鉄骨ハウスメーカー6社比較|耐震等級3だけでは分からない見るべきポイント

鉄骨ハウスメーカー6社比較|耐震等級3だけでは分からない見るべきポイント

「耐震等級3です」
「制震装置が標準装備です」

ハウスメーカーの営業担当者から、こう説明された経験はありませんか。

力強い言葉なのに、どこか腑に落ちない。他社でも同じことを言われたし、結局どこが強いのか分からないままだった。私自身がそうでした。

この記事では、鉄骨系ハウスメーカー6社の耐震・制震について、各社の公式サイトに書かれていることだけを並べて検証します。ただし最初にお伝えしておくと、順位はつけません。調べれば調べるほど、順位をつけられる性質のものではないと分かったからです。

代わりにお渡ししたいのは、営業資料や公式サイトを自分で読み解くための物差しです。

我が家はヘーベルハウスで二世帯住宅を建て、設計住宅性能評価書を受け取りました。その書類を実際に見て初めて分かったことも、あわせてお話しします。

引き渡し後にヘーベルハウスから渡された書類の数々

①耐震・制震・免震の違い|3つの考え方

まず言葉を整理させてください。地震への対策には、大きく3つの考え方があります。

  • 耐震:建物そのものを強くして、揺れに耐える
  • 制震:揺れのエネルギーを吸収して、建物の変形を抑える
  • 免震:地面と建物を切り離して、揺れそのものを伝えない

このうち免震は、この記事では扱いません。戸建てで採用例が少なく、コストも敷地条件もハードルが高いためです。今回取り上げる6社も、戸建ての標準的な選択肢としては打ち出していません。

ちなみに免震には、制度上こんな特徴もあります。
住宅性能表示制度では、免震建築物と確認された場合、耐震等級による評価そのものを行わない仕組みになっているんですね。免震は「耐震等級」という物差しの外側にある、と考えると分かりやすいと思います。この話は後半でもう一度出てきます。

そして耐震と制震は、どちらか一方を選ぶものではありません。土台となる耐震性能があったうえで、制震をどう組み合わせるか。各社が競っているのは、この組み合わせ方の部分です。

②【早見表】6社の制震の考え方

まず全体像から見てみましょう。各社の公式サイトに書かれている内容を、制震の方式で整理したものです。

メーカー方式中身
ヘーベルハウス構造に組み込み(構造ごとに3方式)制震フレーム/ハイパワードクロス/オイルダンパー「サイレス」
積水ハウスフレームを配置シーカス(粘弾性ダンパー)※3・4階建てには非適用
大和ハウス耐力壁に組み込みD-NΣQST(Σ形デバイス)※標準搭載と明記
パナソニックホームズ耐力壁に組み込みアタックフレーム(アタックダンパー内蔵)
トヨタホーム装置を追加T4システム(外周壁4箇所に設置)
セキスイハイム装置なし・外壁と一体GAIASS(構造体の粘り+高性能外壁の強度)
各社公式サイトの記載をもとに作成(2026年7月時点)

横に並べると、各社で考えが違う事がはっきり分かります。そのため「制震装置があるか、ないか」という切り口では比較にならないんですよね。

③制震には3つの考え方がある

メーカー名をいったん忘れて、考え方だけを取り出すと3つに整理できます。

タイプ考え方確認したいこと
装置を追加する構造体とは別に制震装置を取り付ける標準か追加か。どこに何カ所入るか
壁に組み込む耐力壁やフレーム自体にエネルギー吸収機能を持たせるすべての壁に入るのか。配置は誰が決めるのか
装置を持たない構造体の粘りと外壁の強度で受け止める外壁の仕様を変えると性能も変わるのか

大事なのは優劣ではありません。タイプが違えば、確認すべきことも変わるという点です。装置を追加する会社に「何カ所ですか」と聞くのは意味がありますが、装置を持たない会社に同じ質問をしても噛み合いません。

それぞれ具体的に見ていきます。

装置を追加する型|トヨタホーム

トヨタホームの「T4システム」は、構造体とは別に用意された制震装置です。建物の外周壁4箇所に設置し、水平方向の揺れを回転運動に変換してシリコーンオイルの粘性抵抗で減衰させます。室内に設置しないため、大開口や将来のリフォームの自由度を損なわないのが特徴とされています。

ここで注目したいのが、公式サイトの言い回しです。構造体である「パワースケルトン」と「T4システム」を組み合わせれば、という書き方をしているんですね。つまり装置を足すかどうかは選択の余地がある、と読めます。

他社と同じ土俵で「制震付き」と括ってしまうと、この違いが消えてしまいます。

耐力壁やフレームに組み込む型|大和・パナソニック・積水

3社は、壁そのものにエネルギー吸収の機能を持たせるタイプです。ただし細部は各社で異なります。

大和ハウスの「D-NΣQST」は、Σ形の断面を持つデバイスを耐力壁に組み込んだもの。公式サイトではxevoΣに標準搭載と明記されています。今回調べた6社のなかで、標準という言葉を明確に使っていたのはここだけでした。

パナソニックホームズの「アタックフレーム」は、座屈拘束と低降伏点鋼を使ったアタックダンパーを内蔵した耐力壁です。ここに面白い注記があります。アタックフレームにはダンパーあり・なしの2種類があり、構造計算に基づいて配置すると書かれているんです。すべての耐力壁に制震機能が入るわけではない、ということですね。

積水ハウスの「シーカス」は、粘弾性ダンパーをK型に組み込んだフレームです。国土交通大臣の認定を受けた構造で、変形量を2分の1以下に抑えるとされています。ただしこの数値には「当社耐震構造との比較」という注記が付き、プランによっては2分の1以下にならない場合もあると添えられていました。

もうひとつ。シーカスは鉄骨1・2階建ての技術で、3・4階建ての構造には登場しません。「積水ハウス=シーカス」と覚えてしまうと、検討する階数によっては話が合わなくなります。

装置を持たない型|セキスイハイム

セキスイハイムは、6社のなかで唯一、制震装置という形を取っていません。

「GAIASS」と呼ばれる仕組みは、ユニット構造体の粘り強さと、高性能外壁の強度を組み合わせたものです。外壁が構造性能の一部を担っている、という考え方ですね。公式サイトでも、制震装置の名前ではなく耐震システムの呼称として説明されています。

ここまで読んで、少し混乱されたかもしれません。装置を足す会社、壁に組み込む会社、装置を持たない会社。同じ「制震」という言葉を使いながら、中身がまったく違うわけです。

ヘーベルハウスは構造ごとに3方式

我が家が建てたヘーベルハウスは、さらに分かりにくい構造をしています。3つの構造それぞれで、制震の方式が違うんですね。

  • 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造:独自の制震フレームと極低降伏点鋼
  • ハイパワード制震ALC構造:制震フレーム「ハイパワードクロス」
  • 重鉄・システムラーメン構造:オイルダンパー制震装置「サイレス」

我が家は3つ目の重鉄・システムラーメン構造、商品名でいうとFREXです。

公式サイトのコラムには、重鉄・システムラーメン構造では揺れ幅を小さくするオイルダンパー制震装置「サイレス」を採用していること、そして震度7相当の大地震を23回連続で加震するテストですべての揺れを吸収したことが記されています。構造とセットで語られている装置、という位置づけですね。

我が家に設置された2カ所のサイレス

ただ標準といっても無料という意味ではなく、建物価格に含まれる形で当然コストは乗っています。そして我が家の場合、耐震性を確保するために2カ所に入りました。この「何カ所入るか」という視点が、契約前の私にはまったくありませんでした。どんな制震装置なのかは気にしていましたが、実際にいくつ設置されるのかを聞いていなかったんです。

パナソニックホームズが公式サイトで、ダンパーあり・なしの耐力壁を構造計算に基づいて配置すると書いているのを見て、後から意味が分かりました。制震は「あるかないか」ではなく「どこに、いくつ」の話でもあるわけです。

なお、鉄骨の構造そのものについては別記事で詳しく整理しました。同じ鉄骨でも軽量と重量では性質が変わるので、制震の話の前提としてあわせて読んでいただけると分かりやすいはずです。

④耐震等級3の本当の見方|等級は2つある

「耐震等級3ですから安心です」というのは営業担当者からよく聞く説明だと思います。

ただ、その耐震等級3には続きがありました。私自身、引き渡し時に書類を受け取るまで知らなかった部分です。

6社が公式サイトで耐震等級をどう書いているか、そのまま並べてみました。

メーカー公式の書き方付いている条件
トヨタホーム標準仕様で耐震等級3商品・プランにより異なる場合がある
セキスイハイム標準仕様で最高等級をクリアすることが可能一部の特殊プランでは例外となることがある
パナソニックホームズ品確法の構造耐震等級に対応建物によっては等級3とならない場合がある
大和ハウス希望者に自主性能評価書を開示建設場所・積雪条件・プランで等級が異なる場合がある
積水ハウス制度は任意であり施主が選択できる構法別に対応基準あり。詳細は営業所へ
ヘーベルハウス鉄骨系の公式ページでは確認できず
各社公式サイトの記載をもとに作成(2026年7月時点)

いかがでしょうか。6社とも「必ず等級3になります」とは書いていません。すべてに条件が付いています。

そして書き方の強さもバラバラです。トヨタホームの「標準仕様で耐震等級3」と、セキスイハイムの「クリアすることが可能」では、同じことを言っているようで受ける印象が違いますよね。積水ハウスに至っては、制度の利用は任意でお客様が選べる、と書いています。

正直に書きますが、いちばん情報がなかったのは我が家が建てたヘーベルハウスでした。鉄骨系の構造ページや商品ページを探しても、耐震等級についての明記が見つからなかったんです。実大実験や制震技術については詳しく書かれているのに、等級の話はほとんど出てきません。

実際に建てると、書類には等級が記載されている

ところが、です。実際に引き渡しを受けると、耐震等級がはっきり書かれた書類が出てきました。それが設計住宅性能評価書です。

そこで初めて知ったことがあります。耐震等級は1種類ではありませんでした。

設計住宅性能評価書の評価結果ページ。耐震等級1-1・1-2ともに等級3と記載されている
我が家が受け取った設計住宅性能評価書の抜粋
  • 1-1 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止):数百年に一度の地震で倒壊・崩壊しにくいか
  • 1-2 耐震等級(構造躯体の損傷防止):数十年に一度の地震で大規模な修復が必要な損傷が生じにくいか

世間で「耐震等級3」と言われているのは、ほぼ1-1のほうです。倒壊しないかどうか、という指標ですね。

そしてもう一方の1-2には、評価書に「選択なし」というチェック欄が用意されています。調べてみると理由が分かりました。住宅性能表示制度では、1-1は必須の評価項目ですが、1-2は選択項目なんです。申請時に選ばなければ評価されず、書類には選択なしと記されます。

つまり「耐震等級3です」と説明されたとき、それが倒壊等防止だけなのか、損傷防止も含めた両方なのかは、書類を見るまで分からないということになります。

ちなみに我が家は、1-1と1-2の両方で等級3でした。選ばないこともできる項目まで評価を受けていたことを、書類を見て初めて知った形です。

誤解のないように書き添えると、この1-1と1-2という区分はヘーベルハウス独自のものではありません。品確法に基づく制度上の仕組みで、どのメーカーで建てても評価書の書式は同じです。だからこそ、あなたが検討しているメーカーでも同じ欄を確認できます。

⑤実大実験は4つの観点で読む

各社の公式サイトには、実物大の建物を揺らす実大実験の結果が載っています。ここも数字が並ぶので比較したくなる場所です。

メーカー公表値何の数字か
セキスイハイム250回を超える加振/2,112gal加速度と回数
積水ハウス245回/最大速度160カイン速度と回数
パナソニックホームズ震度7を200回以上に相当部材試験からの換算値
トヨタホーム計90回(うち震度6以上17回)震度階級と回数
大和ハウス175kineを4回連続速度と回数
ヘーベルハウス12波/震度7相当を23回連続波数と回数(構造により異なる)
各社公式サイトの記載をもとに作成(2026年7月時点)

結論から言うと、この数字は横並びで比べられません。読むときの観点は4つあります。

  • 回数が何を指しているか。パナソニックホームズの「震度7を200回以上に相当」は、実物大の建物を200回揺らした数字ではありません。耐力壁の繰り返し変形試験で吸収したエネルギー量から換算した値だと、公式サイトの注記に書かれています
  • 単位が揃っていない。積水ハウスと大和ハウスは速度(カイン/kine)、セキスイハイムは加速度(gal)です。速度と加速度は別の物理量なので、数値の大小に意味はありません
  • いつの実験か。セキスイハイムは実験を2003年と2005年に実施したと明記したうえで、現在の仕様とは異なる部分があると自ら注記しています
  • 何を損傷と見ているか。パナソニックホームズは、基礎については実験施設の都合で確認できないと書いています。構造体は無事でも、内外装や基礎まで含めた判定かどうかは別の話です

この4つを踏まえると、見るべきポイントが変わってきます。数字が大きい会社が強いのではなく、条件を開示している会社は信頼して読めるということなんですよね。

実験の説明を受けたら、確認するのはこの4つだけで十分です。

  • 何を揺らしたのか(実物大の建物か、部材か)
  • いつ、どの商品で行ったのか
  • 何をもって無傷と言っているのか(構造体だけか、内外装や基礎も含むか)
  • 注記に何が書かれているか

特に4つ目です。今回6社を読み比べて感じたのは、注記にこそ大事なことが書いてあるという点でした。各社の実験内容をもう少し詳しく比べた記事は、あらためて用意する予定です。

⑥公式情報だけでは分からないこと

6社の公式サイトを読み込んでいて、あることに気づきました。「建物」については驚くほど詳しいのに、それを「証明する書類」については情報が極端に少ないんです。

メーカー公式が書いていること
積水ハウス住宅性能表示制度は任意。利用は施主が選択できる
大和ハウス希望者に自主性能評価書を開示する
パナソニックホームズ地震あんしん保証の適用条件が耐震等級3
セキスイハイム設計図書の審査と現場検査で評価書が交付される
トヨタホーム完全邸別生産(生産方式についての記述)
ヘーベルハウス制度についての説明ページは確認できず
各社公式サイトの記載をもとに作成(2026年7月時点)

「評価書」には2種類ある

表のなかで、大和ハウスの記述に注目してください。「自主性能評価書」という言葉が使われています。これは日本住宅性能表示基準に基づいてメーカーが作成し、開示する書面です。

一方、住宅性能表示制度で交付されるのは、登録住宅性能評価機関という第三者機関が発行する評価書になります。名前は似ていますが、作成する主体が違うわけです。

登録住宅性能評価機関が交付した設計住宅性能評価書の表紙
交付元の機関名と機関登録番号が記載されている

我が家の設計住宅性能評価書には、交付した登録住宅性能評価機関の名称と、国土交通大臣による機関登録番号が印字されています。第三者が発行した書類であることが、書面そのものから確認できる形です。

もうひとつ知っておきたいのが、評価書は設計と建設の2段階に分かれている点です。設計住宅性能評価書は図面の審査に対して交付され、建設住宅性能評価書は現場検査を経て竣工後に交付されます。我が家は両方を受け取っていて、引き渡し書類のなかにPDFで揃っていました。

等級3が実利につながる場面

書類で等級を証明できることには、実際のメリットもあります。

分かりやすいのがパナソニックホームズの「地震あんしん保証」です。この保証の適用条件に、耐震等級3を有する建物であることが明記されています。等級が営業トークではなく、契約上の条件になっている例ですね。

もうひとつは地震保険です。耐震等級に応じた割引制度があり、等級3なら保険料が50パーセント引きになります。我が家もこの割引が適用されました。ただしこれも、書類で等級を証明できることが前提です。火災保険と地震保険をどう組み立てたかは、別記事にまとめる予定です。

評価書の費用は、見積書に出てこないことがある

ここでひとつ、我が家の見積書を見返して気づいたことをお伝えします。

諸費用の項目に設計住宅性能評価書の記載は無し

諸費用の欄には、設計図書作成費や工事監理費といった項目が並んでいました。そのなかに長期優良住宅の申請手数料(63,800円)もあります。こちらは補助金を受けるために自分から取得をお願いしたものなので、費用として計上されているのは納得でした。

ところが設計住宅性能評価書の取得費用は、独立した項目として書かれていません。それどころか、打ち合わせで評価書の話題が出た記憶もないんですよね。取得しますか、と聞かれた覚えがないんです。

自分から依頼した長期優良住宅は項目として現れ、依頼した覚えのない評価書は項目に現れないまま書類だけが手元にある。標準仕様に含まれていた可能性はありますが、私の見積書からは確認できませんでした。契約内容は会社や仕様によって異なるので、ここは営業担当者に確認していただくのが確実です。

もうひとつ思い当たることがあります。先ほど書いた耐震等級の1-2、損傷防止の等級についてです。制度上は選択項目なのに、選びますかと聞かれた記憶がありません。それでも評価書には等級3が記載されていました。

ここから言えることは、シンプルだと思います。施主が何も聞かれないまま決まっている部分がある。ヘーベルハウスで建てた我が家の場合は良い方向に働きましたが、逆のパターンもあり得るわけです。

だからこそ、こちらから確認する必要があるんですよね。見積書に項目がないことは、取得していない証拠にも、標準に含まれている証拠にもなりません。

※金額や取り扱いはハウスメーカー、仕様、申請内容によって変わる点はご留意ください。

ここで念のため書いておきたいことがあります。各社の公式サイトに等級の記載が少ないことを、不親切だと責めるつもりはありません。耐震等級は間取りや敷地条件によって一邸ごとに決まるものだからです。会社として全棟一律に断定できない以上、条件付きの書き方になるのは当然とも言えます。

だからこそ、確認する相手は公式サイトではなく各社の営業担当者になります。耐震性を重視して比較したいなら、担当者に直接聞くしかないんですよね。

⑦営業担当者に聞きたい5つの質問

ここまでの内容を踏まえて、営業担当者に聞くべき質問を5つにまとめました。

  1. 耐震等級は、倒壊等防止と損傷防止の両方が評価されますか
  2. 設計住宅性能評価書は取得できますか。費用はいくらですか
  3. それは第三者機関(登録住宅性能評価機関)が交付する評価書ですか
  4. 制震装置は標準ですか。我が家のプランでは何カ所入りますか
  5. 実大実験はいつ、どの商品で行われたものですか

耐震の話から書類へ、そして制震・実験へ。実際の打ち合わせで話が進む流れに沿って並べました。

1番目と3番目は、この記事を読んだ方でないと出てこない質問だと思います。特に1番目は、営業担当者の理解度もはっきり見える質問になります。

2番目で費用まで聞いておく理由は、先ほど書いたとおりです。見積書に項目として現れないことがあるので、口頭で確認しないと標準なのか追加なのか判別できません。4番目の「何カ所」も同じで、標準かどうかだけでは実際の仕様が見えないんですよね。

そして大事なのは、同じ質問を複数社にぶつけることです。1社だけに聞いても、その答えが標準的なのか特別なのか判断できません。3社に同じ質問をすれば、答え方の差そのものが情報になってくれます。

とはいえ、3社の展示場を回るのは時間も体力も要ります。我が家も休日がまるごと潰れて、後半は集中力が持ちませんでした。まずは気になるメーカーの資料とプランをまとめて取り寄せ、同じ土俵で比べられる状態を作る。そのうえで質問をぶつける相手を絞るほうが、現実的だと思います。

⑧まとめ|耐震性は1つの数字で比べられない

6社の公式サイトを読み込んで分かったことを整理します。

  • 制震は装置を追加する型・壁に組み込む型・装置を持たない型に分かれ、「あり/なし」では比較にならない
  • 6社とも「必ず耐震等級3」とは書いておらず、すべてに条件が付いている
  • 耐震等級には倒壊等防止と損傷防止の2つがあり、後者は選ばないこともできる
  • 実大実験の数字は単位も条件もバラバラで、大小に意味がない
  • 評価書には第三者機関が交付するものと、メーカーが作成するものがある

ただ、5つを覚えていただく必要はありません。この記事でいちばんお伝えしたいのは、一文だけです。

言われなかったから存在しない、とは限らない。

耐震等級が2種類あることも、損傷防止の等級を選べることも、評価書が第三者から交付されることも。我が家の打ち合わせでは、一度も話題に出ませんでした。それでも書類には全部書かれていたわけです。我が家では結果的に両方とも取得されていましたが、こちらから聞かなければ分からなかったという事実は変わりません。

契約前の私は「ヘーベルは地震に強いらしい」という程度の理解でした。もっと早く知っていれば、打ち合わせでの質問の仕方も変わっていたはずです。

だからこそ耐震性能にこだわる方は、ぜひ契約前に確認してください。

この記事が、その質問リストになれば嬉しいです。