴミ箱置き場に
普段スクリーンは右側に寄せた状態でカップボードはオープンにしています。そしてスクリーンを寄せると隠れてしまう右側には、セカンド冷凍庫を置けるようにと思い、コンセントだけつけてスペースを空けていました。
しかし現在ここに置かれているのはセカンド冷蔵庫ではなくゴミ箱。
セカンド冷凍庫については、ふるさと納税などで冷凍食品をついつい余計に頼みそう、ということで購入は見送りになり、代わりに置き場に悩んだゴミ箱が収まったという形です。
正面にはスクリーンがありますが、脇からゴミを捨てられるので、普段の使用でスクリーンを開ける必要はありません。大きな物を捨てるときや、ゴミの日にだけ動かせば済みます。多少の捨てにくさはありますが、困るほどではないというのが4か月使った実感です。
ゴミ箱は生活感の代表格で、隠し場所に悩む人が多い設備でもあります。それが、隠すつもりのなかった場所で普段過ごす位置からはほぼ見えなくなりました。設計段階では想定していなかった収穫です。

⑤隠しきれないものもある|シンク周りは諦めた
ここまで良いことばかり書いてきましたが、当然すべてを隠せているわけではありません。
我が家は場所を取る水切りかごを置くのをやめて、水切り用の袋を立てるスタンドにしました。それでもシンク横に何かが出ていることに変わりはありません。しまい込むと使うたびに出す手間がかかって、結局出しっぱなしになるのが目に見えているので、ここは最初から出す前提です。来客があるときに中身を片付けて、きれいにするという運用にしています。
生活感を消す家づくりでは、隠すものを決めるのと同じくらい隠さないものを決めておくことが大事だと思います。全部を隠そうとすると、どこかで運用が破綻しますから。
⑥一番の効果は見た目ではなく「すぐ片付く」ことだった
4か月住んで、隠す設計の一番の価値はここだったと感じています。
我が家のキッチンも、普段はそれなりに物が出ています。レンジ、トースター、炊飯器の調理家電はカウンターに置いていますし、毎日使うコップやパンなども置かれています。空のペットボトルやビンが収集日までカウンター下のスペースに置かれることもあります。
それでも、その気になれば10分程度で元の状態に戻せるんです。スクリーンを閉じれば、家電も食器も一気に視界から消えますからね。
この「すぐに戻せる」という感覚が、想像していた以上に効きました。散らかっていても焦らない。子供に対しても神経質にならずに済んだことでストレスも軽減できました。
常にきれいを保つ家ではなく、いつでもきれいに戻せる家。生活感を消したいと考えている人が本当に手に入れるのは、見た目よりもこの余裕のほうかもしれません。
⑦生活感を隠したい人のチェックポイント
我が家の4か月から、間取り検討中の方に渡せる判断材料をまとめます。
- 冷蔵庫は距離ではなく「前に人が立てるか」で見る/通り道と重なる位置だと、近くても渋滞します
- 毎日操作する仕掛けは、本当に続けられるか考える/扉で仕切る隠し方は動作が増えます。来客時だけの運用で成立するかを基準にすると続きます
- 隠す設備の裏に余白ができないか確認する/ゴミ箱のような置き場に困る物の行き先になります
- 隠さないものを先に決めておく/毎日使う物は、出す前提のほうが破綻しません
- 通路幅は図面の段階で確認する/隠す配置は通路を通る回数が増えるので、狭いと不満が出やすくなります
⑧まとめ|隠すかどうかは間取りの段階で決まる
4か月住んでみて、我が家では「冷蔵庫を隠したことで不便になった」という結論にはなりませんでした。むしろ、冷蔵庫を調理動線から外せたことや、必要なときだけ生活感を隠せることのメリットのほうを大きく感じています。
そして何より、ここで書いたことのほとんどは間取りの段階でしか決められません。冷蔵庫を奥まった位置に納められるかどうかも、回遊できるキッチンにするかどうかも、通路を広く取れるかどうかも、後から変えることはできない部分です。
我が家がこの配置にたどり着けたのも、自分たちだけで考え込まず、複数のハウスメーカーから間取りプランをもらって見比べたからでした。各社の提案を見比べる中で、自分たちだけでは思いつかなかった配置案がいくつもありました。気になる部分を「うちならどうしますか」と各社に投げて比べていくと、見た目と使い勝手のちょうどいい落としどころが見えてきます。
実際にタウンライフを利用して4社の間取りプランをもらった実体験は下記の記事で詳しく書いています。
