太陽光発電は梅雨で約3割減|6月の発電量と収支を公開【ヘーベルハウス】

太陽光発電は梅雨で約3割減|6月の発電量と収支を公開【ヘーベルハウス】


太陽光9.27kWと蓄電池6.5kWhの実測データを毎月公開しています。前回は入居初月となる5月の収支をまとめ、このペースなら初期費用を何年で回収できそうか、という見通しまで踏み込みました。

5月は天気に恵まれ、総発電量が1,000kWhを超える絶好調のスタートでした。売電が買電を大きく上回り、収支もプラス。太陽光を載せてよかったと素直に思えるひと月だったんです。

シリーズ第2回となる今回は、雨続きだった6月の実測データを取り上げます。

太陽光の導入を検討していると「雨が多いと発電量がどれくらい落ちるのか」は気になる点ではないでしょうか。

私も家を建てる前にネットで調べましたが、「雨の日は晴天の5〜20%」「曇りは40〜60%」といった一般的な数字は出てきますが、実際に一軒の家が1か月でどれだけ発電し、電気代がどう変わったのかという実測はなかなか見つかりません。

そこで、好条件だった5月を基準にしながら、梅雨の6月で発電量と電気代がどこまで動いたのかを、我が家の実測データで比較していきます。

6月の太陽光発電実績まとめ

  • 発電量:687kWh(5月比 約3割減)
  • 売電量:476kWh
  • 買電量:334kWh
  • 仮収支:▲4,074円(5月はプラス、6月は買電>売電に逆転)
  • 消費電力量は約5割増(全館空調+浴室乾燥機)
  • 蓄電池は月の大半で稼働し、夜間に約3,900円分を自給

太陽光・蓄電池の構成(我が家のスペック)

まず前提として、発電システムの構成と我が家の特性を載せておきます。同じ条件でないと、数字を比べるときに話がかみ合いませんからね。

  • 太陽光パネル:サンテック 9.27kW
  • 蓄電池:オムロン KP-BU65B-S(容量6.5kWh)
  • パワーコンディショナ:オムロン KPBP-A-2(5.9kW)
  • 過積載率:約157%
  • 給湯・コンロ・床暖房:ガス
  • 二世帯6人+ワンコ
  • 全館空調

①梅雨の太陽光発電は約3割減|9.27kWの実測

太陽光9.27kW・蓄電池6.5kWhの2026年6月の日別発電・消費グラフ
太陽光9.27kW 蓄電池6.5kWhでの6月実績グラフ

実測では6月の総発電量は687kWh
好条件だった5月と比べて発電量は約32%減少しました。

設備容量あたりに直すと、1kWあたりの1日発電量は5月が3.53kWh、6月は2.47kWhです。この数字を使えば、6kWや8kWなど容量の違うお宅でも、ご自宅の梅雨の発電量をざっくり試算できます。

指標5月(好条件)6月(梅雨)変化
総発電量1,014kWh687kWh約32%減
1日平均発電量32.7kWh22.9kWh約9.8kWh減
1kWあたり日発電量3.53kWh2.47kWh約3割減
我が家の実測値(HEMS30分値を集計。単位はkWh)

「梅雨は3割減る」と聞くと大きく感じますが、これは好条件の月を基準にした数字です。逆に言えば、条件の良い月と悪い月の振れ幅がこの程度に収まっている、という見方もできます。

②発電量が減った理由|好天日が半減した

減少の主因は、当然ながら日照です。日別に見ると、5月と6月では晴れた日の数がはっきり違いました。

  • 好天日(1日35kWh以上):5月は15日 → 6月は6日
  • 低発電日(1日15kWh未満):5月は3日 → 6月は8日
  • 特に6月下旬は5kWh台の日が4日連続。梅雨末期の停滞前線が響いた

一方で見逃せないのが、晴れた日の発電は5月とほぼ互角だった点です。

6月でも45kWhや44kWhを記録した日があり、5月のベスト級に肉薄しています。夏至前後は日が長く太陽高度も高いため、晴れさえすれば発電のポテンシャル自体は年間トップクラス。6月の不振は、あくまで天気の問題だと数字が示していました。

③消費電力量は約5割増|全館空調と浴室乾燥機

梅雨がやっかいなのは、発電が減るのと同時に消費が増えることです。6月の総消費電力量は571kWhで、5月の376kWhから約52%増えました。

増えた約195kWhの内訳を整理すると、次のように考えられます。

  • 浴室乾燥機:雨の日が約15日、1日4時間ほど稼働で約60〜90kWh
  • 全館空調:残りの約105〜135kWh。梅雨の冷房・除湿を本格運転した分

我が家の全館空調はダイキンのS503ALVで、梅雨時期は除湿運転(さらら除湿)が中心になります。このさらら除湿はハイブリッド方式で、ダイキンの公式情報によると冷房よりも消費電力が少ない省エネな除湿です。
ダイキン 冷房と除湿の電気代の比較(ルームエアコン)
室温を24〜26℃・湿度50〜60%に保ちながら、電気の面ではむしろおとなしい部類なんですね。

このことは私自身も今回調べて初めて知りました。今後湿度が高い日は冷房よりも除湿を優先して使おうと思います。

つまり6月に消費電力量が伸びたのは、除湿そのものが電気を食うからではありません。雨で発電が少ない中、家全体の空調をほぼ24時間止めずに動かし続けたこと、そして浴室乾燥機がフル稼働したことが主因です。とはいえ、空調が動き続けるのは真夏も変わりません。

6月の温湿度データを元にした全館空調のメリット・デメリットについて下記の詳細記事をご覧ください

収支のポイントは「電気を使うタイミングで、しっかり発電できているか」です。

④収支が買電>売電に逆転した仕組み

発電が減り、消費が増えた結果として、電気の流れそのものが逆転しました。

項目5月6月
発電電力量1,014kWh687kWh
消費電力量376kWh571kWh
売電電力量948kWh476kWh
買電電力量188kWh334kWh
充電/放電144/124kWh135/112kWh
売電は約半減、買電は約1.8倍に。単位はkWh

5月は昼間に発電した電気が余り、多くを売電に回せていました。ところが6月は雨で昼の発電が乏しく、その一方で全館空調は24時間動き続けます。晴れていれば日中の消費は太陽光でまかなえますが、発電のない日は昼間まで電力会社から買うしかありません。

こうして日中の買電が積み上がり、5月の「売電>買電」が6月は「買電>売電」へと逆転しました。真夏は昼にしっかり発電するので、日中の買電はここまで膨らまないと考えています。

仮に売電16円・買電35円で試算すると、6月は売電収入が約7,600円、買電支出が約11,700円で、電気の収支は4,000円ほどのマイナス。5月がプラスだったのと対照的な結果です。梅雨は「発電が減る一方で、除湿や浴室乾燥で消費が増える」という意味で、太陽光にとって収支が悪化しやすい時期だと感じました。

※売電・買電の単価は仮の想定値です。契約プランや卒FIT前後で金額は変わります。あくまで傾向を示す試算としてご覧ください。

⑤過積載は梅雨に効くのか|実測からの考察

我が家は太陽光9.27kWに対してパワコンが5.9kW、過積載率は約157%です。

過積載は「パネルを多めに載せて、曇りや朝夕でも発電を底上げする」と説明されることが多いのですが、梅雨に本当に効くのか、実測から考えてみます。

5月の快晴日は、30分平均の発電がパワコンの上限(5.9kW)付近にぴったり張り付いていました。パネル自体はもっと発電する力があるのに、パワコンが頭打ちにするため、上限を超えた分は捨てられてしまいます。これがピークカットで、過積載の「ロス」はこの晴天のピークで生まれるんですね。

反対に、曇りや雨の日は出力がそもそも上限に届きません。ピークカットは起こらず、「パワコンが小さい」という過積載の特徴は、この日には働かないことになります。梅雨の曇天では、過積載そのものは損も得も生んでいない、というのが正確なところでしょう。

では、雨続きでも687kWh発電できたのはなぜか。効いているのは過積載ではなく、「パネルを9.27kWと多めに載せていること」です。光が弱くても、パネルの面積が大きいほど多くの光をかき集められ、しかも上限未満なので発電した分をまるごと使えます。梅雨はこの弱い光の時間帯が多いぶん、多めに積んだパネルの効果が素直に表れました。

まとめると、「過積載は曇りや朝夕に強い」と言われる正体は、パワコンの小ささではなくパネルを多く載せていることにあります。過積載(パワコンが小さいこと)自体は、晴天でわずかなロスを生みますが、曇天ではそのデメリットが出にくい。梅雨でも687kWh発電できたのは、パネルを多めに載せたおかげだったと考えています。

梅雨でも687kWh発電できた理由(パネルを多く載せた効果)の図解

結論として、天候に恵まれた5月、雨の降った日が約半分を占めた6月の両方の結果を見ても、157%というやや高めの過積載率にしたのは良い選択だったと思っています。(もちろん、最適な過積載率は地域や屋根の向き、パワコン容量によって変わります。)

⑥蓄電池は梅雨でも稼働|放電量は9%減にとどまる

発電が減れば、蓄電池も昼に貯められず夜に使えないのではないか。梅雨に入る前は、そう心配していました。ところが実測を見ると、思っていたよりずっと健闘していたんです。

6月の放電量は112kWhで、好条件だった5月の123kWhと比べても約9%減にとどまりました。発電量は約3割減ったのに、蓄電池はほぼ普段どおり働いてくれていたことになります。正直ここまで働いてくれるとは思っていませんでした。

  • 満充電(電池残量100%付近)に届いた日:30日中23日
  • フル充電に届かなかった日:わずか7日
  • 雨の合間に晴れれば、その間にしっかり充電してくれた

つまり、梅雨でも8割近くの日はほぼ満充電できていました。

6月の蓄電池の働き(放電量は5月比9%減)の図解

とはいえ、蓄電池が力を出せない日もありました。分かれ目はおおよそ1日の発電量10kWhで、これを下回ると満充電に届かず、夜の放電も細ります。特に6月25〜28日は発電が5〜7kWhしかない雨が4日続き、電池残量は20〜40%止まり。28日にいたっては放電0kWhと、まる一日休眠する結果になりました。

それでも、この「ほぼ使えない日」は月にわずか数日でした。多くの日は雨の合間の晴れ間で充電をやり直し、夜はきちんと放電してくれます。梅雨でも蓄電池は思った以上に働いていた、というのが入居2か月目の率直な感想です。

⑦梅雨でも687kWh|9.27kWで安心できた点

電気代だけを見れば収支がマイナスとなった6月でしたが、住んでみて安心できたこともあります。

  • 雨続きの梅雨でも687kWh発電。9.27kWの容量が悪天候の下支えになった
  • 室内は24〜26℃・湿度50〜60%をキープ。ジメジメのストレスがなかった
  • 電気代は増えたが、家中どこでも快適という価値と釣り合っていた

以前の住まいでは、わんこのいるリビングだけエアコンを24時間つけっぱなしにしていました。その1部屋分の電気代で、今は家中が快適です。そう考えると、全館空調の電気代が特別高いという印象はありません。増えた電気代は「全館空調だから」ではなく「梅雨で冷房・除湿を本格的に使い始めたから」という要因が大きそうだ、というのが2か月住んでの実感です。

⑧梅雨の太陽光発電まとめ|検討中の方へ

梅雨の太陽光について、我が家の実測からわかったことをまとめます。

  • 発電量は好条件の月より約3割減。ただし晴れた日は年間トップ級に発電する
  • 消費電力量は冷房・除湿・浴室乾燥機で約5割増。発電減と消費増が重なる
  • 結果として「買電>売電」に逆転。梅雨は収支が苦しい時期
  • それでもパネルを多く載せることで、悪天候でも一定量は発電できる

7月・8月も同じ条件で継続検証し、初夏~真夏にどのような変化が出るのかまた記事にしていきます。

ここで大切なのは、梅雨の1か月だけを見て「損か得か」を判断しないことです。発電量は屋根の向きや勾配、地域、設備容量で大きく変わります。年間を通してどれだけ発電し、電気代をどこまでカバーできるかは、実際にご自宅の条件でシミュレーションしてみないとわかりません。

太陽光や蓄電池は、同じ容量でもメーカーや販売店によって見積もりが大きく変わる設備です。複数社の提案を並べて比較すると、自宅の屋根でどれくらい発電し、いくらで導入できるかが具体的に見えてきます。まずは無料で複数社の見積もりを取り寄せて、比べてみるのがおすすめです。

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