太陽光9.27kW+蓄電池6.5kWhの8月実測|買電665kWh、9割が18時〜翌6時

太陽光9.27kW+蓄電池6.5kWhの8月実測|買電665kWh、9割が18時〜翌6時

太陽光9.27kWと蓄電池6.5kWhの実測データを毎月公開しています。前回は7月の実績をまとめ、買電の約91%が18時から翌朝6時に集中していたことをお伝えしました。

シリーズ第4回となる今回は、真夏のピークとなった8月の実測データを取り上げます。

8月は7月より売電量がわずかながら増えました。それなのに、電気の収支はさらに厳しい結果になっています。

「よく売れた月=家計にやさしい月」ではなかったわけです。30分ごとのデータを追いかけると、その理由ははっきりしていました。

8月の太陽光発電実績まとめ

  • 買電量:665.7kWh(7月比 約9%増)
  • 売電量:442.3kWh(7月比 約3%増)
  • 仮収支:約▲16,200円(7月から約1,800円悪化)
  • 買電の約90%が18時から翌朝6時に集中(7月は約91%)
  • 蓄電池が夜にまかなえたのは1晩あたり1.6kWh
  • 買電単価35円/kWhの想定が、実際の請求額とほぼ一致した

太陽光・蓄電池と我が家の条件

発電量や消費電力量は、設備容量だけでなく、住宅の大きさや家族構成によって大きく変わります。比較の前提として、我が家の条件を載せておきます。

  • 太陽光パネル:サンテック 9.27kW
  • 蓄電池:オムロン KP-BU65B-S(容量6.5kWh)
  • パワコン:オムロン KPBP-A-2(5.9kW)
  • 過積載率:約157%
  • 家族構成:二世帯6人+わんこ
  • 全館空調:1階・2階の2台を24時間運転
  • 給湯・コンロ:ガス

一般的な4人家族の住宅より床面積も人数も多いため、消費電力量そのものを単純比較できない点にはご注意ください。

①8月の結論|売電は増えても収支は悪化

売電は増えました。それでも持ち出しは7月より約1,800円ふくらんでいます。

項目7月8月
発電量(参考値)884kWh848kWh
消費電力量(参考値)1,038kWh1,051kWh
売電量430.2kWh442.3kWh
買電量608.3kWh665.7kWh
仮収支▲14,400円▲16,200円
仮収支は売電16円/kWh・買電35円/kWhで試算

ここでいう仮収支は、売電収入から買電額を差し引いた金額です。基本料金や燃料費調整額を含まないため、実際の請求額とは一致しません。

売電が伸びても、買電がそれ以上に伸びれば収支は前月を下回ります。では、なぜ買電がここまで増えたのか。そこを30分データで追いかけていきます。

買電35円/kWhの想定を、請求書で検証しました

このシリーズでは5月から一貫して、売電16円/kWh・買電35円/kWhで仮収支を試算してきました。この35円が妥当なのか、今回あらためて請求書で確認しています。

7月15日から8月14日までの実際の請求額は24,633円、使用量は703kWhでした。単純に使用量で割ると約35.0円/kWh。これまでの想定とほぼ一致しています。

なお検針期間が毎月15日始まりで暦月とずれるため、表の仮収支はあくまで概算です。

②買電の約9割は18時から翌朝6時

電気代を押し上げていたのは、真夏の日中ではなく夜でした。

時間帯7月の買電8月の買電
6〜18時52.8kWh67.6kWh
18〜翌6時555.6kWh598.0kWh
夜間が占める割合約91%約90%

ひと月だけなら天候のいたずらも疑いますが、2か月続けて同じ形が出ました。我が家の構造的なパターンと考えていいと思います。

金額に直すと、収支のどこが効いているのかがさらにはっきりします。

時間帯7月8月
6時〜18時+5,036円+4,709円
18時〜翌6時▲19,444円▲20,931円
合計▲14,408円▲16,222円
売電16円/kWh・買電35円/kWhで試算

昼間の収支は7月も8月も約+5,000円で、大きくは動いていません。約1,800円の悪化は、そのほとんどが夜間で生まれています。

全館空調を24時間動かしていても、日中の買電は全体の約1割に収まっています。買電の9割は、太陽光による発電が期待できない夕方から翌朝でした。

③蓄電池は夜9時ごろまでに使い切っていた

6.5kWhの蓄電池は、夜を越えるための容量ではありませんでした。

放電量を時間帯別に集計した結果がこちらです。

  • 15時から18時の放電が、1か月の放電量の約7割
  • 18時から21時で、残りをほぼ使い切る
  • 21時以降の放電はほぼゼロ
  • 0時から6時の消費は、そのほとんどを買電でまかなっている

1晩あたりに直すと、7月からさらに厳しくなっていることが分かります。

1晩あたり(18時〜翌6時)7月8月
消費量20.2kWh21.1kWh
買電量17.9kWh19.3kWh
蓄電池の放電量1.9kWh1.6kWh

つまり蓄電池は、夕方から夜9時ごろまでのいちばん電気を使う時間帯を支えるための設備でした。カタログを見ていたころは何となく一晩分のイメージを持っていたので、ここは住んでみて初めて腹落ちした部分です。

充電のほうは余裕がありました。8月は31日のうち27日で満充電に到達し、そのうち25日は12時より前に到達しています。いちばん早い日は9時ちょうど、いちばん遅い日でも13時30分でした。9.27kWの太陽光に対して蓄電池が6.5kWhなので、充電する能力そのものにはかなり余力があります。

②と③を合わせると、真夏の買電量を決めている構造が見えてきます。日中の買電は少なく、買っている電気の中心は太陽光が発電しない時間帯です。さらに蓄電池も夜の早い時間に使い切ってしまうため、この時間のズレが真夏の買電を押し上げています。蓄電池を検討中の方は、kWhの数字よりも「夜の何時まで持たせたいのか」から逆算してみてください。

④売電量は家に人がいるかでも変わった

同じ家、同じ設定でも、家族が不在だった3日間は売電量が大きく増えました。

8月10日から12日まで、家族で旅行に出ていたんですよね。全館空調はつけっぱなしのまま、家は基本的に無人です。意図せず、比較データが取れました。

1日あたり不在の3日間それ以外の28日
買電量14.2kWh22.3kWh
売電量19.0kWh13.8kWh
0時から6時の消費量6.2kWh10.0kWh

設備も設定も何ひとつ変えていません。それでも買電は1日あたり8kWh以上減り、売電は5kWh以上増えています。売電量は天候だけでなく、その時間に家でどれだけ電気を使っているかにも大きく左右されるということですね。

もうひとつ、深夜の数字も見てください。誰もいない家でも、0時から6時の6時間で約6.2kWhを使っています。全館空調や冷蔵庫、待機電力などを含め、無人でもこれだけの基礎消費があることになります。

人が寝ている日との差は約3.8kWhでした。人がいることで増える家電の使用や空調の負荷などが合わさった差だと考えられますが、3日間だけの比較なので内訳までは分かりません。外気温や湿度の条件もそろえられていないので、ここは今後もデータを重ねていきたいところです。

⑤発電量を今回参考値として扱う理由

この記事で発電量と消費電力量を参考値としているのには理由があります。

7月の記事でも、晴天時の日中に消費電力量が0.000kWhと表示される時間帯があることに触れました。今回8月分と6月分を合わせて調べたところ、さらに別の不整合も見つかっています。

30分単位で見たときに、売電量が発電量を上回っている時間帯が複数ありました。計測位置や蓄電池側の制御の影響も考えられるため、原因はメーカーに確認中です。

一方、この記事の軸にしている買電量については裏が取れています。電力会社の検針票と2請求期間分を照合したところ、いずれも誤差0.3%以内で一致しました。

検針期間HEMSの積み上げ検針票
6/15〜7/14442.5kWh443kWh
7/15〜8/14701.1kWh703kWh

そのため今回は、確認の取れた買電と売電だけで組み立てています。太陽光側の正しい発電量が分かりましたら、あらためて記事にする予定です。実測データを扱う以上、確認できた数字と確認中の数字は分けて掲載したいと考えています。

まとめ|真夏の収支を決めたのは夜だった

  • 仮収支は約▲16,200円。売電が増えても、買電の伸びが上回れば持ち出しは増える
  • 買電の約90%は18時から翌朝6時。7月と8月で同じ形が出た
  • 蓄電池6.5kWhは夜9時ごろまでに使い切る。夜通し持たせる容量ではない
  • 売電量を左右するのは天候だけではなく、その時間に家で電気を使っているかどうか
  • 無人でも深夜6時間で約6.2kWh。全館空調を24時間動かす家の土台の消費
  • 買電35円/kWhという想定は、実際の請求額とほぼ一致していた

太陽光をたくさん載せれば電気を買わなくて済む、という単純な話ではありませんでした。日中は屋根の上でしっかりまかなえている一方、夜の電気をどうするかは別の設計問題として残ります。

それでも、電気代を気にして冷房を弱めようという感覚はありません。高齢の両親、子ども、留守番中のわんこがいる我が家にとって、家のどこにいても快適に過ごせることは大きな安心につながっています。

これから太陽光や蓄電池を検討される方は、容量の数字よりも先に自分の家が電気を使う時間帯をイメージしてみてください。共働きで日中ほとんど家にいないご家庭と、我が家のように24時間空調が動いているご家庭では、同じ容量でも結果がまったく変わってきます。

太陽光や蓄電池は、同じ容量でもメーカーや販売店によって提案の中身が大きく変わる設備です。屋根に載せられる容量だけでなく、家族がいつ電気を使うのかまで含めて考える必要があります。我が家もメーカーごとの提案を並べたことで、設備容量の数字だけでは見えない違いが分かってきました。

9月も引き続き実測を続けます。外気温が下がってきたときに、買電の9割が夜間という形が崩れるのかどうか。ここが次の見どころだと思っています。

過去の太陽光発電の実測データについては、それぞれ下記の記事をご覧ください。

本記事の数値は我が家のHEMSおよび電力会社の検針票にもとづく実測値です(2026年8月時点)。建物の条件や設備構成、契約プランによって結果は大きく変わります。